収監部屋
「ここは不思議な魔法領域だ。何もない。闇の神の領域でもないようだが…色々知りたいが、教えてはくれぬだろうな。」
ウドラ伯爵が零を見て言った。
「あ〜ははは。」
零は笑って誤魔化した。
「ほ〜なかなか豪華な部屋であるな。」
ウドラ伯爵が笑顔で言った。
「貴様!ついに子供まで誘拐してき、た…うっ!」
成竜ピナスは、零が小さなウドラ伯爵を連れてきたのを、子供の誘拐と勘違いして怒ったが、ウドラ伯爵を見て言葉を失った。
他の竜達も驚いている。
いつもの様に優雅に座っていた悪魔エレオノーラも立ち上がって、真青な顔になった。
悪魔クライシスは椅子から転げ落ちた。
「零様、この方は…」
零に呼ばれて既に粒子の保存領域に来ていた悪魔グローリも真青な顔で聞いた。
「あぁ、闇の王ウドラ伯爵だよ。」
零は答えた。
「ふむ。これは珍しい。竜族がたくさんおる。それに悪魔も。そなたも中級悪魔か。世はウドラ伯爵である。」
粒子の保存領域の豪華な部屋の面々を見てから、悪魔グローリを見て言った。
「は、はい。私などにお名乗り頂き、光栄の極みです。私はグローリと申します。ご推察の通り中級の悪魔で零様の配下です。」
丁寧に一礼した。
「ふむ、そうか。」
ウドラ伯爵が言った。
「零様、この様な高貴な方を、…捕らえたのですか!?」
悪魔グローリが聞いた。
「捕らえたというか、来てくれたと言うか、色々あって、ははは。」
零は笑って誤魔化した。
「その方、悪魔の主か。では上位の悪魔か?」
ウドラ伯爵が零に聞いた。
「あ、いえ、僕は人族です。グローリは僕の仲間です。」
零は答えた。
「人族が悪魔を従えているのか。その方にますます興味がわいてきた。暫くはここにいる事にしよう。」
ウドラ伯爵が笑顔で言った。
悪魔エレオノーラとクライシス、成竜達は複雑な顔になった。
「ふむ。腹が減った。世はお前たちの血を所望する。味をみてやろう。」
ウドラ伯爵が騎士達に言った。
騎士達はギョッとした。
「私?私の血を飲んだら腹を壊すわよ。」
カタリナは焦って言った。
「ならばお前のはいらん。」
ウドラ伯爵が言った。
カタリナはなぜかイラッとした。
「もしよければこれをどうぞ。」
零が粒子で高級グラスを作り、血を入れてウドラ伯爵に差し出した。
「ふむ。なんじゃこの血は。よい匂いがする。」
ウドラ伯爵は聞きながら、その血を口にした。
「はい。ワイバーンの血です。」
零が答えた。
成竜達が一斉に零を見た。
「何〜!貴様、我らが下僕のワイバーンの血を!」
成竜ピナスが叫んだ。
「お前達がワイバーンで攻めて来たからだろう。」
フェスが呆れて言った。
「あ、あ〜すみません。ワイバーンの肉は美味しいので。」
零が申し訳なさそうに言った。
「貴様!ワイバーンの血だけでなく肉を食っているのか!?ますます許さん!」
成竜ピナスが言った。
「美味い!」
ウドラ伯爵は叫んだ。
「あ〜、それは良かったです。」
零が話を変えるように笑顔でウドラ伯爵に言った。
「竜族の血がこんなに美味とは。」
ウドラ伯爵は嬉しそうに言って成竜達を見た。
成竜達は恐怖して、逃げるようにウドラ伯爵と距離をとった。
「お、おい、我らを伯爵と別室にせよ!」
成竜ピナスが叫んだ。
「あ、大丈夫です。ウドラ伯爵には皆さんの血は吸えないようにしています。」
零が言った。
「そんな事、できるはずがないだろう!我がバンパイアにされたら、お前の血を吸ってやるからな!」
成竜ピナスが叫んだ。
「あ〜ははは。」
零は笑って誤魔化した。
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