第二章 黒陽の神 第六話 器
蒼真は、段ボールに貼ってあるガムテープをゆっくり剥がした。
中に、何がはいっているのか不安と期待がいりまじながら中身を確認した。
中身を一つ一つ、丁寧に確認した。
日記、会議資料、研究資料、家計簿等がはいっていた。
家計簿は、細かく、記載されていた。母は、一人で、俺とユズハを育ててくれた。
いつ、何があっても、困らないよう、貯金内容と銀行の電話番号等が細かく記載されていた。母が貯金していたなんて、知らなかった。母は、魔物と戦っている時に亡くなった。
死に目に会えなかった。今でも、心残りである。次に、日記に目を通した。
繋がったー。
蒼真が、今、読んでいる日記の続きが書いてあった。
どのページを見ても、蒼真とユズハのことばかりだった。
母自身のことは全然書いてなかった。母らしかった。毎日、子供のことを考えていた優しい母だった。
暫く読んでいると、器について書いてあった。
器の細かい内容ついては、研究資料を確認するよう記載されていた。
まるで、蒼真が、この日記を読むことを知っているかのように記載されていた。蒼真は、研究資料のノートに目を移した。
研究ノートは、大きく三つに分かれて記載されていた。母、蒼真、ユズハの三人のことが記載されていた。母のページには、母の家系図が記載されていた。驚いた。
家系図の上の方に安倍晴明の名前が記載されていた。自分が安倍晴明の末裔であるなんて知らなかった。
今の力は、安倍晴明による力かもしれない。そう思った。
そして、器についても、記載されていた。
器は神代家の先祖から引き継がれていると記載されていた。
あの時、空の亀裂から覗いていた巨大な目は確かに言った。
神代の器、見つけた。と言った。
母から聞いたことがある。
蒼真の祖父、祖母も陰陽師であり、器は、日本神話に出てくる須佐之男命であると聞いていた。
幼い時に聞いたので、忘れていたが、今、資料を読んで思い出した。
研究資料のノートには、須佐之男命についても記載されていた
須佐之男命は、天界で乱暴を繰り返した神だった。田を壊し、神聖な機織り小屋を荒らし、ついにはアマテラスを天岩戸へ追い込んだ。
その結果、天界から追放された――。
蒼真は、資料を読み終わると、祖父と祖母に会うことにした。
会うのは、母の葬式以来である。
第六話 了




