要塞都市マルドニア
上空には凄い勢いで炎が燃え広がっている。
零とセレスティアは炎のすぐ上に粒子の転移で現れた。
『粒子、ワイバーンと竜を固めて、炎を消して。』
要塞都市の上空に広がって燃え続けた炎は消えていった。
固められたワイバーンの間から動けるワイバーンが零とセレスティアに襲いかかったが、零の視野に入ると固められた。
「なんだこの魔法は!?なぜ我は動けない?」
成竜は渾身の力で動いているが、ビクともしない。
成竜は魔力を集中させる為に人型化した。
それでも成竜は動けない。
「なぜ動けない!?貴様何をした!卑怯だぞ。」
「あ〜すみません。成竜のジューダムさんですね。おとなしくしてほしいんですけど。」
零が苦笑いで言った。
「なぜ我の事を知っている!?貴様、人族なのか?なぜ竜を拘束出来るのだ!?」
成竜ジューダムが叫んだ。
零は300体のワイバーンを粒子の保存領域に収納した。
「ワイバーンを何処へやった!?」
成竜ジューダムが叫んで口から炎を噴いた。
しかし口から噴かれた炎は粒子で固定されている為、すぐに消えた。
「なぜだ、我の炎が消えた。」
成竜ジューダムが言った。
「ジューダムさん。おとなしくしててください。後で話を聞かせてほしいんです。」
零は言いながら成竜ジューダムを粒子の保存領域に収監した。
零とセレスティアはマルドニア城の城壁に粒子の転移で戻ってきた。
「お待たせしました。アンドラス王子。ワイバーンの攻撃を止めて、成竜を捕らえて来ました。」
零が言った。
「もう、ワイバーンの大群を倒したのか。それに成竜とはあの竜の事なのか?」
アンドラス王子が聞いた。
「はい。今回はワイバーン部隊の中に竜族の成竜が一緒に来てました。ワイバーンの上官ですね。」
零が笑って言った。
「竜…零国王、我々は魔族と竜族と戦っているのか?」
アンドラス王子が驚いて聞いた。
「はぁ、まあ、そうなるのかと。」
零が苦笑いした。
「竜が実在する…竜は神の使いとおとぎ話で言われているが…」
アンドラス王子が戸惑いながら言った。
「はぁ、僕達は今から魔物の森の東のエルフ国に行って魔王軍のワイバーン部隊との戦いの応援に行って来ます。」
零が言った。
「エルフ国?」
アンドラス王子が言った。
「あ、詳しくはイザベラ王女に聞いてください。それでは失礼します。」
零はセレスティアとカタリナと粒子で転移して消えた。
「アンドラス王子、零国王の今のお話、本当でしょうか。竜は今見ましたが、エルフなどと…」
副騎士長エムバロスが言った。
「すぐウライア王宮に行ってイザベラに会う。皇帝にもこの事をお伝えしろ。」
アンドラス王子が言った。
魔物の森の東、エルフ国上空。
前日の後続部隊のワイバーン50体が再びエルフ国をブレスで攻撃している。
零達の活躍でエルフ国侵略の魔王軍は全滅しているのだが、その事を知らないのか、魔王国は当初の作戦通りワイバーン部隊第2陣を送った。
ワイバーンの炎は復活した精霊王の結界に弾かれて、エルフ国に入り込もうとするワイバーンも弾かれている。
「さすが精霊王様の結界だ。ワイバーンの攻撃を跳ね返してくださる。」
隊長シルニスはエルフ兵を率いて臨戦体勢をとっていた。
エルフ国はドライアドのフリナスからの知らせで魔王軍のワイバーン部隊の攻撃を知っていた。
ドライアドのフリナスが現れた。
「フリナス様ではないですか。」
将軍シルニスが言って片膝をついた。
その上空。
精霊王の結界の外の上空にフェスとリラが零の粒子の転移で現れた。
「零様にわがままを言ったな。」
リラがフェスに言った。
「我が森を守るのに、主に甘えてばかりでいられるか。」
フェスが言った。
「そうだな。」
リラが少し笑って言った。
ワイバーンがフェスとリラを見つけて、向かってきた。
「行くぞ!」
フェスが叫んだ。
フェスの背後に牙狼族が現れた。
リラの背後には魔豹族が現れた。
「何だ、獣人と魔獣が空中に現れたぞ!?」
エルフ兵が口々に叫んだ。
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