ドワーフ問題
議題はドワーフ族の事になった。
1万人のドワーフ族がバンパイアにされていた。
そのほとんどが商い関係のドワーフで国の重職に就く者はいない。
「皆様にはバンパイアからドワーフに戻してもらい、感謝の言葉もありません。」
バンパイアから戻ったドワーフ族の代表としてガンドロルが言った。
「そなた達はシーランザ王国の人族と商い等の交流があったと聞く。しかし我らはドワーフ族の事をまったく知らない。ドワーフ族はシーランザ王国の近くの海の、遠い向こうの島国と零国王から聞いている。」
ゼノフィス皇帝が聞いた。
「はい。シーエルフ領の港から船で1ヶ月程です。」
ドワーフのガンドロルが答えた。
「我らの国の近くには海がない。我らは書物で海を知っているだけなのだ。」
アルベール国王が言った。
「え?ここはシーランザ王国の近くの人族の国ではないのですか?」
ドワーフのガンドロルが驚いて聞いた。
「違う。ここはエルフ国から人の足で5年程離れた人族の国、ウライア王国だ。」
ゼノフィス皇帝が言った。
「何ですって!?歩いて5年も離れているのですか!…でも、では、なぜエルフの王がおられるのですか?」
ドワーフのガンドロルが聞いた。
議長ベリラスが転移門の事、零の魔法の事を説明した。
「先程からシーランザ王国の話を聞いていましたが、零国王は偉大な精霊魔法士様なのですね。」
ドワーフのガンドロルが言った。
王達の口元が緩んだ。
「あ、違います。偉大ではないし、精霊魔法は使えません。」
零がキッパリ言った。
「問題があります。ここにおられるドワーフの皆様は1000年前の皆様です。ドワーフの国に帰ると皆様を知るドワーフはいないのではないですか?」
議長ベリラスが言った。
「あ、それは大丈夫かも。ドワーフも長命種でガンドロスさんは420歳です。」
零が言った。
「420歳…」
人族達は驚いた。
「ワハハ、零国王は何でもわかるのですね。国に帰れば儂より老いた孫に会えるのではないかと。」
ドワーフのガンドロルが笑って言った。
「では、僕が皆さんをドワーフ島国にお送りします。その前に、ルナーベル女王、シーエルフのシーバル領に行きたいのですが。よろしいでしょうか?」
零が聞いた。
「シーバル領へ?」
ルナーベル女王が不思議そうに聞いた。
「はい。少ないようですけど、ドワーフの人達が残っているようですので。」
零が答えた。
「ドワーフ族が?本当ですか?」
ルナーベル女王が聞いた。
ルナーベル女王は将軍マリナルを振り返った。
将軍マリナルは首を小さく振った。
「はい。」
零が複雑な顔で答えた。
ルナーベル女王が零の顔を見て何かを考えた。
「マリナル、そなたシルニスを連れて、零国王に同道せよ。」
ルナーベル女王が言った。
「はっ。」
将軍マリナルが答えた。
「ルナーベル女王ありがとうございます。」
零が言った。
今回は緊急の会談であったが、最後にエルフ国と4国会議は同盟契約を締結し、会談は終了した。
会談終了後に夕食会が催された。
料理はシルビア王女とイザベラ王女に頼んで、グランバルト王国とイタリウス帝国の料理人達に最高級の料理を作ってもらった。
翌日。
零の粒子の保存領域にいたシーランザ国民は新しいシーランザ王都に移って行った。
零達とエルフ将軍マリナルと隊長シルニスは粒子の転移でシーバル領に行った。
エルフ国シーバル領、領主リラーサの屋敷。
その屋敷の門前に零達一行は粒子の転移で現れた。
「主、何やら塩の香りがします…おっ、大きな湖が!」
フェスが行った。
「わ〜!なんて大きな湖!」
クラリッサが叫んだ。
「本当!何か水が動いてる。波が大きいわ!」
カタリナが言った。
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