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グッピーは知らないうちにマッハで増える

【前回のあらすじ】

 実は地球人ではなく、希少な絶滅種の『ルナリアン』だった私・竹取美沙兎たけとりみさとをお持ち帰りするべく宇宙から飛来したエイラス人は、諸々の騒動の挙句、地球に派遣されていた宇宙連盟保安官(正体は学長さんでした)の巨大UFOに捕縛され、事なきを得ました。

 その際に巨人化したラリスくんが大怪我を負う原因を作ってしまったり、お爺さんお婆さんがちゃんと私を可愛がってくれたんだって気持ちに今さら気づいてしまったりして、落ち込んでばかりの私でしたけど…。


 みんな、それぞれ理由があって一生懸命何かに打ち込んだ結果、たまたま敵対する立場になってしまったというだけで…そこには本当は善も悪も無いんですよね…。

 ってまぁ、それで売り飛ばされそうになった私はたまったもんじゃないですけど。


 けれども…元々は希少種族の保護管理官ガーディアンだったシドさん達が、監視対象の私を効率良く管理するためにやむなく取った『偽装家族』という形から、やっとお互い理解し合えて『本当の家族』になれた気がして…

 私は生まれて初めて、本当の幸せというものを味わったのでした。

 そして…いよいよシドさんとも、そのぉ…ごにょごにょ…して、本当の『夫婦』になれましたしね。

 とゆーことは…ハイ。美沙兎、『オンナ』にされちゃいましたっ。きゃっ☆

(※だーからなってないっての。此奴のモノローグは信憑性に欠けまくるので、詳細は前話参照のこと)





 窓辺の小鳥たちのさえずりで目を覚ます、爽やかな朝…。

 身体に感じる、お布団の感触とは明らかに違う温かさに、そっと隣に目を傾けると…


「ふぁ…おはよう。よく眠れた?」


 起きたばかりの寝ぼけまなこで、それでも私に優しく微笑む彼の、空色の瞳には…

 恥ずかしそうに頬を染めて、こくりと頷く私の顔が映り込んでいます。

 そして彼の手は…はだけたままのパジャマの隙間から、私の胸を…。


「あふっ…くすぐったいです…♩」

「え、判んのか? こんなに腫れてんのに、スッゲェなぁ!」


 …ふえっ!? 今のは、シドさんの声…じゃない!

 てゆーか、よくよく見れば彼の両手はお行儀よくお布団の中にしまわれたままです。

 それじゃあ…この声と手は、誰の…?

 …なーんてすっとぼけてみても、そんなの一人しかいませんよね?


「ななな何してるんですかラリスくんんんぅぁあ〜〜〜〜っっ!?」


 裏返った悲鳴を上げた私に、ベッド横から私のおぱーいをもみゅんもみゅん揉みしだいてた不埒なおバカ息子は、


「いや、気を利かせてオメーら起こしに来てみたらよ…お前、乳ほり出したままグースカ眠りこけてんじゃん? さすがに目が行くわなそりゃ♩」


 くっ…お部屋には他に旦那様しかいないからって、油断しすぎてました…っ。

 こんな時に限って余計な気遣いをしてくる子がいるからっ…せめてパジャマのボタンくらい留め直しとくんでしたぁ〜っ!

 しかも、いつもは人間の女の子なんかに全然キョーミないふうを装ってるクセに…っ!


「しっかしデッケェなーコレ。中に何が詰まってんだ?

 そのうち内側からムダ肉食い破って、子供がワサワサ這い出てくんのか?」

「私のおっぱいはカマキリの卵じゃありませんっ!!」


 あんまりな言い草に憤慨しつつ、私はようやく彼を跳ね除けて両手で胸を覆い隠します。

 …ま、どーせもう一番大事な旦那様には見せちゃったから、あとは誰に見られようが構わないですけどねっ。(←割と特殊な貞操観念)


「アハハ…悪い子に先を越されてしまったね」


 ってだから笑い事じゃねーんですよ旦那様ッ!?

 アータがさっさと手を出さないから、初モミモミの権利を息子さんにNTRれちゃったじゃーないですくわっ!?

