吸血魔物の肉
「もしや、零国王が都市を作ったのですか!?そう言えば我がエルフ王宮が破壊された時も、零国王が一瞬で修復されました。零国王はあの都市を1日で作られたのですか?」
ルナーベル女王が聞いた。
「はぁ、まぁ、そうです。」
零が照れながら言った。
「1年前、何もない戦地だったこの地を、今のウライア王都に成長させたのは零国王です。」
枢機卿ジートスが言った。
「1年で!?」
シーランザ王国将軍スランドスが思わず叫んだ。
「1年でこれほど活気のある、商いの発展した都市を作られたのですか!?」
女王ルナーベルが言った。
「はぁ、ギルドの方達が頑張ってくれてるおかげで、ウライアの民も潤ってます。おかげ様でウライア王国も儲かっています。」
零は笑顔で言った。
ギルド本部長ダイラルクが苦笑いした。
「零様、公式の場ではお言葉をお選びください。」
シルビア王女が小声で言った。
「あ、はい。」
零が言った。
エルフ王女クラーシスが楽しそうに笑った。
「本日の議題の1つであるシーランザ王国の件ですが、零国王がシーランザ王都を作られたので、救出された80万人のシーランザ国民は、その王都に住んで頂くと言う事でよろしいでしょうか。」
議長ベリラスが言った。
各国王が頷いた。
「皆様ありがとうございます。」
シーランザ王国の将軍スランドスが立ち上がって言って、その参加者全員と一礼した。
「シーランザ王都の商いが上手くいくまでの80万人の民の食料は問題じゃな。」
アルベール国王が言った。
「あ、それは大丈夫です。シーランザ王国の跡地には1千万体の魔物がいました。その魔物を全て捕獲し、解体して肉にしたので、80万人の民の半年分の食料になると思います。その素材もあるので、シーランザギルドを立ち上げて、ウライアギルドと転移門で繋げば、商いになり、シーランザ国民も潤うと思います。」
零が笑顔で言った。
一同呆気にとられて沈黙した。
「あの…何か…」
零が恐る恐る聞いた。
「いや、シーランザ王都の商いが上手くいくまで、各国で分担してシーランザ国民の食料を負担する案を用意していて、予算まで捻出していたのだが…」
アルベール国王が言った。
「零国王、助けて頂く我々がこの様な事を言うのもなんですが、あの吸血魔物の肉を食べても大丈夫なのですか?」
将軍スランドスが遠慮気味に聞いた。
「はい。吸血魔物の肉からは、バンパイアの血を全て排除しています。食べても大丈夫です。僕達も2日前に食べましたから。」
零は自信を持って言った。
「2日前…?」
セレスティアが呟いた。
2日前、牙狼族と魔豹族と森の深域で護衛騎士達も一緒に肉を食べている。
「ちょっと!あの肉!?」
カタリナが目を丸くして言った。
セレスティアとクロムエルが苦悶の表情で真青になった。
「私達が食べた肉だったの!?」
クラリッサも真青になった。
「はい。皆さん大丈夫でしょ?」
零が笑顔で言った。
シルビア王女とイザベラ王女が顔を見合わせてクスッと笑った。
「だ、大丈夫の様ですね。」
将軍スランドスが戸惑いながら言った。
「それに吸血魔物の素材なら、普通の素材より高く売れますよ。そうだよねベリラス筆頭秘書官?」
零が聞いた。
「あ、はい、一般的にはそうだと思われます。」
議長ベリラスが戸惑って答えた。
ギルド本部長ダイラルクが口元で笑った。
「しかし、あの吸血魔物の所有権は零国王にあるのでは?」
将軍スランドスが言った。
「はぁ、でもあの吸血魔物はシーランザ王国で捕らえたので、シーランザ王国の為に使います。それにシーランザ国民が潤えば、商いの相手のギルドや各国商人や僕達も儲か、いや、潤いますから。」
零が笑顔で言った。
将軍スランドスが真剣な目で零を見つめた。
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