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悪役令嬢に転生したので魔王を復活させるために暗躍します  作者: こみやし
01.悪役令嬢の暗躍

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01-03.相棒の特別な才能


 私は心強い味方を手に入れた。



 これから十年以上も一人で戦い抜くなんて私には無理だ。ダーリャが居てくれて助かった。優秀でなくても構わない。ただ側に誰かが居てくれるだけで救われる。私の突拍子もない言葉を素直に信じてくれるだけで十分過ぎる。


 それはそれとして。



「ダーリャ。私に戦い方を教えなさい」


「暗殺術ですか?」


 あん……まてやこら。



「……まさか使えるの?」


「はい♪ お任せください♪」


「任せないわよ!?」


 この子何者なのよ!?



「そういうんじゃないわ! 対魔王に向けた準備よ!」


「魔術ですね♪ お任せください♪」


 そうそう! そういうの!


 ビバ! 異世界転生♪


 魔術こそ異世界転生の醍醐味よね♪



「これです♪」


 まあ♪ 火が出たわ♪ 指先にちょこんと♪ 可愛い♪



「さあどうぞ♪ 次はベルベル様の番です♪」


 ……うん?


 それだけ? 見て覚えろと?



「えっと……呪文とかは?」


「あはは♪ なぁ~に言ってるんですかぁ♪ も~♪」


「あはは~♪ そうよね~♪ 無いわよね~♪」


 ゲームにもそんな描写無かったし♪



「無詠唱なんて基本です♪ 呪文なんて必要ありません♪」


 え?



「いや、え? 呪文あるの?」


「らしいですね。ダーリャは知りませんが」


 ま、まあ……そうよね。やっぱあるわよね。ゲームの都合上省かれていただけで。


 聖女として目覚めた主人公は聖女限定の特別な魔術を使っていた。攻略対象たちも基本上澄みだ。なにせ魔王討伐メンバーだからね。きっと彼女たちも無詠唱が基本だったのだろう。たぶん。



「……けど……必要なんじゃない? 普通はさ」


 ほら。魔術の仕組みを頭で理解するには呪文の意味を知ることが大切だったりさ。そういう段階を踏んだ先に無詠唱があるもんじゃないの? 何事も基礎は大切だと思うの。



「魔王を倒す者が普通だとでも?」


 ご尤も。



「いいわ。教えて頂戴。ダーリャのやり方で」


「はい♪ ビシバシいきますよ♪ ベルベル様♪」




----------------------




 ダーリャはスパルタ魔神だった。厳しいどころじゃない。サディストだ。超が付く程のサディストだ。正直私を虐めるのが趣味なんじゃないかと思っているくらいだ。



「はい♪ もう一回♪」


「ぜぇーぜぇーぜぇーー!」


 呼吸が整う間すら与えらてくれない。私が手を止めると容赦なく棒で叩いてくる。玉のお尻が真っ赤っ赤だ。


 今この瞬間にもダーリャは笑顔で尻叩き棒を振り続けている。本当に楽しそうだ。こんにゃろう。


 パッシーーン!!



「っつぅ~!!」


「集中してください♪」


 こんにゃろ~~~~~~!!!!




----------------------




 サディスト大魔神が……じゃなかった。ダーリャが厳しく扱くことには確かな理由がある。


 魔力は使えば使う程増えるのだ。ただし枯渇を前提としたものではあるけれど。


 魔力を枯渇させるのはとっても苦しい。そもそも難しい。


 人間には防衛本能がある。本能を越えて力を振り絞るのは簡単なことじゃない。文字通り血反吐と共に吐き出す必要がある。


 最初は縛られながらだった。抵抗の一切を封じられ、より大きな絶望を刻みつけられた。魔術の行使をやめれば叩かれた。泣いても叫んでも終わらなかった。気を失っても叩き起こされた。魔力が空になっても山程回復薬を飲まされた。吐いても漏らしてもダーリャが手を止めることは無かった。


 そうしてようやく枯渇させるコツを学んだ。それからは尻叩き棒一本で十分だった。ダーリャは的確に私のトラウマを刺激していった。幼くして調教師の才能がありすぎた。


 どういうわけだか誰も止めなかった。ダーリャの根回しがあったとはいえ、高価な各種回復薬まで買い揃えて援助してくれた。ふぁっきゅー。間違えた。さんきゅー。




----------------------




「素晴らしいです♪ ベルベル様♪」


「ふ、ふふ♪ これで師匠も越えてしまったんじゃないかしら♪」


「なぁ~に言ってるんですかぁ♪ ベルベル様の魔力量はダーリャの百分の一にも満たないですよ♪」


 なん……だと……。


「ダーリャは毎晩やってますし♪ まだまだ成長期です♪」


「えぇ!? 嘘よ! 私だって三日に一回なのよ!? だいたいあなたいつも私と一緒に寝てるじゃない!?」


「ふふふ♪ ガキンチョ、ごほん。お子様がお寝んねした後こっそりやってるに決まってるじゃないですかぁ♪」


 おいこら! 言い直しても殆ど変わってないわよ!?



「なら私も毎日やるわ!!」


「ダメですよ♪ もう少し成長するまでお預けです♪」


 別に楽しみにはしてないわよ!?



「ふふふ♪ 残念でしたね♪ ベルベル様♪」


 何その恍惚とした表情!?


 こいつドMなの!? ドSなのに!?



「さて♪ 魔力修行の楽しさがわかってきたところで♪」


 マズい!!


 何か新しい修行を始める気だぁ!!


 ダッシュ!!



「おやおや♪ 逃がしませんよ♪ ベルベル様♪」


 きゃぁーーーー!! お~そ~わ~れ~る~!!

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