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悪役令嬢に転生したので魔王を復活させるために暗躍します  作者: こみやし
05.悪役令嬢の魔王討伐

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05-01.二年生


 二年生になった。



 魔王の復活まであと一年を切った。


 今年の夏は無事に外出できるのだろうか。



「お父様! これを見てください!!」


 怯えるサツキさんを引きずって、お父様の下を訪れた。



「……なんだこれは」


「見てください! ここ! 私のレベルです! カンストしました! 『Lv.99』です!! 何の心配も要りません! 外出許可をください!!」


「……ならん」


「お父様!!」


 はっ!? もしやレベルが何だかわかってない!?


 勢いで押し込み過ぎたぁ!?



「お父様! これは強さを表す指標で!」


「……いつレベルとやらを上げたのだ」


 ……へ?



「もしこれが。信ずるに値する指標であるとしてだ」


 ……あ。



「昨年の夏季休暇。お前たちがギリギリになって戻った際。お前はこれを言い訳の材料とはしなかった」


 ……やばい。



「つまりその時点では満足のいく結果ではなかったのであろう。今日この日まで、その数値は目標に達しておらんかったのであろう」


「い、いえ……あの……」


「いつ。どうやって。その数値を上げたのだ」


「その……」


「足りない分を。どうやって。上げたのだ」


「……」


「私は外出許可を出しておらん」


「……」


「あの日以来。一度たりともだ」


「……」


「反省しているものと思っていた」


「……それは」


「理解したものと。信じていた」


「……ですが」


「ですが? なんだ。言いたいことがあるのなら口にしておくがよい。これは最後の機会と心得よ」


「……」


「部屋に戻れ。お前と話すことはない」


「お父様!!」


「つまみ出せ」


「お父様ぁ~~~~!!!」




----------------------




「はっ!!」


 なに今の!? 夢!? なんて悪夢!?



「……ふぁ~あ……どうしたの。ベティ」


 フララ!!


 がばっ!!



「おっとと。あはは♪ 朝からか~♪」


 違うし~! 脱がせるなし~!



「ズルいです! 二人とも!!」


 あ! こら! ダーリャまで混ざらないの! お屋敷の中ではそういうことしないって約束したでしょ!



「ご主人様!! 私というものがありながら!!」


 メルメル!? あんたまた潜り込んだわね!?



「ベルベル~♪ フララ~♪ 朝だよ~♪ ……ってまたやってるの?」


「きゃっ♪」


 しまった!? 二人も来た!?



「あ。ダメだよキリエ。混ざろうとしないの」


「えぇ~!」


 ナイスよ! リリィ!



「ほら。四人とも。起きて起きて。支度間に合わなくなっちゃう。今日からボクも学院なんだから。早めに行って挨拶しなきゃだから。皆も一緒に来てくれるって約束したでしょ」


「「「「はい! 起きました!」」」」


 そうよ! こんなことしてる場合じゃないわ!


 今日はリリィの晴れ舞台よ!!




----------------------




 結局、丸々一年休学した聖女リリアーナ。


 そんな聖女様が進級と同時に復学する。既に学院にもその噂は広まっている。


 もちろん単なる噂なんかじゃない。紛うこと無き真実だ。


 諸事情で一年生からのやり直しというわけにはいかないけれど、今のリリィなら二年生の勉学にだって十分についていけるだろう。去年一年で本当に頑張ってくれたのだ。


 正直驚いた。去年のリリィの学力では、到底考えられない話だった。


 リリィは元々平民の孤児だ。それもつい一年前までだ。


 そこから貴族たちの学院に入学出来るレベルにまで追いつくだなんて、地頭が良いとかそんな程度の話ではないのだ。


 もちろんダーリャの教え方も上手かったのだろう。必要最低限、要点に絞ったカリキュラムを組んでくれた。


 急激なレベル上げによる、身体能力や頭脳の活性化も無関係ではあるまい。


 何より最も大きな要因は、リリィの頑張りに他ならない。



「皆がいてくれたからだよ。ベルベルが家族に加えてくれたからだよ」


 なんて可愛いんでしょう!!


 うりうり~♪



「あはは♪ も~♪ ダメだよベルベル~♪ 制服シワになっちゃうから~♪」


「あ、ベティずるい。フララも」


 二人で~♪ うりうり~♪



「あはは♪ くすぐったいよ~♪」


「リリィ! 学院! 着いたよ! 馬車停まったよ!」


 あ、やば。早く馬車降りないと。



「そうだ♪」


 私は先に馬車を降り、振り返って腕を組み、仁王立ちでリリィを見据えた。


 フララに手を引かれ、リリィが馬車から降りてきた。



「貴女が聖女リリアーナね!!」


 百合ゲー『天啓のフォルトマグナ』冒頭のセリフを口にする。


 まあ本当はフローラに対して言ったんだけどね♪ 細けえこたぁいいんだよ♪



「わたくしはベルベティア! ベルベティア・フォン・アルレティア!!」


 ベルベティアはこんな笑顔ではなかったけれど。


 だって仕方ないじゃない。笑みが溢れて止まらないんだもの。


 あれ? この後なんて言ったんだっけ?


 やべ。セリフ飛んだ。サツキさんに聞いときゃよかった。



「よぉ~く覚えておきなさい!! オーホッホッホッホ♪」


 もうちょっと長かった気がする。


 まいっか♪



「……ベティ?」

「ベルベル様?」

「ご主人様?」

「なに? どうしたの?」

「ベルベル緊張してる?」


 打ち合わせ不足だったわね。


 くっ……思いつきでやったばかりに……。


 いやん♪ そんな目で見ないで♪

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