 もっと自分の女房に独占欲持ってくださいよぉ〜〜〜〜っっ!!


 …ん? けど、あのラリスくんがこうして女体に興味を持つってことは…人間にまったく無関心ってわけでもないんですね。

 このまま、うまくいけば…そのうち、女の子の気持ちもちゃんと理解できるようになって…あーんな失礼なほったらかし方をしてるラブレターの差出人にも、謝るなり受け入れるなりするようになるかも…?

 よぉ〜しよしよしっ、ラリスくん? あなたの特殊性癖は、ママがちゃあ〜んと矯正してあげますからね…♩


「…ウフフフフのフ。」

「…またなんかろくでもないコト考えてんなコイツ?」

「ハハハ…ところで、キミにしては気が利いてるじゃないか、わざわざ起こしにくるなんて?」


 と小首を傾げるシドさんに、


「そりゃま、二人してこんな時間までグッスリお休み中ならな」


 とラリスくんが指差す、枕元の目覚まし時計に目をやれば…ぅんげっ、もぉお昼過ぎ!?


『ならもっと早く起こしに来んかぁーーーーいっ!!』


 青ざめた私とシドさんの絶叫が見事にユニゾンしたのでした…ぐっすん。





 仕方なく皆で起き出してから、遅めの朝食…じゃなくてもう昼食を戴き、やっと家を出た頃にはとっくに夕方近くでした。


「昨日は色々ありすぎてみんな疲れきってたから、仕方ないさ」


 などと言いつつ車を運転するシドさんは、今日は大学の講義予定が無かったからギリギリセーフ。

 かくいう私のほうは、予定してた受講時間がことごとく終わっちゃってたからギリギリアウト。トホホ…。


「そんなら俺も無理して学校行く必要ねーんじゃねぇか?」

「学校は無理してでも行くべき場所ですっ! 昨日約束したばかりでしょう!?

 今から行っても、まだ二教科くらいは出られるじゃないですかっ!」


 私の教育方針は揺るぎませんよ?

 ということで、嫌がるラリスくんを家族総出で護送して一路、彼の中学校へ。

 ホント、世話が焼けるんだから…。


「…あっ、ラリスくん!?」

「良かったー、今日は会えないのかと思っちゃった♩」

「イケメンの叔父様も一緒よ。キャア〜ッ♩」


 学校の校門前に到着するなり、黄色い大声援がお出迎え。

 もう夕方近くだというのに、大勢の女生徒がラリスくんをお出迎えしてくれました。さながら、放送局前で人気アイドルを出待ちするファンみたいに。


「え゛…ラリスくん人気、異常すぎません?」


 私は彼の学校に同行したのは、これが初めてだから、とにかく圧倒されちゃって…。

 人気あるだろうなーとは思ってたけど、これは予想以上です。


「チッ、しゃーねぇな…」


 舌打ちして、しぶしぶ車を降りるラリスくん。

 その様子を目で追っていたファンの何人かが、同乗していた私に気づいて…


「えっえっ、誰!? あの綺麗な人!」

「お姉さん…なワケないか、髪の色とか全然違うし」


 …さすがに誰も私が母親だとは思わないようですね。ウフフ♩


「もしかして…カノジョ!?」

「えーっ嘘ぉ〜んっ!?」

「にしては、ちょっと年食いすぎてない?」


 …おいコラ。最後の奴、ちょっとツラ貸せや!

 私ゃまだ十代なんだぞっ、お前ら寝小便タレと同じじゃボケがぁっ!


「アレ? ねぇねぇあの人…この動画の…!」

「…あっホントだ…!」


 にわかにスマホを取り出した人々が、その画面と私を見比べてヒソヒソ盛り上がり始めましたよ?

