表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/73

第35話:堕ちた朝と、失敗作の化け物

昨日母親すら落とした司は朝、リビングに下りてきた。

「母さん、おはよう」

優等生らしい、穏やかな挨拶をした。

母は一瞬動揺したような顔を見せたが、すぐに母としての笑顔を浮かべた。

「おはよう、司」

「父さんは?」

司は優等生らしい穏やかな声で聞いた。

「仕事でしばらく帰らないって言っていたわ」

母は悲しそうに答えた。

「そうなんだぁ」

司はそう言いながら、わざと母の耳元に唇を寄せた。

「他の男がいるんじゃないの? でも母さんには俺がいるからさぁ」

母の表情が、再び母としての顔から雌の顔へと変わった。

司はそれを見逃さなかった。

司はズボンを下ろした。

母はそれに従い、ことを済ませた。

母が口の中のものを飲み込むと、司は満足そうに微笑んだ。

「母さん、大好きだよ」

ちょうどその時、チャイムが鳴った。

玄関を開けると、紀伊国屋優子が立っていた。

「司くん、おはよう!」

「おはよう、優子ちゃん。今日も可愛いね」

司が言うと、優子は真っ赤な顔になって、

「恥ずかしいよ……」と照れながら目を伏せた。

それをリビングから見ていた母は、複雑な表情を浮かべていた。

朝、手をつないで学校へ向かうという、つまらない時間。

母すらも奪った司は、もう退屈が止まらない状況になっていた。

(……早く、何か面白いものが来ないかな)

その頃――

神崎健人は、村上正毅と共に、街外れの倉庫のような研究所に足を運んでいた。

ここは、かつて葦原博士が研究を進めていたパーフェクトヒューマン計画の秘密施設だった。

国家科学庁から諜報局に管轄が変更され、極秘裏に続けられていたのだ。

しかし、あのマッドサイエンティスト・葦原博士がいなくなった今、研究は停滞していた。

元々No.2だった高田博士は苛立ちを隠せずにいた。

高田は神崎に予算増額を求めたが、神崎は冷たく首を振った。

「使えるものはあるのか? それだけを聞いている」

高田はため息をつき、仕方なく口を開いた。

「……1号とは別に、私が独自に作ったプロトタイプはあります。ただし……失敗作です」

神崎の目が鋭く光った。

「借りよう」

「やめてください! あれは細胞レベルで改造しすぎた化け物です。言うことを聞かない……」

高田は必死に止めたが、神崎は聞く耳を持たなかった。

高田は諦め、地下の隔離室へと案内した。

隔離室の扉が開くと、そこに立っていたのは――

Proto-Morphモルフ

小柄な体躯(150cm前後)、黒いウェーブ長髪、青白い肌。

黒いコートとマントで全身を覆い隠している。

黙っていれば美形だが、口を開いた瞬間、下劣でゲスい笑みが浮かんだ。

「へぇ……お前が目標指定すんのか?」

モルフはケラケラと狂ったように笑いながら、神崎に近づいてきた。

「目に映る人間すべてをバラバラに刻んで、ぐちゃぐちゃに引き裂いて遊んでやるぜ? ふふっ、約束なんて破ってやるよ~」

高田が慌ててスペックを読み上げる。

「武態変形――体を剣・針・ドリル・触手・分身などに自在に変形可能。

異常再生――切り刻まれても数秒から数分で復元。」

モルフは舌なめずりしながら、神崎を上から下まで舐め回すように見た。

「俺は人をぶっ壊すために生まれたんだからよ~ ケラケラケラ!」

神崎は冷たい笑みを浮かべ、安心したように頷いた。

「安心しろ。相手の強さは保証する」

そしてどこかへ電話をかけた。

「――村上。準備は整った。

あの化け物を、御堂司にぶつける」

(次なる退屈しのぎは、まだ始まったばかり……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