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女神 1~10章(全面推敲版)  作者: のどか
第10章 赤侵略者を討つな!
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侵略者を討つな! 123

 寒川隊員は頭の中でこうつぶやきました。

「オレたちの大事な恩人じゃないか、その人は・・・ ほんとうに殺す気なのかよ、すみれ? お前はそんなに薄情な人間なのかよ!?」

 そのときです。寒川隊員の脳裏にふとアコースティックギターの音色が流れてきました。驚く寒川隊員。

「な、なんだこれ?」

 それは尾崎豊の曲のイントロでした。

「尾崎の曲?」

 歌が始まりました。歌ってるのは女の子です。そう、日向隊員が思い浮かべてるギターの音色と日向隊員の歌声がテレパシーとなって寒川隊員の脳に届いてるのです。

 寒川隊員は自然にその曲を歌い始めました。ユラン岡崎はそれを聞いて一瞬はっとしますが、彼も同じテレパシーをキャッチしたようです。自然に同じ曲を歌い始めました。その歌を聞いてすみれ隊員はびっくり。

「え?」

 女神隊員も驚いてます。

「いったい何が起きてんの?」

 隊長はその女神隊員を見ました。

「あんたの耳にも届いてんのか、この歌声?」

「はい!」

 それはすみれ隊員の脳にも届いてるようです。すみれ隊員は動揺し始めました。両手で両耳を押さえました。

「な、なんなの、これ!? やめてよ!・・・」

 なお、レーザーガンは右手に握られたまま。その状態で耳をふさいでました。

 すみれ隊員も心の片隅では、自分の仇討ちという行為に疑問を持ってました。けど、今は仇討ちを達成する方が何倍も、何十倍も、何百倍も大事。その疑問は完全無視されてました。ですが、この曲を聴いて疑問の方が優先になってきたのです。

 曲はサビの部分になりました。そして・・・

 正しいことはなんなのか? このフレーズを聴いてすみれ隊員は、泣き出してしまいました。

「うわーっ!・・・」

 隊長はすみれ隊員に近寄り、その手から優しくレーザーガンを取り上げました。ユラン岡崎はそれを見て、

「いいのか、すみれ? オレを許してくれるのか?」

 けど、すみれ隊員はただひたすら泣き崩れてるだけ。そのすみれ隊員を介抱してる隊長はユラン岡崎を見て、

「あんた、もういいだろ! 頼む、行ってくれないか!?」

 ユラン岡崎はちょっと考え、

「わかった」

 ユラン岡崎は真上を見ました。すると光が降り注いできました。その光を浴びてユラン岡崎の身体がふわっと上昇を開始しました。隊長はそれを見てつぶやきました。

「ふ、あの宇宙船、律儀に待っててくれたのか?・・・」

 ユラン岡崎の姿がふっと消えました。と同時に昇降機の光が消えました。隊長はそれを見て、

「ふ、行ったか」

 寒川隊員はすみれ隊員を介抱してる隊長に話しかけました。

「隊長」

「あとは任せたぞ」

 隊長立ち上がり、今度は寒川隊員がすみれ隊員を介抱します。

「大丈夫か、すみれ?」

 けど、すみれ隊員は泣き崩れたままでした。


 太陽は高いところにあります。ここはテレストリアルガード基地に唯一となってしまった格納庫。今引き分けの巨大なゲートが開いてます。巨大なゲートなのに、音はまったくありません。

 格納庫の前には隊員服姿の日向隊員がいます。日向隊員はこの可動中のゲートを見て、唖然としてます。

「ええ、なんで? なんで音がしないの?」

 この日向隊員の横には隊長が立ってます。隊長も隊員服姿。スマホを手にしてます。どうやら電話をしてるようです。

「どうだ?」

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