第二章 黒陽の神 第八話 草薙の剣
蒼真は自宅に戻ると、すぐに、レイカに電話した。そして、晴明神社や、実家での出来事を話した
レイカは蒼真に、父の話をした。
「私も、貴方のお父さんと一緒に戦ったことがあるわ。とても強い人だった。
父は、どんな戦い方をしていた?」蒼真は質問した。
「前回の巫女の件、覚えている?」
「もちろん」
「あの時、救われたのは巫女だけ。魔物そのものは生きているの」
「そうだね」
「だから、器を救うのではなく、魔物本体を、倒す。それが、お父さんのやり方。
魔物本体は、どうやって倒したの?
魔物の心臓を、刀で切り刻んでいたわ。」
「それなら、今までの俺のやり方が同じなのでは?
「刀が違う。」レイカは即答する
「蒼真とお父さんの器は堕天使。
堕天使といえばサタンやルシフェルだけど、日本神話では、須佐之男命が有名ね。
そして、スサノオミコトが使っていた刀が、草薙の剣。
お父さんは、この草薙の剣を使っていたわ。
「草薙の剣は、愛知県の熱田神宮にあるのでは?」
「あれは、レプリカよ。本物は、討魔庁で保管している。お父さんは、本物を使っていたから強かった。今度、戦う時に、持っていくわ。
「持ち出せるの?」
「本来は持ち出し禁止。でも非常事態だから特別に私が申請する」
「あと、貴方が、安倍晴明の末裔とは知らなかった。
「母さんから聞いてなかったの?
「えぇ...聞いてなかった。それに、堕天使の器も聞いてなかった。きっと、話してしまうと、蒼真を危険にさらしてしまうと思ったからじゃないかしら。安倍晴明の護符も持っていくわ」
蒼真は仏壇に線香を供えた。
母の遺影が静かに微笑んでいる。
「見ていてくれ、母さん」
「俺は必ず――黒陽の神を倒す」
線香の煙が静かに天へと昇っていった。




