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第45話:開戦の足音と、雪降る箱庭の冬休み

全世界の海軍力が一瞬にして均等化(すなわち、ほぼ壊滅)されるというアルカディアの暴挙。

無傷で残された瑞穂国に対する諸外国の反応は、凄まじいものだった。

『瑞穂政府はテロ組織と結託し、意図的に世界の軍事バランスを崩壊させた』

瑞穂政府は決死の火消しに走り、各国への支援表明や緊急会談を繰り返した。しかし、一度向けられた強烈な疑惑と憎悪の目は決して消えることはなかった。

各国の首脳陣は、海軍力を喪失しているため即座の「軍事行動」こそ起こせないものの、報復として瑞穂に対する徹底的な経済制裁と貿易封鎖を発動した。

四方を海に囲まれた島国である瑞穂にとって、大国からの物流の遮断は真綿で首を絞められるような死活問題である。現状、実質的な植民地である『そう半島』を経由した三角貿易によって何とか資源と食糧を確保し、数ヶ月を食いつないでいるという綱渡りの状態が続いていた。

「……大鷹宰相閣下。このままでは、我が国は座して死を待つのみです」

重苦しい空気が立ち込める諜報局の執務室で、神崎は通信機越しに大鷹宰相へと語りかけていた。

「諸外国の包囲網を突破し、我が国が完全な経済的自立と防衛線を確保するためには……もはや、地政学的な要衝である『蓬莱ほうらい』を押さえ、資源の供給源となる『大星たいせい』へ軍事侵攻するしか道はありません」

通信の向こう側で、病床にある大鷹の重い沈黙が流れる。

やがて、嗄れた、しかし決断を秘めた声が返ってきた。

『……やむを得まい。陸軍省、海軍省、そして空軍省に至急作戦の立案を命じろ。これは、瑞穂が生き残るための聖戦だ』

「はっ!」

神崎は力強く頷き、通信を切った。

ついに、この国は戻れない道を進む。国内の空気は、一気に「戦争」という重く冷たい塊へと固まりつつあった。

しかし、神崎の心には一つの確固たる決意があった。

(……あの仮面の悪魔、クロノス……いや、『司』だけは絶対にこの作戦には関わらせん)

国家の命運を分ける戦争に、何をしでかすか分からない、あの底知れない悪意を持った男を招聘することだけは避けたかった。神崎は血の滲むような思いで、正規軍のみでの作戦成功を誓っていた。

***

国家が破滅と戦争の淵に立たされていることなどどこ吹く風で、司の学園生活は冬休みに突入していた。

「司君、見て! 今回の模試の結果……!」

紀伊国屋優子の部屋。暖房の効いた室内で、優子が興奮気味に一枚の成績表を司に差し出した。

そこには、超名門である『第一帝都高校』の判定欄に、燦然と輝く【Aランク】の文字が記されていた。

「すごいじゃないか、優子ちゃん。本当に頑張ったね」

司は優しく微笑み、優子の頭にそっと手を乗せて撫でた。

「えへへ……司君がずっと教えてくれたおかげだよ。私、もっともっと頑張るね!」

最高の笑顔で司を見つめ返してくる優子。その瞳には、司に対する絶対的な信頼と純粋な愛情だけが満ち溢れていた。

「司くん今日は優子いいよ。」

真っ赤な顔をした優子は一言そういった。

ウブな誘い方だなと思いながら優子の柔らかい唇にキスをしてそのまま優子と重なり合った。

(……見事に仕上がったな。俺の思い通りに動く、可愛いお人形が)

頭を撫でる優しい手つきとは裏腹に、司の内心は氷のように冷え切っていた。

洗脳に近いほどの思考誘導と、完璧な環境の構築。少しばかりパズルを解くような手間で、一人の人間の人生など容易く作り変えることができる。

そんな退屈なやり取りが、冬休みの間中、毎日繰り返されていた。

そして、優子の家で「優等生の仮面」を被り終えた帰りの道すがら、司は必ずもう一つの場所に立ち寄っていた。

くるみの住む、ボロアパートの一室である。

「あ、司くーん。お疲れ様〜」

足の踏み場もないほど散らかった汚部屋の真ん中で、だぼだぼのスウェットを着たくるみが、いつものように無防備な笑顔で司を出迎える。

脱ぎ捨てられた衣服や空き缶を跨ぎながら、司はふっと息を吐いた。

この無秩序で怠惰な空間だけは、なぜか司にとって奇妙な居心地の良さがあった。世界中を巻き込む盤面を動かしているというのに、目の前の女はただニコニコと笑っているだけだ。

