エルフの国
「あ、いえ、違います。使徒じゃないです。」
零が慌てて否定した。
「我もなぜベガウィン様が魔族に加勢するのか不思議であった。」
成竜ピナスが言った。
「僕が何とかベガウィンさんを止めてみます。」
零が言った。
「バカな。人族がベガウィン様に勝てるわけがないであろう。」
成竜ギャラスが言った。
「はい。勝つことなんかできません。でも頑張れば、止めるだけならできるかもしれません。」
零が言った。
成竜達は暫く零を見た。
「変な奴だ。自信がないのかあるのか、わからん。しかしベガウィン様の後には、神に次ぐ力を持つと言う熾天使の悪魔がおる。気をつける事だ。」
成竜モーラスが言った。
「はい、ありがとうございます。」
零が言った。
数日後のウライア王宮。
零は王女達と朝食を食べている。
「ドライアドのフリナスさんから牙狼族を通して報せがあって、エルフのルナーベル女王が王様達に会ってくれるそうです。」
零が言った。
「エルフ国に行けるのね!」
「まぁ。それは楽しみです。」
イザベラ王女とシルビア王女が喜んだ。
「ゼノフィス皇帝とアルベール国王に伝えてもらえますか。」
零が護衛騎士達に言った。
『ベリラスさん、エルフ国に行けるようになったので、ギルド本部長に伝えてもらえますか。』
零が筆頭秘書官ベリラスに念話した。
『はっ、かしこまりました。…あの、前から申し上げようと思っていたのですが、私は零国王の臣下ですので、さん付けはお止め頂きたいのですが…』
筆頭秘書官ベリラスが念話した。
『あ〜、わかりました。ははは。』
零が念話した。
エルフ国への訪問日となった。
4国会議と同じ参加者でエルフ国を訪問する事になった。
王様達はウライア王宮謁見の間に集まった。
「じゃ、行きます。」
4国会議の参加者は零の粒子でドライアドのフリナスが指定した森の中に転移した。
零達はエルフ国の森の精霊王の結界の手前に粒子の転移で現れた。
そこにはエルフ国の騎士達と兵達が出迎えていた。
「零国王、人族の王の皆様、エルフの国にようこそおいでくださいました。私はエルフ将軍マリナルです。以後お見知りおきを。」
エルフ女将軍マリナルが言った。
一行が乗る馬車は、人族の国には無いファンタジーなものであった。
「綺麗な馬車!」
王女達は大喜びした。
「お気に召して頂けて光栄です。」
将軍マリナルが笑顔で言った。
「皇帝と将軍が乗ると変だな。」
フェスが言った。
リラとセレスティアとカタリナはクスッと笑った。
「フェス、やめなさい。」
零が小声で笑いを堪えて言った。
王宮までの森の中には妖精達が煌めいた。
「とても美しい光景です。」
「おとぎ話のようですわ。」
馬車の中でも王女達は大喜びした。
「フェス様の周りに妖精達が集まってますわ。なんて美しい光景でしょう。」
シルビア王女が喜んで言った。
零は苦笑いした。
フェスは馬車の外を護衛して歩いている。
「ここはお前が来るところじゃないぞ!」
「危ない奴だ!」
「何しに来た!」
たくさんの妖精達がフェスの周りに集まって口々に罵倒している。
あまりにうるさいのでフェスは目に見えない速さのデコピンで妖精達を叩き落とした。
「何するんだ!」
「こいつ、凶暴だ!」
「やっぱりこいつは危ない!」
「乱暴者!」
妖精達は口々に言った。
馬車は王宮に着いた。
エルフ王宮は神秘的で、人族のような人工的な建物ではなく、大樹と水と光を調和させて造られた芸術品のようだった。
「神話の物語の宮殿のようです。」
「大きな美術品のようだわ。」
シルビア王女とイザベラ王女はエルフ王宮を見て大喜びした。
4国会議の参加者は謁見の間に案内された。
謁見の間には大きな円形のテーブルがあって、4国会議の王達は席に着いた。
すぐにエルフ女王ルナーベルが入って来て着席した。
「ようこそ我がエルフ国へ。人族の王達よ、歓迎する。」
女王ルナーベルが言った。
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