 比較的近くにあったスマホの画面を盗み見てみたら…あ、やっぱり。昨日エイラス人に襲われたときのニュース映像でした。

 あれからたった一日で、恐ろしいほどの浸透力…。ネット社会の功罪をまざまざと思い知らされました。

 これはもう、無視して帰るわけにもいかなそうですね。

 意を決した私は車のドアを開けて、皆さんの前に降り立ちました。


「初めまして、ラリスくんの母でございます。日頃から息子が皆様にたいへんご迷惑を…」


 などと2ちゃんねるのスラングめいたご挨拶とともに、ペコリとお辞儀をば。


 ぽよよんっゆさゆさ♩


『…ををう…っ』


 それを見た皆様が、何故だか一斉に仰け反りました。

 女生徒達だけではなく、騒ぎを聞きつけて寄ってきた男子生徒や教師、付近を通り掛かった通行人までもが、私を見てグビリ…と生唾を呑み込んでますけど…?


「…あ。」


 わかりました。どうやら皆、私の胸に注目してるみたいです。

 ゆうべシドさんに見られちゃってから、人の視線に敏感になっちゃったみたいで…。

 自分で言うのもアレですけど、こんな脂肪の塊のどこがそんなにイイんでしょうかね? 本人的には重たくて邪魔なだけなのに…。


「ヘヘッ、どーだ羨ましいだろ? 俺っちはコレ、揉み放題だからな♩」

「って何を自慢してるんですかアナタは!? 息子だからってそうそう揉ませませんよっ!」


 なんでか得意げなラリスくんにゲンコツのひとつも食らわせてやろうかと思いましたが、


「嘘っ…母親!?」

「えっ違うでしょ、どー見ても日本人だし」

「てゆーか、メチャメチャ若くない!?」


 またもやどよめくギャラリーの声が、今度は心地よく耳孔をくすぐります。

 ウンウンもっと言って、言っちゃって! 年増呼ばわりした奴は絞め殺しちゃるけど、若いって言われるならいくらでもオッケーよン♩


『いや、そんなコトより…でっっっか!?』


 そーでしょそーでしょ♩…って、そっち?


「…なるほど…そのムダ乳で、あたしのラリスくん♩をたぶらかして母親の座に居座ったのね!?」


 そして唐突に私を糾弾する声。誰っ!?


「あー…またあの子か…」

「いつもいつも懲りないわね…」


 そんな周囲の呆れ声など意にも介さず、校門の奥からツカツカ歩いてきたのは…あっ、カワイイ♩


「うげっ…」


 なのにラリスくんは、なんでかドン引きしちゃってますけど…?


「ラリスくんは、誰にも渡さないからっ!」


 のっけから敵意剥き出しで私の前に立ちはだかる、一人の女生徒。

 まず印象的なのは、その背の低さ。周りの子達と見比べてみても明らかに小さくって、中学の制服を着てなかったら小学生かと思えるくらい。

 顔立ちも幼くて、各パーツが全体的に小さくて…なのにクリクリ動くつぶらなお目々だけは大きくて、睨まれてるのについつい微笑み返してしまうほど愛らしいです♩

 髪型も特徴的で、まるで仔犬みたいな垂れ耳風のフワフワツインテール。

 なんだかもう、このままお部屋に飾っておきたいってゆーか…いっそこのままお持ち帰りしてお家で飼ってみたくなるほどの、ぬいぐるみみたいな反則級の可愛さです♩


「どどっどちらさまですかぁ〜?」


 すっかり鼻の下が伸びきって挙動不審に尋ねる私に、ラリスくんはハァ…と溜息ついて、


「同じクラスの『ポチ子』だよ。ホラ、鞄の中に何通か同じ奴からの手紙が入ってただろ?」


 あ〜…あのストーカー気味な血染めの、もはや事件じみたラブレターの。

 てゆーか、私がラリスくんのお部屋をガサ入れしてたの、やっぱり気づいてたんですね。


「でも『ポチ子』さんて、変わったお名前ですね♩」

「ムッキィ〜ッ!? あたしをそう呼んでいいのはラリスくんだけなんだからっ!