司がドアを閉めると、くるみはすぐに近づいてきて、だぼだぼのスウェットの上から彼の胸に顔を埋めた。「今日は疲れてるでしょ? くるみが、全部癒してあげるね……」甘えた声で囁きながら、彼女は司の手を取って狭い浴室へと導いた。ボロアパートの浴室は狭く、湯気がすぐに立ち込める。くるみは服を脱ぎ捨て、柔らかな裸身を惜しげもなく晒しながら、シャワーを出し始めた。

「おいで、司くん……まずはくるみが、ちゃんと洗ってあげる」彼女はスポンジにボディソープをたっぷり泡立て、司の肩から胸、腹へと優しく滑らせていく。泡が彼の肌を包み、くるみの柔らかい指先が丁寧に、まるで愛撫するように全身を撫で回した。首筋、背中、腰、そして太ももまで。彼女の息が熱く彼の耳にかかり、「ここ、気持ちいい……?」と囁くたび、司の体は自然と熱を帯びていく。くるみは跪き、泡だらけの手で彼の最も敏感な部分を優しく包み込み、滑らかな動きで洗い上げた。彼女の豊かな胸が時折彼の脚に触れ、柔らかな感触がさらに興奮を煽る。

洗体が終わると、くるみはシャワーを弱くして二人で湯船に浸かった。彼女は司の膝の上に跨がるように座り、背中を預けてくる。「司くん……くるみ、もっと触って……」熱い湯気の中で、司の手が彼女の胸を優しく揉みしだき、下腹部へと滑り落ちた。くるみの体がすぐに反応し、甘いあえぎが漏れる。「あっ……んんっ……司くん、そこ……気持ちいいよぉ……」指先が彼女の秘めた部分を優しく刺激すると、くるみの腰がびくびくと震え始めた。湯船の中で彼女の体が激しく波打ち、「はあんっ! あぁっ……くるみ、変になっちゃう……!」と高い声で喘ぎながら、突然熱い液体が勢いよく噴き出した。湯船の水面が激しく揺れ、くるみの太ももを伝って大量の潮が溢れ、浴室の床まで飛び散る。彼女は体を仰け反らせ、瞳を潤ませて司を見つめ、「司くんのおかげ……くるみ、すごいことになっちゃった……」と息を荒げた。

息を整えたくるみは、湯船の中で体をずらし、司の熱くなったものを自分の豊かな胸の谷間に挟み込んだ。柔らかな胸の感触が彼を優しく包み、彼女は両手で胸を寄せながらゆっくりと上下に動かし始めた。温かく、滑らかな圧迫感が司を襲い、くるみは時折舌を伸ばして先端を優しく舐め上げる。「ん……司くん、硬くなってる……くるみの胸、好き……?」甘い声で囁きながら、彼女はさらにリズムを速めた。続いて、くるみは体を低く沈め、唇を優しく開いて彼の熱い部分を温かい口内に迎え入れた。舌を絡め、優しく吸い付きながら、頭を前後に動かす。ぬるぬるとした感触と、時折喉の奥まで深く受け入れる動きが、司の理性を溶かしていく。「はむっ……んんっ……おいしい……司くんの、くるみ大好き……」あえぎ混じりの声が浴室に響き、彼女の salivaが滴り落ちる。

お風呂場での濃厚な奉仕が一段落すると、司はくるみの体を抱き上げ、お姫様抱っこで浴室から運び出した。彼女の濡れた裸身が彼の胸にぴったりと寄り添い、「司くん……くるみ、幸せ……」と甘く囁く。散らかった部屋の奥にあるベッドに、優しく彼女を横たわらせた。ここから、二人の動きはさらに激しく、深くなっていく。

まず、司はくるみの脚を優しく開き、正常位のような体勢で彼女の上に覆い被さった。ゆっくりと熱い部分を彼女の奥へ沈めていくと、くるみの背中が弓なりに反り、「あぁっ! 司くん、入ってくる……はんっ、んんんっ!」と甲高いあえぎが部屋に響いた。腰を前後に動かすたび、彼女の柔らかい胸が揺れ、汗と湯気が混じった肌が密着する。くるみの内壁が彼をきつく締め付け、彼女は爪を司の背中に立てながら「もっと……奥まで……あっ、あっ、気持ちいいよぉ!」と喘ぎ続けた。体位を変え、二度目の体勢ではくるみを横向きにし、司が後ろから包み込むように繋がった。彼女の腰を掴み、深く突き上げる動きに、くるみの声がさらに高くなる。「はあんっ! そこ、すごい……くるみ、また……あぁっ!」ベッドのシーツが汗で濡れ、彼女の体が激しく震えて二度目の潮吹きが起こった。熱い液体が司の太ももを伝い、ベッドを大きく染めた。

