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任せて安心!KUMALSOC!

いよいよ『KUMA』タグの登場です

KUMAが何か知りたい人は作者の過去作『KUMAは猟師殺しを夢見たか』『異能バトル(リレー式)』をチェック!

ええ、そうです、宣伝ですとも(開き直り)

 この世界最大の大陸、トジス大陸、“コ”の字の形をしている、〕の形といった方が適切かもしれない

 この大陸には発達した国々もあるが、一方で大陸の6割は未開の地とされ鬱蒼とした自然が広がり人を寄せ付けない

 しかし“コ”の字の中心貫くように道が通っており、大陸全ての場所に向かうことは可能である

 さて、この道であるが当然多くの人が利用する、旅人であったり、遠くに働きに出たものであったり、遠くに学びに出たものであったりと様々だ

 その中には当然商人もおり、そしてまたもや当然ながら後ろ暗い商品を扱う商人も存在している

 そんな悪徳商人たちが移動に苦労する場所がある、とはいっても多くの国で法に引っかかる物を運ぶ彼らには苦労ばかりであるし、普通の商人にも道脇から大自然が襲い掛かってくることがあることも考えると、警戒の対象に国の衛兵や警察が増えるだけとも考えられる

 話を戻そう、ちょうど“コ”の字の書き始めから半分のあたり、この辺りの道で対自然の安全性の高い道は三つ

 1つ目はナーガ連邦を通る海沿いの道、かつて麻薬の反乱で国が荒れたこともあり、ここを通るものは厳重にチェックされる

 2つ目はワルケン共和国を通る山道、あまり道が整っておらずがたがたな他、国を通る際のチェックもそれなりに厳しい

 そして3つ目、最近独立したヌウル共和国の治安の悪い町・バンネハを通る道、ここにチェックというものは存在しない、が、代わりに互いに違法故の襲撃者は存在する

 まともな旅人や商人であれば間違いなく1つ目か2つ目の道を行くだろう、しかし脛に傷を持つ者たちはどうであろうか?

 ナーガ連邦は絶対に通れない、兵の練度も高いほか、そもそも国としての規模が大きいため、無理やり通れたとしても悪名が響き渡るだろう

 ワルケン共和国は身軽な犯罪者であれば僅かなチャンスはあるかもしれないが商人はそうはいかない商品(動かぬ証拠)がある

 となると彼らに残された道は治安の悪いバンネハを通る他にないということである







 護衛会社ノートン―ヌウル共和国・バンネハ支店―







「また仕事か…借金返し終わる前に死なないと良いなあ…」


 俺の名前は水心子 ユマ、一番上の兄貴が作った借金の連帯保証人になっていたせいで、今は愛おしい牧歌的な故郷から、銃弾が飛び交い硝煙の香りが立ち込めるバンネハに怖い人たちに連れてこられた

 借金を作った張本人は今は故郷の国の豚箱の中、一緒に連帯保証人にされていた二番目の兄は宝探しに出かけると書置きを残して蒸発、逃げやがった

 その結果、残った俺は怖い黒ずくめの男たちに連れていかれ…気が付くと…


 ブラック企業の社員にされてしまっていた!


 なんでも、ここで5年も働けば借金は返せるだろうとのこと

 俺の就職?した護衛会社ノートンはいわゆるボディガードやホームセキュリティの会社で、ちゃんとした国の支店ではちゃんとした会社である

 しかし俺が来たこの護衛会社ノートン・バンネハ支店はそんな穏やかな業務内容じゃないらしい、社内に普通にマシンガンやバズーカの類が置いてあった

 先ほど言ったブラック企業の意味は仕事の内容がブラックということだ、ちなみに給料は良い、命の保証はないらしいが、社内入り口には歴代社長がげっそりした顔で写っている、ちなみに8枚、全員殉職だ


 さあ、今日もすがすがしい朝だな!俺は社宅の窓を開け、体を乗り出した

 トジス大陸は赤道をまたがるように位置し、バンネハちょうど赤道直下、真昼は暑く、朝も暑い、しかし朝日というものはやはり気分を変えてくれるもので…


 チュイン!


