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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
九話:『纒 慎二』と天才的頭脳
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国立病院で、受付からドンドン奥に通された。

そして、たどり着いたのが一つの重そうなドアの前。

そのドアを開けると、いくつもの調薬機器が置かれた部屋に通された。

通される前に、マスクを渡されてサラと俺はつけてから移動する。


マスク姿の老人が、サラを見つけて近寄ってくる。

白髪まじりの眉が見え、腰も少し曲がっていた。


「お主がサラか?」

「はい、リーピさん」

「聞いている、サスマラ大学の天才少女だったか?名前は聞いているぞ。

あのクソジ……いやいやアットニー博士は元気をしているか?」

「はい、博士は元気をしています」

「あのジジイまだ、生きとったのか」

悪態を吐いたマスク姿の老人。


「これ、クラーさんからです」

「ああ、クラーの嬢ちゃんか。しかし、生憎だが今は忙しい。見ての通りだ」

調薬所は人が、かなり多くいた。無論、マスクをつけて作業をしている。


「傷薬を、作っているのですか?」

「ああ、火傷の痛み止めも。全くこちらも、手伝って欲しいぐらいだ」

「私も本当はその薬を作りたいのですが……ごめんなさい」

「ああ、いい。作戦に必要な薬なら、優先して作らせろと、貴族議会から指示も出ている。

その薬も、大方そうなのだろう」

「はい」

「まあ、いい。とりあえず、あそこを開けたから使ってくれ。

ただし、急だったもので、古いモノしか用意はできない」

「ありがとうございます、感謝します、リーピさん」

「おう、まあ頑張れや。あんた、今からすごく難しい実験をやるんだろ」

「どうしてそう思うんだ?」聞いたのは俺だ。

「顔を見ればわかる」リーピはそう言いながら、すぐに自分の仕事に戻っていった。

そんな間も、移動していたサラは隅にあるテーブルの場所に既に移動していた。


「わしも昔はそうじゃった。初めての実験は緊張するもんじゃ。

まあ実験は、基本的に失敗するものじゃよ。じゃが、気を落とすでない」

「でも作戦上、失敗はできませんね」サラは言い切った。

「まあ、武運を遠くで祈っておるよ。サラ医師」

リーピは少し離れたところで、仕事に戻っていく。

リーピの先では、慌ただしく薬の調合が行われていた。


「マトイさん、それじゃあ、そこで待っていてくださいね」大きく手を振りながら俺に応えていた。

「いいのか?」

俺の問い掛けに、頭を一回縦に振ってすぐに実験に取り掛かっていた。

結局、俺はそこで見守ることしかできなかった。



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