04-17.最強の悪役
「これが伝説のローブ? と杖ですか?」
「そうね。……確かにこれは強いわね」
なにせ魔王の力が染み込んだ装備だもの……。
まさかこんな代物だったとは。直接目にして驚いたわ。
しかもなんか、ボス部屋の奥の祭壇に大切そうに祀られてたし。もしかして魔王本人の装備だったりするんだろうか。或いは太古の昔に魔王信仰があったとかかしら? サツキさんならそういう裏設定じみたやつとか知ってるのかしら。今度聞いてみましょう。
それはそれとして。
「……これじゃあ使えないじゃない」
「何故です? サイズは合いそうですよ?」
「……わかるでしょ。これには魔王の力が」
「力は力です。少々変わり種ではありますが、魔力の一種に違いはありません」
え……?
「ご主人様なら扱い方もわかるでしょう?」
それは……なんとなく伝わってくるけども……。
「カッコいいじゃないですか♪ 黒紅のローブ♪ 悪役にぴったりです♪」
「だから問題なんじゃない! お父様を納得させるのが目的だって説明したでしょ!」
「大丈夫ですって♪ 普通の人は魔王の力だとかわかりませんし♪」
それは……そうね。盲点だったわ。
「……まいっか」
「そうです♪ そうです♪ まいっかです♪」
もう。メルメルったら。
【蒼黒の杖】と【黒紅のローブ】を手に入れた!!
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「帰りは私に任せておきなさい」
ふんす!
「やる気満々ですね♪ ご主人様♪」
最強装備の力を試してやろうじゃない♪
「早速お出ましね♪」
ボス部屋の扉を開けるなり、目の前から魔物たちが迫ってきた。
「はぁっ!!」
杖を通し、雷の魔術を解き放つ。
漆黒の雷がボス部屋前の通路を埋め尽くす。雷が通り過ぎた後には炭すら残らない。何かもを焼き尽くしていった。
まるで極太レーザーだ。しかも色まで変わってる。今までは紫色だったのに。どうしてこうなった……。
「凄いじゃないですか♪ 魔王の加護もなんのそのです♪」
ね~。いざとなったらすぐに扉を閉めてやり過ごそうと思っていたのだけど。どうやらその心配も無いらしい。
魔王の護りも、魔王の力の前では無力なのね。
「どうせなら徹底的にやりましょう!」
「いいわね♪ レベル上げもしていきましょう♪」
悪役令嬢無双の始まりよ♪
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私たちは狩って狩って狩り尽くした。
虱潰しにダンジョン内を探索し、取れるものを取り尽くした。
「これなんかメルメルに丁度いいんじゃない?」
「頂きます!!」
「あ、まって。やっぱりダーリャに」
「ダメですぅ~~~! もう貰いましたぁ~♪」
やらかした……。
まさか先にメルメルへ指輪を渡してしまうだなんて。
「これにはどんな効果があるんですか~?」
ウッキウキね。左手の薬指に付けてるし。メルメルは怖いもの知らずね。それを見たダーリャがどんな反応するかなんて分かりきっているでしょうに。
「速度上昇よ。メルメルにはぴったりでしょ」
「はい♪ 流石ご主人様です♪」
頬ずりしてる~。これはもう取り上げられないわね~。
「大切になさい。たとえダーリャに取り上げられても取り返してなんてあげないからね」
「絶対渡しません!! この指輪のためならお姉ちゃんだって倒してみせます!!」
おぉ。凄い覚悟。まさかあのダーリャを倒すだなんて。
ふふ♪ 私は遂にダーリャに勝ったのかしら♪ メルメルはダーリャより私を選んでくれるのかしら♪ 私はダーリャを選ぶけどね♪ あはは♪
「ほう。誰を倒すと」
「「っ!?」」
背後に生じた気配に驚き、二人で慌てて飛び退る。
「ふむ。悪くない反応です。見違えましたね。ベルベル様」
「ダーリャ!!」
「お姉ちゃん!!」
どうしてここに!?
「さあ。どうしたのです。掛かってこないのですか? 二人がかりで構いませんよ。このダーリャを倒すのでしょう?」
やばいやばいやばい!? やる気だぁ!! 本気だぁ!!
「覚悟!! お姉ちゃん! 今日こそお姉ちゃんを倒してご主人様を貰い受けます!!」
メルメル!? 待って! 待てやこらぁ!! せめて息合わせなさいよぉ!!!