 今鼻先を流れ弾が掠めて行った、仕方ない、職場に行こう

 この街は程度に差はあれど、どこにいたって危険である、店長(最強)が住まう職場が一番安全だ

 ちなみにこの辺の大地を支えている『木』は遠く離れたヌウルの首都にあるため、流れ弾で『木』が燃えて地盤崩壊なんてことにはならない

 昔の戦争ですら奪うものが丸ごと消失するため『木』を狙うことは少なかったのだ、流れ弾で滅びるのは悲しすぎる…


 ◇


「ユマ君、おはようございます、いつもより早い出勤ですね」


「おはようございます店長、やっぱりここが一番安全なので」


 ノートン社・バンネハ支店、ちょっと物騒なモノ(銃器)がある以外は綺麗な2階建ての建物である

 従業員は俺を含め4~7名程度、ちなみに今は4名、幅があるのは店長と一緒の仕事以外では殉職者が多いのと俺みたいな奴が流れてくるためである、死者も多いが供給も多いのだ…言ってて悲しくなってきた…


「ちょうどよかったです、今日は朝から仕事が入っているので着いてきてください」


「えっ他の人はいないんですか?」


 今はまだ出勤時刻ではない、が、いつも出勤時刻ギリギリに来る椎塚さんは仕方ないにしても真面目なヒューロさんは来ているはずである


「扇太郎君はいつも通りまだ出勤していません、ラオス君は…」


 ちなみに扇太郎が椎塚さんの名前でラオスはヒューロさんの名前だ、店長は全員を君付けで呼ぶがヒューロさんは女性である

 ふと、部屋の奥にミノムシみたいなものがゴロっと転がっているのを見つけた、まるで命などないようにぐだっとしたそれはMinimi(軽機関銃、実在)を抱いて微動だにしない…いやよくよく見ると微細に振動している?


「昨日の夕方から先ほどまでC-3地区で商品輸送の護衛についてもらっていました、私はその時G-8地区の暗殺依頼を行っていたので、彼女には苦労を掛けましたね」


「ヒューロさああああああん!!!」


「怖い…死ぬ…死ぬ?…アレ?…」


 俺は虚ろな目をして震えるヒューロさんを抱きしめる、よく生きていてくれた…いや本当に…同僚が死ぬのは何度経験しても辛い…辛すぎる、特にヒューロさんは同期である

 バンネハはA~Gの7つの地区に区分されておりAが比較的に一番治安が良く、Gはその逆である、とはいっても主に俺たちが請け負う商品や依頼人の護送は大抵、安全?なA地区からB地区までを通って行う、Cはキツイ、今ヒューロさんが生きているのが奇跡なくらいにキツイ

 護衛会社な癖に一番危険なG地区に出張って暗殺しに行く店長はもはや人類じゃない、というか暗殺の時点で護衛会社じゃない


「いちゃついてる時間はありませんよ、今回はB-6地区での商人のキャラバンの護送です」


 いちゃついてるんじゃありません、生きていることを喜び、感動しているんです店長…

 店長は大きく鋭い爪の生えた手で俺の首根っこを引っ掴み連行する、嗚呼、もう少し安全地帯である会社に居たかった…

 どうでもいいが店長の丁寧な口調は素の口調だと部下が怖がるかららしい、部下が死のうが生きて帰ってこようが表情変えずに仕事を淡々とこなす時点でもう怖いです、店長


 ◇


 店長の腕は太くて力強い、それでいて胴体は華奢なもんだからアンバランスだ

 今、店長はその大きな腕で依頼人であるキャラバンの団長と握手していた、心なしかキャラバンの団長の顔が強張っている気がする


「それでは、今回の依頼内容はバンネハに入ってから抜けるまでの護衛で構いませんね?」


「ああ、それで頼む」


「B-6地区を通るとのことですが、いいんですか?別にA地区を通るルートでも問題は無いような気がしますが?」


「構わん」


 A地区は街の外周に広がる辺りだ、自然からの驚異が考えられるせいか人が比較的少なく、犯罪もスリやナイフ程度で起こされる傷害などくらいのもので安全だ

 安全の意味が分からなくなってくるがそれでも安全だ、これがB地区だと通り魔や小銃の類が出てきて、C地区からは軽機関銃のお出ましである、Dはバズーカやらなんやらが出てくると古参である椎塚さんに聞いたことがある、それ以上はもう人外たちの魔窟だ、聞きたくもない

 話が逸れた、A地区は安全だが街の外周に広がるという点から抜けるのに一番時間がかかる、逆にG地区は距離的には最短コースで車で30分程度で行ける距離らしい、無事である保証はないが

 だからこのお客さんは急ぎでも無いらしいので、店長は安全かつ護衛プランの料金の安いA地区を通るルートをお勧めしているのである


「かしこまりました。それでは早速行きますか」


 仕事が始まる、店長もいることだし死ぬことは無いだろう、よし!頑張るか!


「ユマ君、今回は簡単な依頼のようなので私は極力手を貸しません、いい経験となるでしょう」


 うぼわああああああああああああ!

