5話 鳥の王とヴィシュヌ
~~ラルナside~~
何か役に立つものを探してくる……なんて言ったけど……一体何処を探せば良いのか……
そんな事を考えながら、私は適当にそこら辺をほっつき歩いていた。
なんかありそうで、なんもないなぁ……
私は近くに落ちている貝殻を拾った。
貝殻を拾ったってどうしようもないよね……
布切れか何か落ちてたら、毛布代わりには使えるけど、そんなの何処にもないし。
……暇だから綺麗な貝殻でも拾ってよ。
しかし、じきにそれをするのも疲れて、私は座って休憩をしてしまっていた。
「はぁ……なんか本当に役にたたないなぁ私」
そんな事をつぶやくと、突然隣に白い鳥が飛んできた。
よく見ると、その白い鳥のクチバシは、何かにぶつかった後のようなキズがついている。
「白い鳥…………そう言えばあの時も…………」
一瞬私は、噴水の近くで語りかけた白い鳥を思い出す。
「流石に違うよね……」
そう言って、私はもう一度何か無いか探そうと立ち上がった。
その時。
「え……なんで……」
白い鳥は私の肩に止まると、首を傾げてこちらを見ていた。
飼っている鳥とかならわかるけど……野生の鳥が肩に乗るなんて……いや、これも私が知らなかっただけなの?
「ほら、おいで」
私はそう言って、指をその鳥の目の前に持っていく。
白い鳥は、私の指を少し突いてから、ジャンプして両足で私の指に乗った。
「あ……! ……きた!」
私は指に乗った白い鳥に、息を吹きかける。
それでもその鳥は逃げようとしない。
「凄い人懐っこいね……あんた……」
私はその白い鳥にそう言って、自分の肩に戻した。
「よし! じゃ、いこっか」
そう言って、肩に白い鳥を乗せたまま歩き始めようとした時だった。
「ちょっとまって」
「え……」
私は、後ろから突然声が聞こえ、すぐに振り返る。
「……」
そこには、私と同い年くらいの少年が、綺麗な衣服を身につけ立っていた。
「その白い鳥、僕のなんだ」
「あ、え……ごめん……」
私は肩に乗った白い鳥を手に誘導してから、綺麗な衣服を着た少年に渡した。
「こいつ、散歩に出るといつも逃げるんだ」
「さ、散歩……?」
鳥に散歩ってあるの? 犬とか猫ならまだ分かるけど……
「あ、ごめんね。 僕の名前はヴィシュヌ……この白い鳥はガルトマーン……鳥の王って言うんだ」
「へぇ……私の名前はラルナ。 よろしくね」
「よろしく。 それより君は一人なのかい?」
……これは……流石に竜と一緒にいるなんて言えないよね……
「うーん、今は一人かな……迎えを待ってるの」
「迎え? 誰の?」
「え、えっと……友達!」
「友達? こんなところでかい?」
「う、うん……」
そういえば、ここは人里からかなり離れた場所だったんだっけ……これじゃ逆に怪しまれるかな……
「オーイ! ラ~ルナ~~!」
森の方からリュカの声が聞こえてきた。
この声……! ナイスタイミング!
「ほ、ほらね! 友達が呼んでるみたいだから!私行くね! じゃあ!」
「あ、ちょっと……」
私は、彼を無視して声のした方へと走った。
少し可哀想だけど、今はこうするしかないの。 ごめんね。
しばらく走ると、目の前に見覚えのある姿が見えた。
「リュカ!」
「あ! ラルナ! ってどしたの? そんなにいそいじゃって?」
「ん、ああちょっとね……それより家の場所決まったから案内するよ!」
「ホント! じゃあ背中乗ってよ!」
「え……きたな……じゃない、重くない?」
「大丈夫だよ! ラルナくらいなら!」
「そ、そう……わかった……」
私は、渋々リュカの背中に乗る。
「じゃあ行くよ!」
「うん……」
「……しっかりつかまってる?」
「つ、つかまってるって……」
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