侵略者を討つな! 122
隊長の話が続いてます。
「オレはテレストリアルガードの隊長だ。警察じゃないんだ。現行犯でもない限り、逮捕することはできないんだよ」
するとユラン岡崎は何かを考え、そして地面に這わされているすみれ隊員を見ました。
「じゃ、その娘を放してくれないか?」
隊長。
「そんなことしたら、あんた、この娘に殴り殺されるぞ! 見ての通り、この娘の肉体は改造されてるんだ。2・3発殴られただけでも死ぬぞ!」
「ふ、そのつもりだ・・・ いや、痛いのは嫌だな。殺されるんなら一思いに・・・」
ユラン岡崎は寒川隊員を見ました。
「ユタカ!」
寒川隊員は芸名で言われ、びっくり。ユラン岡崎の発言が続きます。
「君の光線銃をすみれに渡してくれないか?」
戸惑う寒川隊員。
「ええ~?・・・」
隊長は何かを考えると、寒川隊員に、
「寒川、渡してやれ」
寒川隊員は唖然。
「た、隊長まで?・・・」
隊長は再び、
「渡してやるんだ」
「で、でも・・・」
隊長はダメを押すように、
「渡せよ。その人のたっての願いだぞ!」
寒川隊員は唇を噛みました。と、寒川隊員は視別の線を感じ、はっとしました。その視線は女神隊員のものでした。女神隊員はうなずきました。それを見て寒川隊員もうなずきました。
隊長は寒川隊員と女神隊員の眼を見ました。合図です。寒川隊員と女神隊員はうなずきました。そして・・・
3人は静かにすみれ隊員から身体を離しました。
立ち上がるすみれ隊員。寒川隊員はそのすみれ隊員にレーザーガンを差し出しました。その銃を受け取ると、すみれ隊員はユラン岡崎を見ました。殺意に満ちた眼です。
「うぉーっ!」
すみれ隊員は吼えました。
ここはテレストリアルガード基地日向隊員の私室。日向隊員はベッドに腰かけてます。かなりの心配顔になってます。
「今現場はどうなってるんだろう? 女神さんは事態を収拾してくれたかなあ?・・・ 海老名さんだったらこんなとき、いったいどうするんだろう?・・・
現場を見たいなあ。何かいい方法はないのかなあ?・・・」
とつぶやいた瞬間、日向隊員の目の前に異様な光景が現れました。
大柄の男性(ユラン岡崎)にレーザーガンを構えるすみれ隊員。さらに隊長・寒川隊員・女神隊員も見えます。これらがまるで3次元映像のように部屋の中央に現れたのです。日向隊員は唖然。
「な、なんなの、これ?」
これは海老名隊員の超能力の1つ、リモートビューイングです。日向隊員にもこの超能力が受け継がれていたのです。
すみれ隊員の殺意に満ちた眼。日向隊員はそれを見て、
「ああ、すみれさんが人を殺そうとしている? なんとかしないと・・・」
けど、遠隔地にいる日向隊員に手段があるはずがありません。日向隊員はほぞを噛むしかありません。
「くっ・・・」
と、日向隊員の脳裏で1つの曲が自動的に始まりました。アコースティックギターだけで演奏された曲。それは日向隊員がよく知ってる尾崎豊の曲でした。日向隊員は何気にその曲を口ずさみ始めました。
ゴルフ場の芝生の上、覚悟を決めたユラン岡崎。一歩一歩彼に近づいていくすみれ隊員。その手にはレーザーガンが握られています。隊長と女神隊員はそれをただ見守ってるだけ。
寒川隊員はなんとかしようと考えてますが、今更なにもできません。




