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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
八話:『纒 慎二』と潜入作業
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ソーリックは虎頭だ。黒い毛の虎の頭。

足の早さには、かなり自信があるだろう。

対する俺は、巨大なクマの姿をしたグリゴン。

ノケモンの中でも最も遅いノケモンだ。図体ばかりかくて、動きも遅い。

鈍くて、遅くて、よく眠り、よく食べる、ぐうたらという言葉がぴったりだ。

ぴったりだからこそ、この手が使えた。


「なにっ、口を開けた」猛スピードで近づくソーリックは、急ブレーキをかけた。

そう、俺はレシピを一気に丸呑みにした。

「マトイ……さん」サラも驚いた顔を見せていた。

「ちっ、騙したな」

慌ててソーリックはサラのところに戻る。だが、それはさせない。

既に俺は次のコマンドを考えていたからだ。


足を踏ん張って、俺の巨体が飛んでいく。ソーリックの背中めがけて、《ずつき》が炸裂した。

ソーリックの体が、逆カーブを描くように背骨が曲がって、そのまま病室の壁に叩きつけられた。

その反動で、グルグル前転した後にサラの前で着地した。


「サラ、リュックを背負え!」

「え、はい」

ソーリックが気を失ってか、狼頭が挙動不審になっていた。

それでもサラは驚いた顔だけど、すぐに置いてあるリュックを拾って乱暴に肩に担いだ。

俺とサラがこの部屋を出ようとするとき、ソーリックはゆっくりと立ち上がった。

だが、俺とサラは動きを加速させた。振り向きさえもしない。


「くそっ、奴らを……絶対に逃がすな!」

虎男のソーリックは、忌々しく俺とサラの逃げる背中を見ていた。

鉄の扉を抜け、俺たちは進む。階段を上がりながら、サラが先頭に進んでいく。

階段を上りながら、サラがおそるおそる聞いてきた。


「あのレシピは……」

「ここにある」俺は腹をさすった。

「ほ、本当に食べたんですか?」

「いや、こいつは便利なんだよ」

そう言いながら、階段をさらに登っていく。


「どういうことですか?」

「あとで説明する、まずはここの出口を探すんだ」

「うん」そう言いながら、少し軽くなったリュックを背負い直して走っていた。



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