表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第10章 赤侵略者を討つな!
376/380

侵略者を討つな! 128

 コンサート会場の外観。すでに夕刻になってます。寒川隊員のコンサート開演の時間が近づいてきましたが、あたりは閑散としてます。

 その館内、小コンサートホール。元々狭いコンサートホールですが、人はほとんど入ってません。2割くらいか?

 閑散としてる席の中に日向隊員と女神隊員の姿もあります。2人は引き続き私服。座ってる位置も昼間と同じ。

 向隊員がふとつぶやきました。

「人がほとんど入ってないや。やっぱこんなもんか・・・」


 ここは楽屋。寒川隊員がパイプイスに座ってます。背中を丸め、何かを祈ってるようです。いや、心の中で歌ってるのかも。ほかに人影はありません。

 ふと寒川隊員は顔を上げ、壁にかかった時計を見て、つぶやきました。

「時間だ」

 寒川隊員の眼は一瞬できつくなりました。

 寒川隊員は立ち上がり、ギターを手にしました。本当ならスタッフが「時間です」と呼びに来るのですが、寒川隊員にそんなスタッフを雇う金はありませんでした。

 寒川隊員はドアを開けました。と、次の瞬間そこにあったものを見てはっとしました。

「え?・・・」


 小ホール。舞台上手から人影が現れました。ギターを抱えた寒川隊員です。客席の女神隊員はそれに気づき、

「来た!」

 と、日向隊員は何かに気づきました。

「あれ?」

 先に入ってきた寒川隊員の後ろにもう1つ人影があります。それはすみれ隊員でした。日向隊員と女神隊員が騒めきます。

「ええ~!?」

 日向隊員は女神隊員に振り向き、

「すみれさんだ。すみれさんが来てくれたんだ!」

 女神隊員が応えます。

「うん、きっとあなたのテレパシーのおかげよ!」

 私のテレパシーが届いたんだ! 日向隊員の喜びはひとしおです。

 場内まばらな拍手。寒川隊員がマイクスタンドのマイクを握り、マイクの高さを調整し、発言。

「ああ、みんなありがと! 今日は思いっきり歌います!」

 寒川隊員はジャーンとギターを鳴らしました。コンサート開始です。

 それから寒川隊員は思いっきりギターをかき鳴らし、すみれ隊員は熱唱しました。すべて尾崎豊の曲です。

 少人数のせいか最初は静かだった観客も、いつのまにやら大興奮。日向隊員はそれを見て、

「すみれさんの歌声ってこんなにも迫力があるんだ! すごいよ! ほんとうにすごいよ!」


 熱狂の中時間は過ぎ、いよいよ最後の曲になりました。寒川隊員のMC。

「ああ、もう時間になりました。次の曲が最後になります!」

 日向隊員はそれを聞いて、ちょっと残念そう。

「あ~ もうおしまいか・・・」

 すみれ隊員。

「今から歌う歌は、私にとってとても大切な曲です。私はこの曲を聴くまでとても我がままな女でした。でも、仲間からこの曲を贈られ、私は心を入れ替えることができました。

 その人のために歌います!」

 日向隊員はあっと思いました。

「ええ、それって?・・・」

 女神隊員は微笑み、

「きっとあなたのことよ!」

 日向隊員は眼を輝かせます。

「うん!」

 ジャーン! 寒川隊員の豪快なストローク。イントロが始まりました。すみれ隊員は熱唱します。僕が僕であるために 観客もみんなで大合唱。もちろん日向隊員も合唱します。日向隊員の両眼から涙があふれ出ます。けど、涙はぬぐいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