 あたしは『大伴御幸おおともみゆき』ッ! 憶えておきなさいっ!」


 あ、どうもご丁寧に自己紹介ありがとうございます。ミユキちゃんですねメモメモっと。

 こんなにちっちゃいのに『大伴』とか、ツッコミどころ満載だから、すぐ憶えられそうです♩


「てゆーか、もう愛称で呼び合う仲だなんて、すんっごい仲良しさんなんですね?」

「え…わ、解ってるじゃない…♩」


 いきなりデレ始めたミユちゃん(以後、心の中で勝手にそう呼びます♩)に、周囲から「ちょっろ…」なんてヒソヒソ声が洩れ聞こえてきます。


「まぁ、クラスで席も隣同士だし、最初っから犬っころみたいにジャレつかれちまったからな。

 ほらポチ子、お手♩」

「わんわんっ☆」


 まんざらでもない様子で手懐けるラリスくんに、ミユちゃんはペットみたいにジャレついてます。さすがは現代のムツゴ◯ウさんです。

 そして『ポチ子』なんていささか失礼な愛称も、思わず納得の忠犬っぷりですね。ますますお持ち帰りしたくなっちゃいました♩


「やぁ御幸ちゃん、いつもウチの愚息と仲良くしてくれてありがとうね」

「ハイッお父様♩」

「誰が愚息だゴルァッ!?」


 憤慨するラリスくんをよそに、シドさんとも仲良しこよしのミユちゃん。

 な〜んだ、もぉすっかり公認の仲なんじゃないですか♩


「ラリスくん、ミユちゃん。もぉ付き合っちゃえよお前ら☆…ですね♩」

「ハイッお母さまっ♩」


 ちょっと前までの敵対心剥き出しな彼女はどこへ行ったのやら、私にも素直に応じてくれる…しかもどさくさ紛れな愛称呼びも嫌がらないミユちゃん。ラブリー♩


「チッ、しゃーねーな…。

 ポチ子、あとでちょっと俺に付き合え。」

「えっ!?…ハ、ハイ♩」


 ビミョーにニュアンスが違う気はしつつも、母親の言いつけ通りにお誘いしたラリスくんに、ミユちゃんは早くも瞳を潤ませて、幸せいっぱいに頷き返します。


『キャア〜〜〜〜〜〜ッッ☆』


 ギャラリーから黄色い声援とも悲鳴ともつかないどよめきが巻き起こりますけど…絶対違くないですか、コレ?





