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90『9万文字』(ファイナルイメージ内『ファイナルイメージ』)

(なんだこの美少女⁉)


「なんだこの美少女⁉」


 十月三十一日、授賞式当日。

 都内のホテルの待合室にて。

 キトンとブンは、お互いの美少女ぶりに驚いた。


 今日のブンは白を基調としたAラインのパーティードレスを着こなしており、薄っすら施されたメイクも相まって、神々しいまでの美少女としてこの世に顕現している。


 一方のキトンは、長身を活かした黒のマーメイドラインドレスだ。

 ハンナとヒカルの意向により、これでもかと胸元が強調されている。


「ついにこの日が来てしまったね」


 ――こくこくこくっ


「ハンナさんと編集長が僕らのために用意してくれた舞台だ。『デビダン』と『悪魔祓師物語』の販促のため、精一杯愛嬌を振りまこうじゃないか」


 ――こくこくこくっ


「先生方ぁ~」


 ハンナが待合室に入ってきた。


「うおっ⁉ 分かっちゃいましたが、エグいほど絵になるっスね~。さぁ、出番っスよ」


「行こう!」


 ブンが手を差し出してきた。

 キトンは、その手を取る。


「手を取ったね?」


 ニヤリ、とブンが微笑んだ。


「ここから先のことは、誰にも分からない。だって、ここが物語の終着駅、『ファイナルイメージ』だからだ。ラノベ一冊九万文字の、九万文字地点だよ!」

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