吸血の歴史
「うん、あれは海だね。湖よりもずっと大きいんです。後で砂浜にいきましょう。さ、領主リラーサさんの所に挨拶にいきましょう。」
零が言った。
「零国王はシーバル領主の名前までご存知でしたか。」
将軍マリナルが言った。
「あ〜、ははは。」
零は笑って誤魔化した。
零達一行に門前の領兵が気付いた。
「誰だ、何!人族ではないか!?」
「静まれ!私はエルフ王宮隊長シルニスだ!こちらにおられるのはマリナル将軍だ。領主リラーサ殿にお会いしたい。取り次いでくれ。」
エルフ隊長シルニスが言った。
「王宮のマリナル将軍!?」
門前の領兵の1人が慌てて屋敷の中に走って行った。
暫くするとシーバル領主リラーサと筆頭秘書官ノートスが早足に出て来た。
「これは、本当にマリナル将軍!それにシルニス隊長。なぜ、突然シーバルに来られたのですか?」
領主リラーサが驚いて聞いた。
「あぁ、リラーサ卿、突然の訪問、すまない。」
将軍マリナルが言った。
「あ、失礼しました。とにかく中にお入りください。」
領主リラーサが言った。
零達一行は領主屋敷の応接室に通された。
「何ですって!?バンパイアを掃討したのですか?どの様にして?エルフ軍の被害は?」
領主リラーサが驚いて聞いた。
「落ち着け、リラーサ卿。気持ちは私にも分かる。」
将軍マリナルはチラッと零を見ながら言った。
隊長シルニスがワイバーン襲撃からバンパイア掃討までをリラーサ領主に説明した。
「王宮でそんな大変な事が起こっていたのですか…零国王、エルフ国をお救いくださりありがとうございます。」
領主リラーサが言った。
「はい。多くの皆さんがエルフに戻れて良かったです。」
零が言った。
「それで、零国王はなぜシーバルに来られたのですか?」
領主リラーサが聞いた。
「はい。ドワーフ族の件で来ました。バンパイアからドワーフに戻ったガンドロルさん達に来てもらっていいですか?」
零が言った。
「ドワーフ?来てもらう?」
領主リラーサは不思議がった。
零は粒子の扉を作って、粒子の領域からドワーフ族のガンドロル、ダイロン、ドバイルが出て来た。
「零国王!これは何です!?なぜその扉からドワーフが!?」
領主リラーサが驚いて叫んだ。
「あ〜ははは、驚かせてすいません。」
零が笑って誤魔化した。
零は言って、バンパイア掃討で元ドワーフのバンパイアもドワーフに戻り、その者達をドワーフ島国に帰す事を説明した。
「そうでしたか…」
領主リラーサは複雑な顔をした。
「このシーバル領には少数のドワーフ族がいますね。」
零が聞いた。
「はい。零国王はその様な事まで知っておられるのですか…」
領主リラーサは悲しげに言った。
「詳しく教えてもらえますか。」
零が聞いた。
バンパイアの始まりは、3万年前にウドラ伯爵が1体の魔物を噛んだ事から始まった。
その魔物は吸血魔物となり、他の魔物の血を吸い、吸血魔物を増やしていった。
最初の吸血魔物は100年後に無に還った。
他の吸血魔物達も同じだった。
吸血魔物は、無に還るまでの年月が長くなっていった。
地上にエルフ、人、ドワーフ等が生まれて、吸血の系統はそちらに移っていって、バンパイアが生まれた。
1000年程前にバンパイアは闇の中で不死となった。
ウドラ伯爵が直接血を吸ったバンパイアは第一世代バンパイアと呼ばれ最強になった。
領主リラーサの知る話はここからだ。
1000年程前から不死となったバンパイアは、魔物の森の東側で、凄まじい速さで同族を増やした。
人族シーランザ王国に現れたバンパイアは瞬く間にその全てをバンパイアに変えた。
シーランザ王国に商いで駐留していて生き残ったドワーフは、船で海を渡り本国に逃げ帰った。
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