 死事が始まる


 ◇


 今回のお客様は何頭もの馬に荷を引かせる古典的なキャラバンだった、トジス大陸は技術の発展の差が場所によってすさまじいため、今回のようなお客さんもいれば、バイクの常識を超えたハイテクバイクに乗ったお客さんもいた

 しかし別に技術の差があってもそれが格差になることはあまりない、魔法などがあるからである、それに一部の達人は銃弾を剣で切ったりする、もう訳が分からないと思うが事実なので仕方ない

 店長はキャラバンのすぐ後ろに着き、俺はAKアサルトライフル片手にキャラバンの前を先行する

 店長は極力手を貸さないと言ったが、どの程度手を貸してくれないのだろうか?仕事には忠実な人だ、キャラバンに傷をつけるようなことは事はしないだろう


「そうですね…キャラバンへの攻撃はすべて私が凌ぎますから、襲撃者の撃退はすべて任せます」


「うをわあ!」


「そんなに驚いてどうしました?」


 気が付くと店長が後ろにいて心を読まれていた、何を言っているか分からねえと思うが言ってる俺も何が起こっているか分からねえ…


「いえ、気配を消して音もなく後ろに立つのは止めてほしいんですが」


「分かりました?…おかしいですね、気配を消していたつもりは…」


 店長が何か言った気がしたが気にしない、店長、普段の生活ですら気配を消してしまうのは暗殺者としての職業病かと…


「何か言いましたか?」


「イイエナンデモアリマセン、店長は護衛会社ノートン・バンネハ支店店長デス」


「…緊張してるようですね、安心してください、本当にいざという時は私も動きますし」


 にっこり微笑む店長、獣人特有の鋭い犬歯がチャーミングです。

 この人は心が読めるのか読めないのか、本心なのか本心じゃないのか分からないから怖い

 っと、早速かな?


「ユマ君」


「分かってます」


「襲撃者の生死は問いません」


「うす」


 余談だが、普通に生活する分には流れ弾に注意する必要はあるがD地区までは俺のような一般人でも住むことができる

 しかし、仕事となると話は変わる、護衛会社ノートンは信頼もあり、バンネハ支店では善悪問わず重要な荷物の護送を依頼される

 つまり襲撃する価値ができてくる、というわけだ冗談じゃねえ

 しかもうちの会社に依頼するクライアントはほとんどがこの街での後ろ盾を持たない人たちだ、襲撃者も心置きなく襲撃できるというわけである糞が


 チュイン!


 弾が頬を掠めて行った、すげえ痛い、抉れてない?ねえこれ抉れてない?

 ふと店長の方を見ると、店長の腕が一瞬ぶれたかと思うと、店長の方に向かっていた銃弾がすべて地面に落ちていた、理解不能理解不能…


 ◇


 あれから2回くらいの襲撃があり、道のりもようやく折り返し地点といったところ

 おかしい…いつもは発砲音なり人が揉める音なり何かしら聞こえてくるはずなのだが音が無い

 これは…


 ピーーーーーッ!!


 突如聞こえる笛の音、どこからともなくコロコロと転がってくる手榴弾、そうだね、計画的な襲撃だね、分かってた


「うおおおおおおおおお!」


 思えば突然の襲撃でテンパっていたのだろう、俺は手榴弾を拾い、投げ返した

 え、何、危険だって?知ってる。だけど今回は上手く行った、本当に運が良かった

 俺が拾ってから投げ返すまでの間に手榴弾は爆発せず、手榴弾を投げた前方で響き渡る爆発音、それとともに左右から武装した集団が現れ、待ち受けていたのは銃弾の一斉照射、やべえ、死ねる


「うわああああああああああ!」


 不幸中の幸いといったところだろうか、前方は先ほどの手榴弾で殲滅できたようで弾は飛んでこない、しかし左右からの挟撃はマジ笑えない

 右手のアサルトライフルに、左手には手榴弾をもって応戦しているが全然敵が減らない

 店長はなんか分身していた、しかもご丁寧に俺に向かってくる銃弾を少し弾いてくれている

 でも俺知ってる、アレ店長がこの程度なら対応できるだろうっていう俺への試練なのよね、そんなことできる余裕あるならいっそ殲滅してくれてもいいのに…ダメ?

 こうしないと自分がいない仕事での死亡率が増える?ダメってことですね分かってた


 ガギンッ!


 嘘だろジャムった(弾詰まり)!?詰まらないのが魅力のAKシリーズなのに!?


 ドォン!!