 とゆーわけで、ラリスくんの学校が終わるまで、私達は夫婦揃って近所の喫茶店で有意義な閑潰し(?)に興じた後…


「おっお邪魔しますっ!」

「ハイ、いらっしゃいませ♩」


 放課後、ラリスくんごとミユちゃんを、さっそくお持ち帰りしてみました。

 緊張した面持ちで我が家の玄関戸をくぐる、借りてきた猫ならぬ仔犬状態のミユちゃんが、もぉ〜辛抱たまらん可愛さですっ♩

 せっかくこうして知り合えたんですから、ちょっとお夕飯で餌付けしてみよっかなー?とか思ってたら…ラリスくん、ナイスプレイ☆

 晴れて本当の家族になれただけあって、すっかり以心伝心ですね♩


 お夕飯の時間になるまで、ラリスくんと一緒にリビングで待っててもらったんですけど…

 ときどき様子を盗み見ても、これで本当に付き合ってないの?とツッコミたくなるほどの仲睦まじさです。


「ほれほれポチ子、チンチン♩」

「いや〜んラリスくんのえっち…わんわんっ♩」


 …でも恋人同士っていうよりは、まるで幼い兄妹か、飼い主とペットみたいなジャレ合いっぷりですけど…。

 コレってきっとラリスくん、純粋に飼い犬と触れ合ってるだけのつもりなんだろうな…恋愛とかはまるっきり抜きで。

 対するミユちゃんの方は、あからさまにラリスくん好き好きラブラブオーラ放ちまくりなのに…なんて不憫な子なの? ウルウルッ…。

 …などともらい泣きしてる間にお夕飯の準備が整ったので、みんなで食卓を囲みます。


「…ラリスくんって、転校してきた日からすっごい大人気で、休み時間ごとにみんなが彼の机を取り囲んでて…」


 話題に上ったのは、当然のように二人の馴れ初めです。

 ミユちゃんも、もちろん最初からラリスくんに惹かれてはいたものの、どこか近寄り難い神秘的な雰囲気に圧倒されてて…。

 確かにラリスくんて、見た目だけならとても綺麗な王子様かビスクドールみたいで、初対面だと下手に近づけませんしね。

 けれどもすぐ隣の席だったから、嫌でも近づかない訳にはいかず、正直けっこう迷惑してたんだそうで。

 重ね重ね、うちの息子が本当にスミマセン…。


「んで、そのうち取り巻きの輪が大きくなりすぎて、ちっこいコイツがそいつらのケツに弾き飛ばされちまったんだよ」


 あー…漫画でよく見かける、最初はぞんざいに扱われすぎな『背丈の小さい子あるある』ですね。


"うう〜っ…痛いぃ〜…っ"

"あーあー、だから気ぃつけろっつたろお前ら?

 …おい、大丈夫か?"

"う、うん…ドキドキ…"


 そしてラリスくんはミユちゃんの小さな手を取って…かと思いきや、いきなり彼女をヒョイっとお姫様抱っこですくい上げると、


"ハハッ。お前、チビっこくてカワイイな♩"

"ふえ?…ふぇえっ!?"


 あーそらアカン、あきまへんわラリスくん。

 そんなんされたら誰でもイチコロやんけ。

 でも彼のことだから、きっと何の打算もない極自然な行動だったんでしょうね。この最終兵器天然王子様は…。

 そんな『りぼん』か『ちゃお』か『なかよし』あたりに連載されてそーな甘ったるさ全開の邂逅を経て…二人の距離はますます急速に縮んだそうです。

 確かに最近の少女漫画ってメチャクチャ展開はやいですしね。


「でしょでしょ!? これもー絶対イケるっ、イケないなんて嘘、アツいヤバい間違いナイ!…って思って、何度もお手紙出してみたのに…ぐっすん」


 すっかりその気にさせといて、アゲて落とすはラブコメの基本にして醍醐味ですけど…実被害を目の当たりにすると、不憫すぎて掛ける言葉も見当たりません。

 さすがにこれは酷すぎませんかラリスくん?…と抗議の視線で睨みつければ、


「ぃや、だってよぉ、どーせ『私と付き合って♩』って内容だろ、どいつもこいつも?

 これでもけっこー忙しいんだぜ、俺は」


 確かに…本業は『保護管理官ガーディアン』として私の護衛任務にあたっている彼には、他の子にチンタラかまけてる暇なんて無いんでしょうけど…

 あ、いつも学校サボりがちなのも、もしかしてそのせい? 私のために…ドキドキ♩


「それに俺、学校じゃいつもだいたいお前に付き合ってやってるじゃん?」

「あひっ!? ハイそですねサーセンどきどきっ☆」


 なにげに昭和ラブコメの朴念仁主人系みたく"付き合う"の意味を根本的に履き違えてるよーなラリスくんにトドメを刺され、戦略的撤退を余儀なくされるミユちゃんがいと憐れ…。

