異変と対決
リラが零の配下になる前、森の深域の零のログハウスを襲った時、零が作った明かりだ。
「何、これ、光魔法なの!?」
「これ本当に光魔法!?」
カタリナと黒魔法士クラリッサが言って魔力残滓を探った。
「ははは…じゃ始めますね。」
零は手の平に作った粒子の小さな玉を浮かせた。
粒子の小さな玉は上空に上がるにつれて大きくなって、太陽の様に森を明るく照らした。
「ギャー」
バンパイア達は叫び声を上げた。
粒子は大きく光って森は昼間のようになった。
前方のバンパイアは倒れていった。
後方のバンパイア達は悲鳴を上げながら来た方向に逃げて行った。
「上手くいきました。…あれ?」
零は言って空を見上げた。
粒子の光る玉を斬りつける、コウモリの様な羽根が背中に付いた5体のバンパイアがいる。
零は粒子で鑑定した。
「第一世代のバンパイアだ。強敵です。」
零が言った。
「第一世代、…闇の王の直属のバンパイアですか。」
セレスティアが聞いた。
「はい。元人族の闇将軍のスランドスさんもいます。」
零が沈痛な面持ちで言った。
「ん?なに、これ?」
零が粒子画面を見て拍子抜けした感じで言った。
「どうしたのよ?」
カタリナが聞いた。
「はい、王宮に変な物が来てるんです。すぐ王宮に帰らないと。僕はまだ手の内を明かせないので、フェス、リラ、セレスティアさん、クロムエルさん、あの5体をお願いしていいですか?」
零が言った。
「はっ。」
「心得た。」
フェスとリラ、セレスティアと黒騎士クロムエルが言った。
零は4人に粒子の円盤を出した。
「相手は5人よ、私も残るわ。」
黒魔法士クラリッサが言った。
「お前、剣は出来るのか?バンパイアに魔法は効かんぞ。」
フェスが言った。
「え?…カタリナ、あんたが残りなさい。私は王宮に戻るわ。」
黒魔法士クラリッサが言った。
「残るわけないでしょ!」
カタリナが怒って言った。
零は粒子の光で倒れている下級バンパイア1万体を粒子の保存に収監した。
「僕達は帰りましょう。」
零は言ってカタリナと黒魔法士クラリッサと粒子の転移で消えた。
エルフ王宮謁見の間。
女王ルナーベルと各国王達は零達の帰りを待ちながら、情報交換でテーブルを囲んでいた。
突然、王女クラーシスが椅子から崩れ落ちた。
「クラーシス!」
女王ルナーベルが叫んだ。
突然の事に他の者は何が起きたか理解できなかったが、護衛騎士達は剣に手をやり、周りを見回した。
「魔力は感じない。」
「敵の気配もない。」
騎士達が互いに報告し合うように言い合った。
そこに零達が粒子の転移で帰って来た。
「カタリナ!魔力残滓を調べろ。」
「クラリッサ、魔力を探れ!」
騎士長レグルスと黒騎士長デュンデが叫んだ。
「わかったわ!」
「はっ。」
カタリナと黒魔法士クラリッサが答えた。
「クラーシス王女!」
零が粒子で鑑定しながら駆け寄った。
『粒子、治癒。』
「闇の王ウドラ伯爵がいます。」
零がクラーシス王女を治癒しながら言った。
各国の護衛騎士達は剣を抜いた。
カナロダ領の上空。
零の光の粒子の玉を破壊しようとしている5体の第一世代バンパイア達に、粒子の円盤で飛んで来たフェスと姿を消したリラが斬りつけた。
フェスに死角から斬りつけられた第一世代バンパイアのスアラスは右腕を飛ばされた。
リラに斬られた同じく第一世代バンパイアのレーダスは首を飛ばされた。
「誰だ?」
闇将軍スランドスが静かに聞いた。
「牙狼族フェス。」
フェスが不敵な笑みで答えた。
セレスティアも第一世代バンパイアのハーダイル、黒騎士クロムエルも第一世代バンパイアのカイルダスに斬りつけたが防がれた。
「牙狼族だと。なんだそれは、実在するのか!?」
闇将軍スランドスが言った。
フェスが斬り飛ばしたスアラスの右腕が元に戻ってきてくっついた。
リラに首を斬られたレーダスも首が戻ってきてくっついた。
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