成竜
前日の事なので、零達の詳しい情報は前線の兵士には届いていない。
牙狼族と魔豹族は粒子の円盤で空中に飛び出した。
牙狼族は素早い動きでワイバーンのブレスを躱し、ワイバーンの喉元を噛み砕く。
魔豹族は一瞬消えてワイバーンの前に現れ、鋭い爪でワイバーンの喉元を斬る。
牙狼族と魔豹族はワイバーンのブレスを受けても零の粒子の防御で無傷だ。
圧倒的な戦いは電光石火で決着した。
牙狼族と魔豹族はワイバーン50体を倒した。
「魔獣がワイバーンを倒した…」
「我らエルフを守ってくれたのか。」
「助かったのか。」
エルフ兵達が口々に呟いた。
「あれは、零殿と一緒にいた…」
エルフ兵ハンニイスが言った。
「ハンニイス、あの者達を知っているのか。」
隊長シルニスが言った。
「はい、先日隊長を助けた零殿と一緒だった人族です。」
エルフ兵ハンニイスが言った。
零とセレスティアとカタリナが上空に現れた。
零はハンニイスに気づいて、笑顔で手を振った。
「あ!零殿!」
エルフ兵ハンニイスが零を指差した。
零達と牙狼族と魔豹族は粒子の転移で消えた。
「消えた!?転移魔法か。今のが零殿なのか?」
隊長シルニスが聞いた。
「はい。」
エルフ兵ハンニイスが答えた。
その後、エルフ兵は森で倒されたワイバーンを探したが、零が粒子で持ち帰ったので全て消えていた。
零達は、森の神域の零の家の周りで牙狼族と魔豹族と合同で、祝勝会と称して、大騒ぎしながらワイバーンの血と肉を焼いて食べた。
零達は夕刻になってウライア王宮に戻った。
翌日の昼、ウライア王宮。
『グローリ、ウライア王宮に来てくれない。』
零が念話で伝えた。
「お呼びでしょうか?零様。」
悪魔グローリが転移魔法で来て言った。
「来てくれてありがとう。今から竜族の尋問に行くから、ついてきて。」
零が言った。
「竜族ですか。わかりました、零様。」
悪魔グローリが少し驚いて言った。
零達は粒子の保存領域の悪魔エレオノーラやクライシス、竜族ジューダムを収監している部屋に行った。
「あら、零様。ご機嫌麗しゅう。」
悪魔エレオノーラが笑顔で言った。
部屋は広く、ちょっとした貴族の貴賓室のようだ。
「あははは…どうも。」
零は苦笑いした。
「何で捕まった奴がこんな豪華な部屋にいるのよ。」
カタリナが少し怒って言った。
悪魔クライシスはエレオノーラから離れた所に座っている。
「おい!何であの女と同じ部屋なんだ。竜族まできたじゃないか。どうなってるんだ。」
悪魔クライシスが怒って言った。
「あの女とは、私の事かしら。主天使だった私に対して、それで良いのかしら。」
悪魔エレオノーラが涼しい目で言った。
「ひっ!」
悪魔クライシスが怯えた。
「零様、まだあいつを極刑にしていないのですか。」
悪魔グローリが怒ってクライシスの事を言った。
女神に対して暴言を発した悪魔クライシスにグローリは怒っている。
「あ〜ははは。あの、ジューダムさん、僕は零と言います。ちょっと聞きたい事があって。」
零がジューダムに言った。
成竜ジューダムは怒った目で零を睨んでいる。
「若い竜ですね。成竜ですか。」
悪魔グローリが言った。
「うん。2000年程生きてるようだね。」
零が言った。
「貴様、何でそんな事まで分かるんだ!鑑定魔法は我には通用しないはずだ。」
成竜ジューダムが叫んだ。
「若い竜、静かになさい。クライシス、お茶が冷めました。代わりを入れなさい。」
悪魔エレオノーラが言った。
悪魔クライシスは嫌そうな顔でお茶を入れはじめた。
「仲良くやってるじゃねぇか。」
フェスが笑いながら言った。
「ジューダムさん。なぜ竜族は魔族についているのですか?」
零が聞いた。
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