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首都結界外郭外回り環状線五等車両2
十六年前、突如として、上野に一本の巨大な桜が産まれた。
『上野千年桜』。
十数年しか存在していない桜を人々はそう呼ぶ。
千年桜は『桜花結界』を発生させ、日本国全域に強力な魔法をかけた。
『桜花結界』の魔法は七つ存在する。
銃弾は着弾点で花弁に変わる。爆弾もまた、爆発時、花弁に変わる。妖怪が人間を喰わなくなる。他者を殺したことがない人妖は死してもお近くの信仰施設で蘇る。天照大御神を信仰する者には傷病平癒がもたらされる。自殺者には第二の生が与えられる。人妖、種族の壁を越えて子供ができる。
どの効果も、常識外れの魔法だった。
『桜花結界』は、世界的に見ても類がないほど強力で、魔術の常識を超えている。
そして、日本に大きな影響を与えた。
中でも妖怪が人間を喰わず、人妖共生ができることになったのは社会構造を大きく変化させた。
日本は元々、人間と妖怪が共存していた。が、それは桜花結界と国際的な妖怪の人権意識の高まりにより押し上げられ、大きな時代の流れとなって、あっという間に日本社会を変革した。
日本は今や自由と混沌の国と呼ばれる。そして、その中心が、くそったれの東京だった。




