55話 狂気のガルダ族
大変長らくお待たせいたしました!
〜〜ヘイロンside〜〜
唐突に現れたガルダ族に、俺は身を硬くする。
なんでもうこいつらが……!?
いや今はそんなことどうでもいい!
ここで全員やられたら何もかも終わりだ!
なんとかしねぇと……!
思考が戻り、体を動かそうとする。
「ふせろッ!」
俺よりも敵よりも、早く動いたのはシャカラだった。
ふせろ、と言うシャカラの指示に従い、全員身を屈める。
それからすぐ、大きな破裂音と突風に巻き上げられた土煙が俺達を襲う。
「ぅく……ッ!」
クソッ!
顔が上げられねぇ……!
どうなったんだ……!
しばらくして風が止むと、俺はすぐに顔をあげた。
「……!」
目の前には、元の姿に戻っていたシャカラと、そのシャカラに踏み潰されたガルダ族がいた。
「……」
その姿を見て、俺は少し迷ってからシャカラの元へと飛ぶ。
確か、力を使えば元に戻るんだったよな。
大きく息を吸い、俺は空に向かって水弾を放つ。
……? 戻ったのか?
視線を空から地面へと戻すと、小さな人間達が見えた。
戻ってるのか。 あんまり感覚がなかったから少し焦ったが……良かった。
「おい……なにをやっている貴様……」
隣から、怒りを含んだシャカラの声が聞こえてきた。
「は? なにって、元に戻ろうとして……」
いいながら声のする方へと向くと、シャカラが水でびしょ濡れになっていた。
「あ……」
そうか、俺が放った水弾が空から折り返してこいつに当たったのか。
「方向を考えろ……! 大体、水弾を撃たなくても戻れるだろう……!」
「わ、悪かった……怒るなよ……」
「……ふん、まぁいい。 それよりもどうする。 この状況を」
「……」
周りを見渡せば、既に国は火の海と化していた。
家は崩れ、燃えてゆき、常に何かを破壊していく音が響き続けている。
人々は泣き叫び、パニックに陥り、その様子は、大きく振り払われた後の蟻の行列にも似ていた。
恐らく、さっきの爆発音が俺たちをおびき出す為の最初の攻撃だったんだろう。
空には、ガルダ族が数十匹。 かなりの広範囲に、まばらに散らばっている。 今の所ラジットらしき姿は見えないが、この数を相手にするのはかなりきつい。
というより……本気なのか。
これじゃあ国がめちゃくちゃになっちまうぞ。
下にいるラルに、俺は目線を送る。
その視線にすぐに気づいたラルは、大声で上にいる俺たちに話しかけてきた。
「私達はこのまま予定通り行動する!! 奴らは頼む!!」
「……」
俺は頷いて返してから、シャカラへと声をかけた。
「だってよ」
「ならば、私達も予定通り動くしかあるまい……だが、どうにも腑に落ちんな」
「……わかってる。 けど、今は考えてる暇はねぇぞ」
何匹かのガルダ族がゆっくりとこちらに向かってきているのを見て、俺はそう言った。
「この上で戦うのは危ねぇ。 どうせあいつらの狙いは俺たちだ。 少し離れるぞ」
「……ああ」
俺とシャカラは、お互いに一定の距離を保ちながら国から離れる。
「……よし、ついてきてるな。 やっぱりあいつらの狙いは俺たちだけだ」
「……ねらいが私達と言うことは、やはり……」
「ああ。 多分、俺たちの事はバレてたんだろうな」
「バレてるのは仕方ないとしてもだ。 何故、未来を知る力があるはずの奴が、こんな事をする必要があった……」
「……」
腑に落ちないってのは、やっぱりその事だったか。
タドから聞いた予言。
あの時は、場所も言い当てていた。
もし予言とやらでこっちの企みがバレていたのなら、攻撃する範囲をもう少し限定出来たはずだ。
あいつは本当に未来を知っているのか?
知っているのなら、なぜこんな事をする必要があるんだ……
「ッ……!」
崩れ燃える家々を見ながら、俺は小さく舌を打つ。
人工物が減り、森に入ってきた辺りで俺たちは止まった。
あんまり離れすぎても、国に何かあった時に助けられねぇ。
ここら辺がベストだろう。
「さぁかかってきやがれクソ野郎共!」
振り返り、向かってくるガルダ族に叫ぶ。
四匹のうち二匹はシャカラの方にいったか。
……先ずは一人二匹だな。 次が来る前に、確実に仕留める……!
俺の叫びが聞こえているのかいないのか、ガルダ族は雄叫び一つ上げずに、狂気にもにた異様な雰囲気を放ちながら向かってくる。
「気持ち悪りぃ雰囲気醸しやがって……!」
俺は、最初に仕掛けてきたガルダ族の攻撃を、正面から受け止める。
「……!」
お互いの身体が近づき、改めて敵の顔を見た瞬間、背中にゾッとするものが走った。
なんだこいつら、様子が変だ……!
そのガルダ族は、くちばしから舌と共にヨダレを垂らし、目を血走らせ、小さな唸り声を上げていた。
とてもじゃないが知性のある生き物には見えねぇ……それに、力も強え……!
「くぅ……!」
もう一匹が、後ろに回るのが視界の端に映る。
俺は歯を食いしばり、受け止めていたガルダ族を、後ろに回ったガルダ族に向かって投げ飛ばし、追い打ちに水弾を放つ。
「このッ! 野郎ガァ!!」
まともに食らい、後ろに吹き飛ばされているのにも関わらず、二匹は呻き声も上げていない。
「……!」
吹き飛ばされる二匹を追いかけ、一回転して尻尾で地面に叩き落とす。
「……」
俺は、それがちゃんと地面に落ちるのを見届けてからシャカラの方へと顔を向けた。
ご閲覧ありがとうございました!
まずは……
待っていてくださった皆々様、本当にありがとうございます! そして、お久しぶりでございます!
なんとか山場を越えて、戻ってまいりました!
相変わらず投稿ペースは遅いままですが、これからまた頑張って行きたいと思います。
長くなりますので、詳しい話は活動報告に書くと思います。
最後に、次回もまた、よろしくお願い致します!




