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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
八話:『纒 慎二』と潜入作業
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ソーリックの様子が、明らかにおかしい。

それに、ここに眠っているのは何だ。病に冒された獣の人間ばかりだ。

白い部屋にあるその空間は、余りにも異質だった。

サラも驚いて、ソーリックを見ていた。


「彼らは優秀な戦士、ここは戦士の眠る場所」

「あなたたちはやはり、獣を……」

「ええ、あなたたちの推理通りです。でも、今はあの薬(ノクセント)を渡すわけにはいかないですよ」

「獣を戦士として使って戦う、それは非人道的ですよ」

サラの不満と怒りが止まらない。

それでも、俺が前に出て身構えていた。


「そう、そのとおり。これは非人道的な戦いだよ」

「だったら、何故?」

「そこでサラ、君を呼んだ。獣化病に詳しい君なら、より強い獣の兵士を使えるはずだ。

苦しみを与えぬまま、手持ちの薬は全部使ってしまったからね」

空の小瓶を、俺たちに向けて投げ返した。

それをサラが、悲しそうな顔で拾っていた。


「そこに君が現れた。薬剤師ナーリーの娘、サラ……」

「もしかしてレシピ?」

「そう、『ナーリーレシピ』」

「そんな……」小さなサラは、ショックを隠しきれない。


「レシピには、ナーリーが記さなかったいくつかの研究結果も乗っている。

例えば、強力な殺人兵器の作り方……なんかも載っているそうだ。

どういうものか知らないが、是非今後の戦いのために必要ですから」

「戦いを止めるつもりはないのですね」

「ええ、この国の中から完全に貴族から追い出す。

でもそれだけではダメだ、自分たちはさらに勝利をするために『ナーリーレシピ』は欲しいのだよ」

「絶対に渡しません」

「……だろうと思ったよ」

そう言いながら、指をバチンと鳴らすとベッドに眠っていた人間が目を覚ました。

それは、狼頭たちだ。目を赤くして、俺たちを見ていた。

数は十人、いや二十人近くいるだろうか。


「とりあえず、君を殺してレシピをいただくとするよ」

勝ち誇った顔で、ソーリックは狼頭を俺たちにけしかけていた。



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