黒炎竜ファフニール
《黒炎竜ファフニール》
なんだか強そうな名前をしているこのモンスターが、レオンハルトに倒すように言われたモンスターだ。
というか絶対に強いでしょこいつ。これで弱かったら名前負けしすぎだし。
目的地につくと、天から轟音とともに漆黒の巨竜が舞い降りてきた。
確かにこれは手強い相手だ。少なくとも普通の人間では太刀打ちできないだろう。
「なんて大きさなんだ!」
「オーラが違いすぎる! まるで勝てるビジョンがわかない!」
現に、着いてくると言ってきかなかった第5騎士団の部下たちも間近で見たファフニールの迫力に狼狽えている。
「グオオオオォッ!」
そして竜の咆哮とともに、灼熱のブレスが吐き出された。
「ほう……」
だが私にとっては避ける必要もない程度の攻撃だ。「絶対防御」の効果によって、高温の炎が私の体の周りで綺麗な円を描くように弾かれている。
心なしかファフニールが驚いたような表情をしていた気がする。
まあいい、そろそろ反撃開始といこうか。このまま時間をかけても意味がないし。こんなことで部下に被害を出すわけにはいかない。
私はゆっくりと腰の愛剣に手をかける。
次の瞬間―――
「神速斬り」
誰の目にも捉えられぬ速度で竜の死角へと回り込み、一閃。
確かな手応えを感じながら元の位置へと戻る。
次の瞬間。
ズシンッ!
という重低音とともに、黒炎竜の巨大な首が地面に転がった。
「……なんと美しい」
「あのファフニールを一撃で」
「これが俺たちの新しい団長の力」
部下たちにどよめきが広がる。
まさか一太刀で《黒炎竜》を仕留める者が現れようとは誰も予想していなかったのだろう。
ファフニールがあっさりと倒されたことで興奮状態にある騎士たちの横で、私は小さくため息をつく。
なんだか思っていたよりも簡単だった気が……
まあ、これが最強キャラシルヴィアのチート性能というものなのだろう。
とにかくこれでレオンハルトのお願いも達成出来たし、なんか第五騎士団のメンバーたちの評価も上がったみたいでよかった。




