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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
八話:『纒 慎二』と潜入作業
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ノニールのメモは、クラーのいるギルドの位置だ。

ちなみに深夜の時間帯で、街灯以外あまり明かりもない。

とりあえず行ってみることにしたが、意外にも空いていた。

それは、どこにでもある酒場だ。だけど新しくはない、結構みすぼらしい風貌だ。


「明かりはついているな」

「入ってみましょうか」

「そうだな」ほかに行く場所(アテ)がない。

素直に酒場の中に入っていた。中は、一人だけだ。

ガラガラの酒場は、しんみりとした演歌のようなフォークのような曲がかかっていた。

明かりもついているけど、薄暗いし。


「店、やっているのか?」

「なんだ、お前?」目つきの悪いバーテンダーだけがいた。

「ああ、実は……」あのキーワードを俺が一言言うと、バーテンダーは俺を手招きした。

招かれると、バーテンダーは後ろにある酒の入った棚を動かした。

動かした先には、下り階段だ。


「入れ」バーテンダーは、ぶっきらぼうに俺たちを引っ張る。

俺とサラはそう言うと、直ぐにバーテンダーは入口を閉めていた。


階段の中は、本棚を締めて一気に暗くなる。

「明かりはなしか……足元気をつけろ」

「うん」暗闇の中を俺とサラが歩いていた。


「今から行く場所は?」

「レティアの知り合いの知り合いが運営しているギルドらしい、盗賊ギルドらしいが」

「そうですか……あっ!」サラが暗闇の中で、突然可愛い声を上げた。


「どうした?」俺は振り返るけど、暗くて見えない。

「ううっ、なんか」

「あっ」俺の背中にも、何かがあたっていた。

これは、サラか。俺の背中にしがみつくように、人の気配を感じた。


「マトイさん、助けてください」

「仕方ないな、暗いしな」階段はどれぐらい続いているかわからない。

コツコツコツ、足音だけが聞こえてくる。


「どこまで続いているのでしょうか?」

「さあな、とにかく」

「あっ!」再びサラが声を上げた。

「今度はどうした?」

「何かが、何かが……」

「落ち着け、サラ。ちょっと止まるか」暗闇の中なのか、サラが取り乱している。

とりあえず、俺は歩みを止めた。


「うん、マトイさん……」

そんな時、俺らの前が突然光のようなものが差し込んできた。

それほど強くない明かり、奥にあるドアが開いたようだ。


「誰かいるの?」そこには、小さな女の子がランタンを持って現れた。

俺は直ぐにわかった、クラーだ。


「クラー、ああ、良かったな。サラ」

「う、うん」そんなサラは、すっかり俺の背中におんぶされていた。

「マトイ、遅いわよ。それに女と、何をやっているの」クラーは俺に対して睨んでいるようだ。


その後、クラーに案内されて、連れてこられたのは狭い部屋。

六畳ほどの狭い部屋に、小さなテーブル一つ。

壁には本棚がそのまま埋まっていた。手狭な地下室は、子供の時に作った洞穴の秘密基地レベルだろう。

そんな部屋の中に、レティアとノニールも集まっていた。


「あっ、レティアさん。ノニールさんも」

「サラ、無事だったのね」

「うん、だけど……」

「マトイ君、早速っすが次の作戦に加わってもらうっすよ」

ノニールは笑顔で、俺を作戦に組み込もうとしていた。


「おいおい、夜中まで働いてきて……」

「事は急を要するの、あたしの友が殺されてしまうから」

レティアの表情が、強ばっていた。


「何が起きた?」

「明日、シアラが……勇者ルデースが処刑されることになったの」

レティアの言葉で、俺は驚きがあった。

そして、それはサラにも驚きの表情を見せていた。



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