 驚く間もなく右足に鈍い痛みが走り、手榴弾が手から落ちた

 銃弾は前でも右でも左でもなく、敵のいないはずの後ろから飛んできていた、何故?


「ね、いい経験になったでしょう?」


 最後に聞いたのは、そんな楽しそうな店長の声だった?どゆこと?


 ◇


「知ってる天井だ」


「そりゃそうだろ、会社だもん」


「椎塚さん…」


 目が覚めたのは会社の仮眠室、ふと右足の痛みが無いことに気づく


「驚いたか?俺は魔法使いだったんだよ」


魔法使い(三十路童貞)…?」


「もう一度右足に風穴開けてやろうか?」


「すいませんでした治療ありがとうございます」


 寝起きに初めて見たのは起こしてくれる可愛い幼馴染ではなく、ぼさぼさ髪、ぼさぼさ髭のTheおっさん、椎塚さんだった、ちなみに俺に幼馴染はいない


「扇太郎君は希少な治癒魔法師(ヒーラー)ですよ、扇太郎君、お疲れ様です」


「うぃっす店長、とりあえず傷は塞いで起きましたんで、真面目にやったんで後遺症もないと思いますよ」


 椎塚さんが部屋から出て行き、後には店長と俺の二人きり、いろんな意味でドキドキする


「どうでしたか、今回の仕事は、いい経験になったでしょう?」


 店長が仮眠室のベッドに腰かけ、スポーツドリンクを渡してきた、有難く受け取り蓋を開ける


「お客さんの裏切りですか?」


「そうです」


「脅威ですけど…でも、なんで?」


 確かに護衛の対象であるお客さんが敵に回るというのは脅威だ、しかし理由が見つからない


「理由は懸賞金目当てだったりプロ(殺し屋)が依頼を受けての物だったりしますね、こんな場所ですから恨みも買うんですよ」


「でも俺そんな恨みを買うほど仕事をした覚えも…」


「ええ、おそらく私の首目当てでしょう、安心してください、契約規定に則り殲滅しました」


 原因はアンタか!あとなにも安心できるところが無いんですが


「しかし、襲撃で恐慌状態に陥ったお客様が銃を乱射することもあります、なのでたとえ味方でも1割くらいは注意を裂く必要があるんですよ、分かりましたか?」


「はい…」


 よろしい、と表情を変えずに俺の頭をごつい腕で撫でてくる店長、なんだか気恥ずかしい


「昨日今日とラオス君もユマ君も一皮むけたみたいですし、今夜は飲みにでも行きましょうか、奢りますよ」


「え゛っ…あ、ありがとうございます」


 店長に引きつった笑顔でお礼を言う

 実は前にも歓迎だと言われて店長に飲み屋に連れていかれたことがあった、店長は別に酔って何かするというわけではないのだが、出てくる酒がすべて蜂蜜酒なのである、熊だからってそれは無い

 店長は頭に丸っこい耳があり、両腕が二の腕のあたりまでモフモサ硬っ!の毛で覆われブ厚い爪を持つ熊の獣人だ、ヒューロさんは社のシャワーを使ったときに店長の頭から髪に沿って首を通り、お尻の辺りまで硬い毛皮で覆われているのを見たことがあるらしい、なんでも尻尾があったとか


「ふふ、安心してください、今回のお店は扇太郎君の行きつけのお店ですから蜂蜜酒以外もありますよ、逆に蜂蜜酒は無いそうですが…」


 店長の耳が少し倒れ、悲しそうな表情になった

 いつも無表情の店長が見せた憂い顔は、普段の殺戮機械っぷりからは想像できないほど綺麗だった

 でも惚れたりしない、怖い


―魔法使いの食道楽その10―

 『蜂蜜酒』


アリス「2話ぶりのこのコーナーだが…酒とか紹介しても大丈夫なんだろうか?」


アリス「まあ歴史くらいなら大丈夫…なのかな?やばい、ものすごい不安だ…」


アリス「ゴホン!さておき、蜂蜜酒はその名の通り蜂蜜から作られるお酒だ、アルコールだから20歳以下は厳禁、作り方は質にこだわらなければ家で作れるほど簡単だがアルコール度数が1%を超えると酒税法違反で捕まるぞ」


アリス「歴史は古く、1万年以上前から存在していたといわれる最古のお酒だ」


アリス「ハネムーンや蜜月の語源になったことや、ヨーロッパ系の神話にも登場することからも歴史の深さが読み取れると思う」


アリス「紹介できることが少ねえ…味や作り方を説明できれば…いや、やめよう…読者は少ないけど影響はあるかもしれない…」

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