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悪役令嬢に転生したので魔王を復活させるために暗躍します  作者: こみやし
04.悪役令嬢の運命力

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04-03.攻略開始


「デートって! デートって言ったじゃないですかぁ!!」



「シー!! バカ! 大声出すんじゃないわよ!」


「バカはベルベル様の方です! 城に忍び込むなんて何考えてるんですかぁ!?」


「こら! ダメだってば! 誰かに聞かれたらどうするのよ!? こんな土壇場になってゴネないでよ!?」


「土壇場になって伝えてきたのはベルベル様です! サプライズのつもりですか!? 全然嬉しくないですよ!?」


「いいから出発するわよ! 黙って付いてきなさい!」




----------------------




「お嬢様。ダリヤ」


「「すみませんでした……」」


 ちくせう……屋敷から出る前にメイド長に捕まっちまったぜ……。



 そんなわけで部屋に戻ってきた。



「おかえり。早かったね。もう済んだの?」


「悪いのはベルベル様です!」


 あ!? こいつ!?



「そっか。上手くいかなかったんだね。初めてだししょうがないよね」


「フララ!? 何言ってるの!?」


「え? 違うの? 早かっただけ?」


「ダーリャ!? フララに何教えたのよ!?」


「知りません!」


「へそ曲げてる場合じゃないでしょ!? うそ!? まさか貴女たち!? そういうことしてないでしょうね!?」


「していたとして何か問題があるのですか?」


「なんですって!?」


「ベルベル様はダーリャのことなど何とも思っていないのです。ダーリャがプライベートで誰と何をしようと関係無いではありませんか」


「本気で言ってるの!?」


「ベティ。そんなわけないでしょ。ダーちゃんも言い過ぎ」


「だってダーリャが!!」

「ベルベル様が悪いんです!!」


「も~……そうだ。今からやり直せばいいじゃん」


 無理に決まってるでしょ! 一回見つかったんだから抜け出せる筈がないわ!!



「ほら。二人もこっち来て」


「ちょっ!? なんで脱ぐの!?」


 何故か寝間着を脱いだフララ。そのまま下着姿でダーリャの服を脱がし始めた。



「フララ!? 本気ですか!?」


「いいからいいから♪ はいバンザ~イ♪」


 何故か素直に脱がされるダーリャ。



「二人とも!? ちょっと! そこは私のベッドよ!?」


 勝手に上がり込んで何を!?



「ほら♪ 来て♪ ベティ♪」


「……やっぱりやめましょう。フララ」


「ダーちゃん。本当にらしくないよ。怖気づくなんて」


「ですが……」


「ほら、ベティ。ダーちゃん逃げちゃうよ」


 ……マジだぁ~。これフララ、マ~ジで言ってるぅ~。



「勘弁して頂戴。そんな雰囲気じゃないでしょ」


「雰囲気さえあればいいの?」


「そりゃぁ……断る理由も無いけど……」


「えぇ!?」


 なんでダーリャが驚いてるのよ……。



「あなた本気で私に嫌われてると思ってたの?」


「うぐ……」


 なんで今更?



「バカね。私だってとっくにダーリャにはゾッコンよ」


「なっ!?」


 あら。ダーリャが真っ赤になったわ。


 本当に珍しいことが続くものね。




----------------------




 昨晩からダーリャの様子がおかしい。


 いえ。昨晩より以前から妙ではあったのだけど、昨晩からは別ベクトルでおかしいのだ。丸一日経ってもおかしなままだった。



「今日ね。ダーちゃんが壺割らなかったの」


 流石に毎日割ってる方がおかしいと思う。



「どころかね。一度もドジが無かったの。メイド長がすっごく心配してた。熱でもあるんじゃないかって」


 それはそれでどうなの?



「ベティ話した?」


「いいえ。今日は一度も姿を見ていないわ」


 だからおかしいのよ。こんなの出会ってから初めてだわ。



「あらま。そこまで徹底してたんだ」


 困ったものよね。職務をなんだと思っているのかしら。



「本当に世話の焼ける子ね」


「ダーちゃんルート攻略開始だね♪」


「フララったら楽しそうね。親友の一大事なのに」


「ベティ、別に追い詰められてないでしょ?」


「私はダーリャを信じているもの。あの子は決して私を捨てないわ」


 捨てられると勘違いすることはあってもね。


 正直それも予想外ではあったけども。



「もう一度デートに誘うわ。伝言を頼めるかしら?」


「あいあいさ~♪」


 お願いね、フララ。




----------------------




 ダーリャの異変は週末まで続いた。


 お父様もメイド長も、そんなダーリャの様子に思うところがあったのか、私がダーリャと二人で出かけたいと申し出ると、あっさり許可が降りた。


 なんだかんだ二人ともダーリャには甘い。二人だけじゃない。侯爵邸中の人たちがダーリャのことを可愛がっている。


 ダーリャのせいで私が一年もの間昏睡状態に陥っても見捨てなかった程だ。ダーリャもとっくにこの家の子どもみたいな存在だったのだ。


 つまり私たちは姉妹同然に育った。お互いの好意を当たり前に受け取り続けてきた。距離が近すぎて忘れていた。伝えるべき言葉を伝えていなかった。



「似合ってるじゃない。ダーリャ」


 私服姿のダーリャが馬車乗り場で立っていた。


 今日は落ち着いた服装の美人お姉さんだ。いつものポニーテールと違って、おさげを前に垂らしている。



「良いわね。私好みよ。フララの見立ては完璧ね」


「……自分で選んだんです」


「あら。ごめんなさい」


 いきなり失敗してしまったわね。



「フララが張り切っていたものだから」


 てっきりね。



「ベルベル様」


 ジト目だ。折角のデートなのに、開始早々フララの名前を上げすぎたわね。



「綺麗よ。ダーリャ」


「……ベルベル様もです」


 ふふん♪ そうでしょうとも♪ なにせダーリャとのデートだもの♪ 手なんか抜けないわ♪



「ありがとう。出発しましょう」


 いつもとは逆に、馬車の横でダーリャに手を差し出した。



「……ありがとうございます。ベルベル様」


 良い……良いわね。はにかみ笑いも。


 うふふ♪ 今日はめいっぱい楽しみましょうね♪

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