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第74話:偽りの聖者と深紅の蹂躙

第一帝都高校では、次期生徒会長を決める選挙戦が幕を開けていた。

立候補者は司のほかに、別クラスの谷口と美濃という二名の生徒が名乗りを上げていた。だが、実質的な勝敗は火を見るより明らかだった。惨劇から立ち直り、前を向こうとする「悲劇の英雄」としての司の圧倒的なカリスマ性は全校生徒の心を完全に掌握しており、すでに司が会長になることは決定事項であるかのような空気が学校全体を支配していた。

しかし、司はここでも決して『完璧な優等生』の仮面を外すことはなかった。

彼は自陣の有利に胡坐をかくことなく、わざわざ谷口や美濃の教室まで自ら足を運んだ。そして、驚く彼らの手を固く握り締め、一点の曇りもない満面の笑顔でこう挨拶したのだ。

「お互い、正々堂々と戦おう。誰が勝っても、この学校を今以上にもっと良くしていこうよ」

その態度は、嫌味や計算など微塵も感じさせないほど爽やかで、誠実そのものだった。この行動により、司の好感度はさらに天井知らずに跳ね上がった。あろうことか、対立候補である谷口と美濃でさえ、司の底知れぬ魅力と人間性に完全に魅了され、自らが立候補していることすら忘れて彼を応援したくなるほどの心酔ぶりを見せていた。

そして、全校生徒が集まる立会演説会。

壇上に立った司が掲げた公約は、誰もが予想しなかったものだった。高度な自治権の要求でも、派手なイベントの企画でもない。

「僕が提案する公約は……学生らしい校内の清掃活動、そして学校周辺のゴミ拾い。最後に、中庭の花壇を、美しい花で一杯にする活動です」

何の変哲もない、地味で平凡な活動内容。しかし、これには司の極めて悪辣な計算が隠されていた。

清掃活動と花壇の世話。それは、生前、狂信的なまでに司に尽くし、最終的に凄惨な死を遂げた『紀伊国屋優子』が、毎日一人で黙々と行っていた活動だったのだ。

その事実を知っている生徒たちは、一瞬の静寂の後、ポロポロと涙を流し始めた。

確かに優子は狂っていた。異常な洗脳状態で周囲を恐怖に陥れた存在だった。しかし、それでも彼女の遺した些細な善意の痕跡を、残された司が大切に受け継ごうとしている。その健気で一途な思いに、全校生徒が激しく胸を打たれたのである。

対立候補である谷口と美濃に至っては、司の演説を聞きながら肩を震わせて号泣していた。

(……あははっ。こいつらみたいな底抜けのバカが、将来の国を背負うエリート候補とか。ほんとにこの世の中、退屈で反吐が出るなぁ)

感動の涙で海のようになった体育館を見渡しながら、司は心の中で冷たく嘲笑していた。

選挙戦当日も圧倒的有利のまま進み、開票日、何のドンデン返しもなく司が歴代最多得票数で生徒会長に当選した。誰もが納得し、祝福する完璧な当選であった。

結果発表後の当選演説。司は、拍手喝采の中でマイクを握ると、敗れた谷口と美濃を自ら壇上へと呼び上げた。

「僕一人では、この学校は変えられません。共に戦い、志を共にした仲間として……谷口くんを副会長に、美濃さんを書記に任命し、一緒に生徒会運営をしていきたいと宣言します!」

その瞬間、体育館は割れんばかりの歓声とスタンディングオベーションに包まれた。憎しみ合いのない、理想の生徒会。司はこのくだらない選挙戦という茶番を通じて、さらにその絶対的な評判と地位を盤石なものへと押し上げたのであった。

