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ウドラ伯爵

「器用な奴らだ。」

フェスが苦笑いで言って、闇将軍スランドスの袈裟に斬りつけた。


闇将軍スランドスはフェスの攻撃を避けようともせず受けながら、フェスの胴を払った。


「何!」

フェスと闇将軍スランドスは同時に叫んだ。


闇将軍スランドスは袈裟を、ヘソ迄斬り下げられたが、すぐにくっつき、元に戻った。


胴を斬り払われたフェスは無傷で、闇将軍スランドスの剣が折れた。


「どこを斬っても元に戻るのか!?」

第一世代ハーダイルと斬りあっているセレスティアが叫んだ。


「スランドス将軍の剣が折れた!強力な防御魔法か!?」

黒騎士クロムエルと斬りあっている第一世代カイルダスが言った。


エルフ王宮の謁見の間。


「クラリッサ!まだか!?」

黒騎士長デュンデが叫んだ。


「見つからない!カタリナ!見つけた?」

黒魔法士クラリッサが叫んだ。


「まだよ!」

カタリナも叫んだ。


「クラーシス王女の治癒が終わりました。」

零が笑顔で言った。


「クラーシス!」

女王ルナーベルがクラーシス王女を抱きしめた。


「捕まえました。」

零が言った。


「どこよ!?」

カタリナが言った。


零が手の平を見せた。


「何よ、これ?」

カタリナが聞いた。


零の手の平に蚊のような、目視するのがやっとの小さな虫がいた。


「闇の王ウドラ伯爵です。」

零が言った。


「え、これが?」

黒魔法士クラリッサが驚いて聞いた。


「はい。」

零が答えた。


「確かに、微かに魔力を感じるわ。」

カタリナが言った。


「何をしたのだ!?動けないではないか!」

小さな虫が小さな声で叫んだ。


「虫が喋った?」

覗き込んだ黒魔法士クラリッサが言った。


「虫ではない!その方無礼であるぞ。」

小さなウドラ伯爵が言った。


「他にもいます。」

零は言って粒子で他の9体の小さな虫を捕まえて手の平に集めた。


「動けぬぞ。」

虫のような1体のウドラ伯爵が言った。


「ウドラ伯爵、動けるようにします。小さくて伯爵が見えづらいので、1つにまとまってもらえますか。」

零が言った。


「ふむ。わかった。」

ウドラ伯爵が言った。


「ところで、そなたは何だ?何もないではないか。我が君、闇の神の配下の高貴な者か?」

ウドラ伯爵が零を見て言った。


「いえ僕は人族です。」

零が苦笑いで答えた。


「人族?ならば闇の神の使徒か?何もない使徒など聞いた事はないが。」

ウドラ伯爵が聞いた。


「違います。闇の使徒ではありません。」

零は苦笑いして、10体の小さな虫の様なウドラ伯爵を1つの粒子の玉に入れた。


玉の中の10体のウドラ伯爵は1つになって手の大きさになった。


「妖精みたいになったわ。」

カタリナが言った。


「妖精だと!あの様なうるさい者共と一緒にするでない。」

ウドラ伯爵が言った。


「ウドラ伯爵、また血を吸われると困るので、このまま拘束させて頂きます。」

零が言った。


「零国王、一体何があったのですか?」

枢機卿ジートスが聞いた。


「はい。闇の王ウドラ伯爵は自らを小さく分散させて、精霊王の結界の小さな隙間から入り込んで、クラーシス王女の血を吸いました。」

零が言った。


「それでクラーシス王女は突然倒れられたのか。」

アルベール国王が言った。


「零国王、闇の王とはその様に小さいものなのか?」

ゼノフィス皇帝が不思議そうに聞いた。


「いえ、違います。こちらはウドラ伯爵の分身です。分身と言うと本体があるようですが、ここにおられるのも本体であり、分身でもあります。」

零が苦笑いで言った。


「ウドラ伯爵の身体は幾つにも分かれるのですか!?」

女王ルナーベルが聞いた。


「はぁ、なんというか、ここにおられるウドラ伯爵は、ご自身の血液なんです。」

零が答えた、


「血液?」

女王ルナーベルが言った。


「はっきりわかりませんが、ウドラ伯爵は血液でできているようです。」

零が言った。



土日祝日は11時と19時に、平日は7時と19時に、1日2回投稿公開予定です。


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