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28話 それは優しさであり強さ

復活

〜〜ヘイロンside〜〜


「じじい! 青爺!」


「うむ? おお、ヘイロンか」


青爺は、敵の頭を鷲掴みしたまま、こちらを向いた。


あの敵の傷……じじい達、力を使ったのか。

でも良かった……まだ本気を出す前で……


「ヘイロン! なぜここに……! ラルナ達はどうしたのじゃ!」


「あっちにいなかった! まだここにいるみてぇなんだ!」


「なに!?」


じじいは、急いで口から溢れ出ている火を抑えた。


「なぜもっと早くそれを言わんのだ!」


「だから今急いできたんだろ!」


「まぁ、二人共落ち着け。 ラジットは倒したのだ。 後は探すだけであろう?」


青爺はそう言って、鷲掴みにしている敵を見せてきた。


……ッ!


「なに勘違いしてんだよ青爺!!」


「な、なんじゃ急に大声をあげて……ビックリしたのう……」


「ビックリなのはこっちだ! そいつは……」


「ああ、私ではない」


「「ッ!?」」


この声ッ!


俺はすぐに声のする方へと、顔を向けた。


「久しぶりだな。 ヘイロン」


そう言いながらラジットは、すぐ下の森の中からゆっくりと出てきた。


そして、その足にはラルナが握られている。


「てめぇ!」


「まつのじゃヘイロン!」


攻撃をしようと突っ込もうとした俺を、じじいはすぐに止めた。


「なんでだよ! じじい!」


「落ち着くのじゃ! 今突っ込んでは、ラルナは助けられんぞ……」


「うっ……くそッ!」


「まぁ、そういうことだ」


俺は、焦る心を落ち着かせ、ラジットをにらめつけた。


「そう怖い顔をするな。 今日はこれ以上危害を加えるつもりはないし、この女も殺しはしない」


「……信じられるかよ……んなの」


「信じなくても良いが、これは本当の事だ。 ……こいつの側にいた犬は知らんがな」


「ッ! てめぇ……リュカになにしやがった!」


「見てくれば良いだろう? そこらに転がっているはずだ」


俺は、歯を剥き出し怒りの唸りを上げた。


「ヘイロン! 我慢するのじゃ!」


じじいのその声で、俺はすんでの所で止まった。


「正直、この状態でも私には勝てる自信がある」


「……ほう」


「……言ってくれるの」


じじいと青爺の鼻にシワが寄る。


「だが、今日は退こう。 ヴィシュヌ様はまだ、それを望んでおられない」


ラジットはそういうと、ゆったりと余裕を見せるようにこの場を去った。


「クソ野郎……!」


「悔やんでいる場合ではないだろう!」


「ッ!」


「急いでリュカを探すのだ!」


「……ああ……! わかってる!」


その後、傷だらけで気を失っているリュカを発見した俺達は、避難した竜族と合流を果たした。



〜〜王竜、アノクダツside〜〜



「王竜様……ヘイロンは……」


「今は触れてやらない方が良いだろう。 アノクダツ、お主はリュカの看病をしてやるのだ」


「あ、いや、その……」


「うむ?」


「今、リュカの看病をしているのがヘイロンなのですが……」


「そ、そうであったか……」


アノクダツはヘイロンの方を見てから、王竜へと顔を戻した。


「……ラルナは大丈夫でしょうか……」


「そうであって欲しいが……わからん」


「すみません……私がもっと注意深ければ……」


「いいや、お主は悪くない」


「……」


「それより、準備をしておいて欲しい」


「準備?」


「うむ。 奴が来たしだい、すぐに捜索に向かう」




〜〜ヘイロンside〜〜



地面に横たわるリュカは、浅く息を立て呼吸をしている。


「……」


俺は、それを見ながら、敵と自分への苛立ちを隠せないでいた。


なんでまたこうなるんだ……!

俺は……!


「ヘイロンよ……」


「……青爺」


青爺は俺の横に来ると、その場に伏せた。


「……」


「……大分成長したの。 ヘイロン」


「どこがだよ……俺は……」


「誰かを大切に思い、思うが故に自分を責める……それは、優しさであり強さでもある……」


「……」


「これは持論だが、この気持ちを強く持っているものは、必ず強くなる」


「この気持ち……」


「昔のお前にはなかった気持ちじゃ」


優しさであり……強さ……


「うぅん……」


「ッ! リュカ!?」


リュカは目を覚まし、こちらを見ると、すぐに顔を崩して泣き始めた。


「ごめ……ん……ヘイ…ロン」


「リュカ……」


「ごめん……ごめん……」


大粒の涙を流しながらリュカはずっと謝り続けている……


「大丈夫だ……リュカ……お前はなにも悪くない」


「ごめ…ん……ごめん……」


「安心しろ……ラルナは絶対に俺が助けるからな」


俺は、リュカが泣き疲れてもう一度眠るまで、そばで励まし続けた。

ご閲覧ありがとうございました!


いやぁ……夏休み終わっちゃいましたね……

はやかったなぁ……終わるの……


毎年思いますけど、年とればとるほど早く感じるのは気のせいなんだろうか?


うーん……


まぁ、時間という概念は人間が作り出したものですから、本当に早くなってるのかもしれませんね。


あ、これ豆ね。


でわまた次回お会いしましょう!

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