***

同日。地下深くのアルカディア本部、強化人間研究室。

薄暗い照明の中、培養液の満たされた巨大なカプセルが幾つも並ぶ空間で、クロノスはミカラムにある新たな「戦士」を見せていた。

「……どう? 鴨ヶ岳で壊されちゃった分の、補充とアップグレードだよ」

クロノスが見上げる先には、以前の白き御使い(セラフィム)と全く同じ流線型の悪魔的なフォルムを持ちながら、その装甲が血のように禍々しい『深紅レッド』に染め上げられた機体が、静かに眠っていた。

クロノス自らが直接AIと動力炉を再設計し、鴨ヶ岳で全滅した旧型セラフィムの三倍以上の出力と装甲強度を持たせた、完全なる殺戮兵器。

クロノスがコンソールの起動スイッチを叩くと、レッドセラフィムの無機質な瞳が、鋭い真紅の光を放って覚醒した。

「さてと。テスト運用も兼ねて、少し掃除をしてきてもらおうかな」

クロノスは、無慈悲な声でミカラムに命じた。

「本日中に、『国家情報省』を完全に壊滅させろ」

乃木内閣の目であり耳である、防諜と暗殺を担う国家の最高機密機関。それを丸ごと消し飛ばせという指令。

「……御意」

ミカラムは深く一礼すると、十体のレッドセラフィムを従え、漆黒の闇へと出撃していった。

***

国家情報省の本部ビルは、帝都の地下に強固なシェルターと共に構築された難攻不落の要塞であった。数百人のエリート職員と重武装の警備部隊が常駐し、あらゆるテロリズムを未然に防ぐための監視網を張り巡らせていた。

しかし、彼らの誇る最新鋭の防衛システムは、真紅の悪魔たちの前では文字通り「紙くず」に過ぎなかった。

「な、なんだ貴様らはッ!? 侵入者だ、撃て! 撃ち殺せェッ!!」

エントランスの分厚い防爆扉が、紙を破くような音と共に吹き飛ばされ、警備隊員たちが一斉にアサルトライフルを乱射する。

しかし、レッドセラフィムは回避行動すらとらなかった。降り注ぐ徹甲弾を深紅の装甲で完全に弾き返し、音を置き去りにする速度で隊員たちの懐へと潜り込む。

「ギ、アアアァァァァッ!?」

一体のレッドセラフィムが、警備隊員の頭部を掴み、そのまま握り潰した。スイカが弾けるような破裂音と共に、鮮血と脳漿が飛び散る。別の個体は、両手で隊員の胴体を掴むと、機械的な無慈悲さで上下に引き裂いた。内臓が床に撒き散らされ、絶叫が地下空間に響き渡る。

「逃げろ! バケモノだ、装甲を抜けな……ギャアアアッ!」

悲鳴を上げて逃げ惑う一般の文官や情報分析官たち。レッドセラフィムの指先から放たれた深紅の収束粒子砲が、コンクリートの壁ごと彼らの身体を両断する。切断面は超高熱で瞬時に炭化し、焦げた肉の異臭が充満した。

旧型とは次元の違う力だった。ミカラムが手を下すまでもなく、レッドセラフィムたちは単なる「物理的暴力」の極致を見せつけていた。デスクの下で震える職員を机ごと踏み潰し、強化ガラスの向こうへ逃げ込んだ幹部たちを、ガラスごと粉微塵に粉砕する。

「データだけは死守しろ! 本部に連絡を……!」

通信機を握りしめた情報長官の顔面に、レッドセラフィムの放った高熱のビームが直撃し、上半身が完全に蒸発した。

わずか十五分。

凄まじい断末魔の連鎖は、あっという間に完全な沈黙へと変わった。数百人のエリート職員たちは、誰一人として逃げることを許されず、五体満足な死体すら一つも残らない文字通りの「肉塊」へと変えられた。

「……掃討完了。建造物の破棄に移行します」

レッドセラフィムたちが、ビルの主要な耐力壁や巨大な支柱のすべてに、深紅のエネルギー刃を深々と突き立てた。そして、一斉に内部から爆発的な熱量を解放する。

ゴゴゴゴォォォォォォンッ!!!

