魔王復活
「よっしゃ今だ!」と活揚研二が言うと窓から飛び出して東に向かって走って逃げた。
「あの野郎! テメェ待てコラ!」と早乙女華恋スーパーヒーローは巨漢の男をヘッドロックをしたまま言うと遂にあの技を出した。
「近くにいて四!!」
辺りは猛烈にワキガの匂いが漂い出した。
神原シャスケ刑事、股草井サトシ刑事は慌てふためきながらもパトカーのトランクにあるガスマスクを急いで取り出して口に掛けた。
「オエーッ」と巨漢男はあまりのワキガにゲボを吐いた。肩からも滝のように出血している中でのゲボである。ゲボと肩からの出血による衰弱に気付いた早乙女華恋スーパーヒーローは急遽ヘッドロックを解除すると医療用の絆創膏を取り出し巨漢男の肩に貼った。出血は止まった。だが、ゲボは吐き続けていた。
「おい、股草井サトシ刑事、活揚研二を追いかけろ!!」と早乙女華恋スーパーヒーローは叫ぶ。
「はい!!」
股草井サトシ刑事は黄バイに飛び乗るとエンジンを吹かして後を追った。黄バイは黄色いバイクだ。今、警察もナウくなってきているのだ。他に銀バイ、金バイ、白バイ、紫バイがあるし、グッバイ、ララバイもあるのであるのだ。スタイリッシュな色で日本の平和を守ろうと誓って日夜勤務に勤めているのだ。実にナウい。
早乙女華恋スーパーヒーローは10メート先にある電柱の側に黒いライトバンの車が停まっているのに気づいた。
一方、その頃。
深い闇の夜ふけ。雨模様の深夜にて。山奥にある秘密の温泉旅館、いや、安ホテルっぽい旅館風の建築物、廃業したラブホテルみたいな怪しさを醸し出す建物の中にある秘密基地。そこに謎めいた男が住んでいた。夜は棺桶の中で眠り、昼寝は使い古された煎餅布団で寝る男。ちなみに吸血鬼ではない。夕方は庭にあるハンモックで時たま寝る男でもある。しかも、ねるねるねるねーが好きな男でもある。寝るために生きている男ではない。心と体を修復しているだけなのだ。ハードボイルドな男にはケアが必要なのだ。いつ何処で悪が暴れ出すかわからないからだ。
男は単独で仕事をこなし孤独を愛した。ひとりで生きていた。周りが車に乗って移動する時代に男は自由に空を飛んで移動をしていた。人々がスマホやパソコンなどのハイテクノロジーを駆使して成り立つ現代世界の今、男はテレパシーやあらゆる超能力を使って生きていた。
そう、男はエスパーなのかもしれないし世捨て人のヒーローなのかもしれない。男の名前は影魔王。
影魔王は『差別ではなくてですね、神に愛されている神の国、日本の、日本国民が、生粋日本人の集合的無意識の発動による乖離的剥離思考想念における現実型未来志向のために汚れた奴等を追い出すのは必要は措置なんです。ヤラれる前にヤるという気迫ある侍たちの力が今こそ必要なんだ。今こそ決起せよ。口よりも先に行動で示せ』と心の中で呟きながら目を光らせていた。
その時、ノックする音がした
つづく




