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悪役令嬢に転生したので魔王を復活させるために暗躍します  作者: こみやし
04.悪役令嬢の運命力

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04-19.魔王の封印と隠し部屋


 なるほど。ここは魔王の封印の真下なのね。



「そんな場所があるなら早く言いなさいよ」


「忘れてたの~! わるかったってばぁ~!」


 これは散々言われた後ね。ダーリャやフララたちにも同じことを責められたのだろう。しゃあない。許してやろう。



「それで、サツキさん。この後は?」


 あれどうするの? 突けば封印破れるの?



「もうないわ。ここに居たボスはダーリャさんが倒してくれたもの。一人で」


 一人でかぁ……。


 絶対あの黒竜よりヤバイ奴でしょ。それ。魔王の封印の真下にいるくらいだし。



「それを倒して終わり? 魔王の封印は?」


「作中ではフレーバー程度よ」


 フレーバーテキスト。


 ゲームの進行やルールとは直接的関係を持たない、世界観や雰囲気をより深めるための文章のことだ。



「続編の伏線かしら」


「可能性は高そうね」


 この隠し部屋もFDで追加されたものだったのね。更なる続編のために仕込まれていたのでしょうね。


 わざわざ皆が乗り込んできたのは、ここに居た魔物が厄介な存在だったからなのだろう。それもダーリャがあっさりと倒してしまったそうだけど。……いやマジでどういうことなんよ。なんでダーリャは魔王の力を上回ってるのよ。



「ダーリャは魔王の力を使ったの?」


「何の話です?」


「この杖。わかるでしょ。これには魔王の力が染み付いているわ」


「……いえ。普通に力ある杖だとしか」


 え? ダーリャは魔王の力を読み取れないの?



「フララはどう?」


「禍々しい」


 見えてそうね。



「リリィは……聞くまでもないわね」


 ビクビクしちゃってまぁ。可愛い。



「私もわかりませ~ん……」


 キリエもね。だと思ったわ。


 メルメルは……たぶんわかってないわね。少々変わり種ってそういう意味だったのね。



「サツキさんはどうかしら?」


「さっぱりね」


 とすると、転生者かどうかは関係が無いのね。



「私、フララ、リリィ。……聖女か、一度でも主人公を務めたことのある者ってのが条件かしら」


 魔王の力を明らかな別物として感じ取れるのは。


 他の子たちは、少々力強い魔力程度にしか認識出来ないのね。



「三作目の主人公はリリィだったのかしら。それともまた別で、何処かに居るのかしら」


「さあ。そもそも私が生きている間に発売されなかったし」


 そりゃそうでしょうけど。



「けれどシナリオを想像してみることは出来るわね」


 そうよ。どうせならそういう建設的な話をしましょう。



「ここで復活を待てば第三の主人公が現れるのかしら?」


 もちろん今じゃなくて一年半後の話だ。封印が解かれるタイミングになれば、私たちが手を出さなくとも、次の主人公と悪役が姿を表すのかしら。



「そうとも限らないわ。ここは逃げ道だったのかも」


 ……そっか。魔王は敗れた上で逃げ延びるんだものね。


 死に戻りを経験したベルベティアは、元主人公兼聖女のフローラを味方につけ、効率的にレベルを上げ、学院二年目終わりの時点で、封印を解かれた魔王を倒す。


 しかし魔王はダリヤに乗り移り、こつ然と姿を消してしまう。その時きっと、このダンジョンの隠し部屋を経由して逃げたのよね。まさか今の時点から逃亡経路まで用意されていただなんて。それも強大な魔物たちによる警護付きで。



「魔王は思っていた以上に周到ね」


「わかっていたことでしょ。女神様が幾度対策を講じたって止めきれないんですもの」


 ただ封印されているわけでもないのよね。やっぱり魔王は動き続けているのね。今こうしている間にも。



「もっとアドリブ的なやつかと思っていたわ」


 わかるけども。



「逆に言えば、魔王の備えは今の時点で壊せるのかもね」


「そうやって一つずつ潰していくことが決戦を有利に進める要素にもなるのかしら」


「そこはサツキさん次第よ。ちゃっちゃと思い出して吐きなさい」


「わかってるわよ……」


 私も思い出さなきゃ。もっと細かく。魔王の復活までに。



「取り敢えず、ダーリャ。あれ壊しなさい」


「御意」


「ちょっ!! 待っ!!」


「はぁっ!!!」


 気合の込められたダーリャの手刀が一閃。


 放たれた衝撃波が魔王の封印を切り裂いた。

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