帝都の地下を揺るがす巨大な地鳴りと共に、国家情報省の本部ビルは基礎から完全に崩壊した。分厚いコンクリートの天井が崩落し、何百という無惨な肉塊と国家の最高機密データを、永遠の土砂の底へと完全に葬り去ったのである。

***

アルカディア本部のモニター越しに、情報省のビルが跡形もなく崩壊する映像を確認したクロノスは、無機質なマスクを脱ぎ捨て、くるみの部屋へと入っていった。

くるみの部屋に入ると、くるみは「司くん~!」と甘えた声で飛びついてきた。柔らかな体がぴったりとクロノスの胸に密着し、彼女の甘い香りが一瞬で彼の鼻腔を満たす。クロノスは低く息を吐きながらも、大きな手を彼女の背中に回して優しく抱きしめた。「ったく……お前、今日も俺を待ってたのか」荒い声で呟くが、その指先は彼女の腰を優しく撫で、決して乱暴には扱わない。くるみは上目遣いに彼を見つめ、「司くん、ずっと待ってたよ……早く来てほしかった……」と囁き、すぐに唇を重ねてきた。

ディープキスが始まる。最初は優しく触れ合うだけのキスが、すぐに熱を帯びて深く、激しくなった。舌が互いの口内を探り合い、絡みつき、甘い唾液が混じり合う。くるみは「あん……んっ……司くん、熱い……」と甘い喘ぎを漏らしながら、クロノスの首に腕を回してさらに深く求めていく。クロノスの手が彼女の背中をゆっくりと撫で下ろし、衣服を優しく剥ぎ取っていく。二人は自然とバスルームへと移動し、ドアを閉めた瞬間、シャワーの温かい湯が二人の体を包み込んだ。

浴室のタイルが湿り気を帯び、湯気が立ち込める中、クロノスはくるみを優しく壁に寄せかけた。「司くん……一緒に洗って……」くるみが甘く囁き、二人は互いの体を洗い始めた。クロノスの大きな手がくるみの柔らかな曲線を優しく泡立てながら撫で回し、彼女の肩から胸元、腰、太ももへと丁寧に滑らせる。くるみも「司くん、気持ちいい……」と喘ぎながら、手に泡を取ってクロノスの固い胸板や腹部を優しく洗い、徐々に下へ移動させた。互いの手が敏感な部分に触れるたび、甘い吐息が漏れる。「はぁ……司くん、そこ……あんっ!」くるみの声が浴室に響き、クロノスは「我慢すんなよ……お前、こんなに反応して……」と低く言いながらも、指先は優しく、彼女の体を大切に扱うように動き続けた。

洗いっこが熱を帯びてきたところで、くるみは膝を折り、クロノスの前にしゃがみ込んだ。彼女の柔らかな膨らみを両手で寄せ、熱く硬くなった部分を優しく挟み込むように上下に動かし始めた。温かく柔らかい感触がクロノスを包み込み、泡と湯が混じって滑らかな摩擦を生む。「司くん……こうすると、気持ちいい……?」くるみが上目遣いに尋ね、動きを少しずつ激しくする。クロノスは壁に手をつき、「くそ……お前、最高だぜ……」と荒い息を吐きながら、彼女の髪を優しく撫でた。くるみの柔らかな部分が彼を甘く刺激し続け、湯気の中で甘い音が響く。

さらに興奮が高まると、くるみは唇を近づけ、熱く硬くなった部分を優しく口に含んだ。舌を絡めながらゆっくりと深く動き、「ん……むっ……はむっ……司くん、熱い……」と喘ぎ混じりの吐息を漏らす。クロノスは彼女の頭を優しく支え、乱暴に押さえつけず、ただその愛撫に身を委ねた。くるみの口内が温かく湿り、巧みな動きで彼を快楽の渦に引き込む。長い時間、彼女は情熱的に続け、クロノスの息が次第に荒くなっていく。「はぁ……司くん、もっと……あんっ!」くるみ自身も興奮して声を漏らし、湯の中で二人の熱が混じり合う。