三番目の体勢は、司が仰向けになり、くるみを上に乗せて彼女が腰を振る形になった。彼女の豊かな胸が目の前で揺れ、くるみは自らリズムを取って激しく上下に動く。「司くん……見て……くるみ、こんなに……んんっ、あんっ、あんっ!」喘ぎながら彼女の髪が乱れ、汗が滴る。司は下から突き上げ、彼女の敏感な部分を的確に刺激した。くるみの動きが速くなり、三度目の潮が彼女の太ももから勢いよく噴き、司の腹部を濡らした。

四番目の体勢では、後ろから彼女を四つん這いにし、深く腰を打ち付けた。くるみの尻が波打ち、「あぁっ! 後ろから……はげしい……くるみ、飛んじゃう……!」と叫ぶようなあえぎが止まらない。彼女の体が前後に揺さぶられ、四度目の潮吹きが床にまで飛び散った。汗と愛液が混じり、部屋中に甘い匂いが充満する。

五番目の体勢は、二人が向かい合い、脚を絡め合う密着した形。司の動きに合わせてくるみの腰が自然に動き、「司くん……一緒に……はあんっ、んんっ、愛してる……!」と涙目で喘ぐ。彼女の胸が司の胸に押しつけられ、五度目の潮が二人の結合部分から溢れ出した。

最後の六番目の体勢では、司が彼女の脚を肩に担ぎ、深く沈み込むような姿勢を取った。最も奥まで届く角度で激しく動き、くるみの声はもう限界を超えていた。「あぁぁっ! 司くん、くるみ壊れちゃう……はんっ、あんっ、あんんんっ!」六度目の潮吹きが激しく噴き、ベッド全体をびしょ濡れにした。

この長い交わりの中で、司は三度、熱い奔流を彼女の奥深くに放った。一度目は二番目の体勢の後、彼女の内側を満たすように注ぎ込み、くるみの体がびくびくと痙攣しながら「あぁ……司くんの、熱い……くるみ、満ちてる……」と喘いだ。直後、司がゆっくり引き抜くと、くるみはすぐに体を起こし、跪いて優しく口で彼を清めた。舌を丁寧に這わせ、残ったものをすべて飲み込み、満足げに微笑む。

二度目は四番目の体勢の後、再び熱いものが彼女の中に溢れ、くるみは「また……司くんの……はあっ、んんっ!」と体を震わせた。終わると彼女は再び口で丁寧に掃除し、愛おしげに彼を見つめた。

三度目は六番目の体勢の最中、司の体が限界を迎え、大量の熱いものを彼女の最も深い部分に注ぎ込んだ。くるみの瞳が虚ろになり、「司くん……くるみ、全部受け止めたよ……あぁっ……」と長いあえぎを漏らした。引き抜いた後、彼女は三度目も跪き、優しく唇と舌を使って彼を清め、名残惜しそうに最後の一滴まで飲み干した。

二人はベッドに崩れ落ち、汗と様々な液体で濡れた裸の体を寄せ合った。しばらく無言で息を整え、くるみがふらふらと立ち上がり、部屋の隅にあったポテチの袋を取ってきた。司も体を起こし、二人はそのまま何も着けずにベッドに並んで座った。袋を開け、ぽりぽりとポテチを口に運ぶ。言葉は一切なく、ただ咀嚼する音だけが部屋に響いた。くるみは時折司の肩に頭を預け、満足げな笑みを浮かべていた。

「……そろそろ、帰るよ」

しばらくの時間を過ごした後、司はくるみの部屋を後にした。

アパートの外に出ると、空からは冷たい雪が舞い落ちていた。

もうすぐ冬休みも終わり、本格的な受験シーズンが到来する。優子たちは「合格」というちっぽけな目標に向かって必死に足掻いている。

そして、同時に――。

「……さて。神崎のおじさんたちは、どんな面白いショーを見せてくれるのかな」

司は雪空を見上げ、白く濁った息を吐き出しながら、三日月のように目を細めて笑った。

大国からの経済制裁、逼迫する国家、そして蓬莱と大星への軍事侵攻。

自らが種を撒いた混乱が、いよいよ『戦争』という極上のエンターテインメントへと成長しようとしている。

受験の足音と、開戦の足音。

二つの足音が重なり合う世界で、司はこれからの退屈しのぎを思い、上機嫌で雪道を歩いていった。

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