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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
九話:『纒 慎二』と天才的頭脳
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(MATOI‘S EYES)

翌朝、四畳半のギルドに集まっていた。

このギルドはアリの巣穴みたいに他にもいくつか穴があって、そこの住居で休むことができた。

地下なのでジメジメしていて、居心地はあまりよくない。昨日みたいに結露が落ちてきたりするし。

そんなギルドの中心の部屋に、みんな集まっていた。


「それで、どういうことですの?」

長いツインテールの女、マリアもここで合流した。

「どういうこともない、これが事実だ」

「昨日、調べたとおり、シアラ様が処刑されることになりました。

今日の昼に、その刑は執行されると思います」

クラーが申し訳なく伝えた。

現在この部屋には俺とサラ、レティアとクラー、そして、マリアがいる。

ノニールは、朝から貴族の議会に呼ばれていた。

レジスタンスの対応で、彼なりのツテがあるようで議会の参加を求められた。


「それでも、サラの情報が正しければ……あの場所に行けば奴らの本拠を叩けばいいのじゃないか?」

「レジスタンスは、獣化病の患者を戦士として使っています」

サラはそこで発言をしていた。


「それが厄介よね、普通の兵士よりも数段強い。何よりひるまないから。

更に問題なのはその数、報告されているのは二十だけど、四十近くいたんでしょ」

レティアも難しい顔を見せた。

「ごめんなさい、私のせいで……」

「謝る前に、何か行動で示してくれますの?あなたのせいで、こんなことになったのですから!」

謝るサラに、マリアは厳しい目を向けた。

マリアにとってシアラは唯一の姉妹だ。

彼女を失うことは、それだけでマリアにとって大きな支えを失う事になる。


「ちょっとそれは、言い過ぎじゃない?」

「コンレイ、黙って!私の一番大切な……シアラを……」

泣き出しそうな顔のマリア。クラーが慰めていた。


「だったら、一つだけ提案がある」ずっと見ていた俺が口を開いた。

「マトイ様……なにかしら?」マリアが気丈な顔で、俺を見ていた。

「獣化した人間、それを止める方法がサラにはある」

「はい、私はこの薬をつくろうと思っているのですが」

そう言いながら、サラは『ナーリーレシピ』を取り出した。

そこには、ひとつの薬の作り方が書かれているようだ。しかし用語が難しくて理解はできないが。


「これは?」

「獣化病をした人間の鎮静剤です。

私が持ち込んだ薬は、私がかつて通っていた学校の教授が作ったもので、その基本理論を私は学んでいます。

この薬は、その応用で液体化しています」

「液体化……しているの?」

「この薬は『ノクセント』は、レジスタンスに渡り使われてしまいましたが、方法がないわけではありません」

そう言いながら、サラはもう一つの薬を取り出した。

小瓶に入った薬で、黒い液体だ。


「それって……なんだ?」

「これは『ペトノン』。

一言で言えば毒ですが、この本にペトノンのつくり方と同じような化学変化が使われています。

質量の法則というのですが、この化学変化に逆流という現象を起こし……」

「ううっ、頭が」聞いていた全員が、眠そうな顔をする。

俺も無論サラの言っていることが、よくわからない。

もちろん周りのみんなも、ほとんど分かっていないようで眠たそうな顔を見せていた。


「あ、つまり、このペトノンの原理で薬を作るんです。霧状散布型の薬を」

「そんなことが、できるのか?」

「はい、そのためにはいくつかの実験機器が必要で……でもアルバーニ医院は使えません。

あそこの調薬所は、かなり機器は揃っていますが」

「調薬所でいいのか?」それを聞いてきたのはクラーだ。


「あるんですか?」

「ああ、ある。国立病院の近くに、クラーのギルドも契約している薬剤師がいる。

その男に頼めば、ある程度の機器を用意できる」

クラーの言葉に、サラの目が輝いた。


「あっ、ありがとうございます」

「でも、あなたに本当にできるのかしら?」

「サラは優秀な医者よ、あたしが保証するわ」

マリアの疑心を、レティアが胸を張って言い返した。



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