クロノスは我慢の限界を感じ、くるみを立ち上がらせて壁に寄せかけた。今度は彼が膝を折り、彼女の脚を優しく広げて顔を近づける。熱く濡れた秘めた部分に舌を這わせ、ゆっくりと優しく舐め上げ始めた。くるみは腰をびくりと浮かせ、「あっ……! 司くん、そこ……はぁんっ! 気持ちいい……あんっ!」と甲高い喘ぎ声を上げた。クロノスの舌が巧みに動き、敏感な箇所を重点的に刺激する。動きは徐々に激しくなり、くるみの体が震え始めた。「んっ……あぁ……司くん、だめ……はぁんっ! いっちゃう……!」彼女の声が甘く乱れ、太ももがクロノスの頭を挟むように締まる。やがてくるみの全身が大きく痙攣し、熱い液体が勢いよく溢れ出すように噴き出した。「あぁぁっ……! 司くん……いってる……はぁんっ! すごい……」甲高い喘ぎとともに、彼女の体が波打つ。クロノスは優しく受け止め、彼女が落ち着くまで舌を離さず、優しいキスを繰り返した。

息を整えた二人は再び立ち上がり、クロノスはくるみを後ろから優しく抱き寄せた。立ちバックの体位で、熱く硬くなった部分を彼女の入り口にゆっくりと当て、深く結ばれる。「司くん……入ってくる……あんっ! 深い……はぁんっ!」くるみが壁に手をつきながら甘く喘ぐ。クロノスの腰が動き始め、最初は優しく、徐々に激しくなる。二人の体が湯の中で激しくぶつかり合い、湿った音と喘ぎ声が浴室に満ちた。「あっ……あっ……司くん、もっと……はぁんっ! 気持ちいいよ……んっ、あぁ……!」くるみの声が切なく響き、クロノスは彼女の腰を優しく掴みながらも、決して乱暴にせず、彼女の快楽を優先して突き上げる。「お前の中、熱くて……たまんねえ……」荒い声で言いながら、キスを首筋に落とす。

クライマックスが近づき、クロノスの動きがさらに激しくなる。くるみは壁にしがみつき、「あぁぁっ……! 司くん、一緒に……いっちゃう……はぁんっ! あんっ、あんっ!」と連続する喘ぎ声を上げ、体を震わせた。クロノスは最後の瞬間、彼女の中から抜き、熱いものを彼女の顔面に勢いよく放出した。くるみの瞳が潤み、「司くん……熱い……あんっ……」と甘く喘ぎながら、顔を優しく受け止める。二人は同時に頂点に達し、湯の中で抱き合い、荒い息を重ねた。

余韻の中で、くるみは跪き、クロノスのまだ熱を帯びた部分を優しく口に含んで掃除を始めた。「ん……司くん、きれいにしてあげる……はむっ……」と甘い吐息を漏らしながら、舌で丁寧に舐め取り、すべてを飲み込むように愛撫する。クロノスは彼女の髪を優しく撫で、「よくやってくれたな……お前、最高だ」と低く囁いた。

シャワーを止め、二人は真っ裸のままバスルームから出て、ベッドに寄り添った。クロノスはくるみを腕の中に包み込み、彼女の頭を胸に預ける。くるみは幸せそうに微笑み、近くに置いてあったポテチの袋を開けた。「司くん、あーんして……」と一枚を彼の唇に近づける。クロノスは素直に口を開け、ポテチを噛みながら「うまい……お前も食えよ」と返し、今度は自分の指で一枚を取ってくるみの口元に運んだ。くるみは「司くん、美味しい……あむっ」と甘く笑いながら食べ、二人は交互にポテチを食べさせ合いながら、裸の体を密着させて余韻を楽しんだ。部屋には甘い湯気と軽い笑い声だけが残り、二人の距離はさらに近くなった。

数時間後、クロノスは満足げに部屋を出たのであった。

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