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恐怖の闇魔王見参

「誰だ? こんな夜更けによう? めっちゃ怖い」と影魔王は言って棺桶から少しだけ顔を出して意外にも青ざめた顔で怖がった。闇魔王は臆病者なのかもしれない。


「本当に誰だろう? 僕には友達はいないし、家族もいないし。誰だべな?」と言いながら棺桶の蓋を閉め直して毛布を頭に被って強く目を閉じた。


ガシャリンコ!!


玄関の横にある窓ガラスが割れた。


「おい、警察だ!! 逮捕する! いるんだろう? 不法侵入により死刑だ!!」とガヤガヤしながら警察は闇魔王のいる部屋に踏み込んだ。複数の警察官が棺桶を開けると怯えきった闇魔王が目を充血させて震えながら警察官と目が合った。


「お前、不法侵入だろう? 逮捕するから出てきなさい」


「すみません」と闇魔王は棺桶から飛び出てきて土下座をした。


「すみません、ごめんなさい。帰ります。ちょいと前を失礼」と闇魔王は言って丁寧に45度頭を下げると警察官たちの前を手でチョイチョイ割りながら進んで部屋から出ようとした。


「待て。あんた日本人? 身分証はあるの?」と迫力のある警察官が挑むように言って闇魔王の肩を掴んだ。


「はい」と闇魔王は言ってレンタルビデオ店の会員証を差し出した。


「高木太?」


「はい」と闇魔王は言った。


「免許証は? 本人だと分かる身分証を見せて欲しいんだけども」


「トイレ掃除1級免許証ですけども」と闇魔王は言ってポケットから取り出した。


「えっ!? トイレ掃除の免許証なんてあるの? へぇー。じゃあ軽くトイレについて何か教えてよ」と迫力ある警察官は言ってトイレ掃除1級免許を懐中電灯で照らしながら見た。


「はい。えーっと、実はトイレの正式名称は『問いたまえ・いくらかバカでも・霊魂の吹き溜まりに居るのはナンセンス』の略なんです」と闇魔王はスラスラとスラッた。


「それは嘘だぁ」と迫力ある警察官が言うと部下の警察官20人が一斉に笑った。


「本当です! じゃあトイレを最初に作ったのは誰だか知っていますか?」と闇魔王は真剣な声で言うと踏みにじられた名誉のために唇を噛んだ。


「知らない」と迫力のある警察官は話に引き込まれたのか腕組みをした。


「あべ静江です」


「歌手の?」


「いや違います。同姓同名の方で安土桃山時代にいた職人さんです」


「嘘だよ、それはない」 


「失敬だな。安土桃山時代のあべ静江に謝ってください。彼女がTOTOの初めての社長さんでもあります」


「それは完全に嘘でしょ!?」


「本当です。では、おまわりさん、水洗便所を発明したのは誰か御存知ですか?」


「知らない」


「高倉犬です」


「俳優の?」


「いえ違います。高倉健ではなくて高倉犬です」


「うーん」


「この方も安土桃山時代の方なんです」


「よし、山本、手錠を掛けろ」と迫力ある警察官は部下の警察官、山本に言うと山本は闇魔王を床に倒して羽交い締めにする後ろ手にして手錠を掛けた。


逮捕された闇魔王は鼻水垂らして泣いていた。後に闇魔王は、これが原因で懲役3年の実刑判決を受けた。





つづく



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