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悪役令嬢に転生したので魔王を復活させるために暗躍します  作者: こみやし
03.悪役令嬢の想定外

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03-09.初めてのWデート


「リリィ♪ 調子はどうかしら♪」



 週末がやってきた。


 私はリリィの部屋を訪れた。



「あ、ベルベティア……様」


「様は要らないわ♪ ベルベルでもベティでもティアでも好きに呼んで頂戴♪」


「……ベルベルティア」


 だれやねん。



「ふふ♪ 新しいあだ名を頂いてしまったわね♪」


「あ……あう……」


 あらあら♪



「実はねリリィ。今日はデートに誘いに来たの」


「?」


「お出かけしましょう♪ リリィに案内を頼みたいの♪」


「???」


「大丈夫よ♪ ダーリャの許可は貰ってあるから♪」


 もちろんお父様の許可もね♪ リリィ様々よ♪ 口実がなければ私に出歩く許可なんて降りなかったもの♪


 混乱するリリィの手を引いて、私は初めての王都観光へと繰り出した。




----------------------




 と、その前に。



「待たせたわね♪ 二人とも♪」


 屋敷の馬車乗り場で、二人の同行者と合流した。



「ベティ、ご機嫌」


「あらあら♪ あらあらあらあら♪ なんて可愛いの♪ 二人とも♪」


 待っていたのはフララとメルメル先輩だ。


 二人とも今日はメイド服ではなく、町娘風の装いだ♪



「二人も似合ってるわ♪ 流石はダーリャの見立てね♪」


 残念ながらダーリャは同行しない。キリエもだ。


 二人は今日も勉強だ。ぶっちゃけキリエの成績がよろしくない。リリィはそれ以前の問題だけど、今日のお出かけはリリィのためのものだから構わない。



 今日の目的はリリィに自信を付けさせることだ。私たちに王都を案内するのはリリィにしか出来ないことだ。そして懐かしい空気に触れることで、リリィの気持ちも落ち着くかもしれない。


 そんなわけでこのお出かけを計画したのだ。先輩は護衛役だ。フララも同じくだ。二人の強さも込みで、心配性なお父様とメイド長が認めてくれたのだ。


 正直それでも説得には苦労したものだ。私の箱入りっぷりも筋金入りだ。学園に通うまで侯爵邸の敷地内から出たことすらなかったんだから。もちろん無人島サバイバルの一件を除いてだ。あれのせいだ。私の箱入りが厳しくなったのも。


 今回の件を機に、少しでも外出許可が降りるようになるといいのだけど。でないと困ったことになる。そろそろ魔王復活のための準備も始めないといけない。当然その理由をお父様やメイド長に伝えることもできない。困ったものだ。



 まあそんなわけで♪ リリィの自己肯定感を育てるため、私たち四人のダブルデートが始まった♪




----------------------




「こっち……串焼き……」


「良いわね♪ 行きましょ行きましょ♪ そういうのが食べてみたかったの♪ 案内してくださいな♪」


「うん……」


「ありがとう♪ リリィ♪」


「……えへへ」


 可愛い!! なんて可愛いの!!


 あ~もう♪ これだから主人公様は♪


 本来の主人公はフララだけど、リリィだって全然負けてないわ♪ もうキュンキュンしちゃう♪ 久しぶりにオタク心が燃え上がってるわ♪ 折角の観光なのにリリィばかり見てしまうじゃない♪ 困ったものだわ♪ だわだわ♪




----------------------




「じとー」


「あらあら♪ うふふ♪」


「……メル姉」


「なにかしら♪ フララ♪」


「あれ食べたい」


「買ってくるわ~♪」


 ……よし。手を放してくれた。


 早歩きで、少しだけ前を歩いていたベティの隣に並ぶ。



「あら? フララ? どうしたの?」


「べつに~」


 ベティの空いた手を握っても振り払われるようなことはなかった。少し安心する。



「先輩は?」


「あっち~」


「あら。護衛が別行動だなんて。感心しないわね」


 ごめんね、メル姉。



「フララ、悪いけど先輩を連れ戻してきてくれる?」


 おのれ、メル姉。



「……」


「あらあら」


 ベティは仕方ないなと足を止めた。



「ごめんね、リリィ。少しだけ待っていてね。フララはリリィをお願いね」


 今度はベティが一人で行ってしまった……メル姉を迎えに……これじゃあ意味がないのに……。



「……」


「……」


 気まずい……。



「……あの」


「……なに?」


「……フララ……様……は」


「フローラ。フララでもいいけど。様は要らない。フララも元は平民だったの」


「……え?」


「リリィといっしょ。ベティが拾ってくれたの」


「……そっか」


「うん。そう」


「フララ……あのね……」


「うん」


「ボク……ね……」


「うん」


「……すき……だよ……みんな……やさし……から」


「……そっか」


 気付くとリリィの頭を撫でていた。



「……えへへ♪」


 ……いつも猫背気味で頭が前に出てるから撫でやすかっただけだ。別に他意はない。



「……フララもね。最初は怖かったの」


「……うん」


「機嫌を損ねたらどうしようって。また捨てられちゃうのかなって」


「……うん」


「けどベティは……ダーちゃんもだけど……優しかった」


「……うん」


「怖くなくなるよ。リリィも。すぐに」


「……うん。もう大丈夫。フララもいるから」


「……うん。リリィはフララが守ってあげる。フララはリリィのお姉ちゃんだから」


「そうなの?」


「そうだよ。だから約束」


「うん♪ フララお姉ちゃん♪」


「リリィは良い子。フララの妹」


「えへへ♪ ありがとう♪ お姉ちゃん♪」

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