 でもでも、女の子の欲求って留まるところを知らないものだから、ミユちゃんの気持ちもよく解ります。

 やっぱり好きな人とは学校以外でも会いたいし、一緒にいろんなトコにお出掛けしてみたくなるものですし…


「…ねっ? ア・ナ・タ♩」

「…ぜ、善処します…っ」


 ある意味ラリスくん以上に手間のかかる、超〜奥手な旦那様をお持ちの私としては、あと一押しな感じのミユちゃんの恋をなんとかしてあげたい気持ちでいっぱいですけど…

 よしっ、とりあえずは、


「ミユちゃん、一緒にお風呂入りましょ♩」

「ふえぇえーっ!?」





 かぽーん…かぽぽーん…

 いったい何の音なのか、いまいち不明な水音がこだまする浴室にて…


「…おっきい…浮いてる…」


 水面みなもに浮かぶ二つの水風船…のような私の胸を熱心に凝視しつつ、湯船に肩までどっぷり浸かったミユちゃんは私のお向かいで揺蕩たゆたっています。


「…興味あります?」

「ハイそりゃあもうっ☆」


 即答。おっぱい好きは男子だけじゃないんですね…メモメモ。


「…やっぱり…ラリスくんも、おっきい方が好きなのかな?」

「んー…どーでしょー?」


 朝っぱらから私の胸を揉みしだくほど興味津々だった…なんてさすがに言えないので、答えを濁した私に、ミユちゃんはなおも、


「大人になったら、そんなふうに勝手に膨らんでくるんですか?」


 それは人によりけりでしょうけど…カワイイ見た目同様にカワイイお乳の持ち主てゆーか、同世代女子の平均から見て明らかに生育不順な彼女には、それは絶望的…

 あーいえ、ここは苦し紛れにでも、もっと希望に溢れた回答を提示すべきでしょう。


「ど、どーでしょーね? 私もまだまだ子供なもので」

「…へっ? でも、あの…結婚してるんじゃ?」


 過去の法律では、女子は十六歳から結婚できましたが、近年改められて男女ともに十八歳以上となり、同時に成人年齢も十八歳となりました。

 よく勉強してるようですね、ミユちゃん。


「確かに成人年齢には達してますけど、この春からやっと大学に通い始めたばかりの、十代の小娘ですから…」

「へぇあっ!? じゃあじゃあ、その歳で…言っちゃアレですけど、あんなおぢさんと結婚しちゃったんですかっ!?」


 あ、やっぱりソコ、訊いちゃいます?


「ええ。確かに年齢は離れてますけど…とっても優しくて、カワイイ旦那様ですヨ。色々と…ウフフ♩」


 自分でも判るほどにやけた顔で含み笑いを洩らす私に、ミユちゃんはますます顔を真っ赤にして、


「大人だ…やっぱりオトナ…ブクブクブク」


 うわごとのように呟きながら、湯船の中へと水没していきました。合掌♩

 …かと思いきや、ドザバァーッ!!


「じゃ、じゃあ…胸のサイズと年齢って、もしかして無関係…?」


 アニメの潜水艦でしかあり得ないほどの急浮上を果たすと、食い入るように訊いてきます。


「えーっと、あながちそうとも言い切れませんけど…」


 言い淀みながら、実に残念そうな視線を彼女の胸へと手向ける私の仕草から…


「ぅぅ…解ってるんです、解ってるけど…解りたくない…ブクブクブク…」


 残酷な事実に気づいてしまったらしい彼女は、再び湯船に轟沈する勢いで物理的に沈み込みました。

 励ますつもりが、何故だかますます落ち込ませてしまった…!


「でっでもでも、結論から言って、それは意中の人の好みにもよるんじゃないですか?

 旦那様の場合はぴったんこカンカンだったらしいですけど♩」


 うーん、どーしてもノロケが先走ってしまいますねぇ〜♩


「ラリスくんの場合は…ま、まぁその…ほら、あの子ってメチャメチャめんどくさがり屋さんでしょ?

 それなのに、学校ではミユちゃんまとずっと一緒ってことは…それだけアナタがお気に入りってことだから、きっと理想のタイプ…なんじゃないですか?」


 い、言えない…「アナタは彼の恋人において、まだその域に達していない」だなんて、口が裂けても…!


「それって…あたしがメンドクサイってことですか?」


 うはぁ〜っ、あっちを立てればこっちが立たず!

 なかなか難しいものですね、もともと何も立ってない所に無理くり足場を組むのって…。


「けど、そっか…あたしが彼の『理想のタイプ』かぁ〜えへへへへ♩」


 あ、立った立った、クララが以下略。

 この子ってホントに激チョロ…いやゲフフンッ!


「…ん? でもそれなら、なんで交際オッケーしてくれないんですか???」


 ぅのぉうっ、振り出しに戻っちゃった!?

 一向にラチが明かない、こんなときは…

 むにゅりんこ☆


「あひゅっ!?」


 私の深ぁ〜い胸の谷間に彼女の顔を無理やり挟み込むと、ミユちゃんは水圧に耐えきれず爆発したボールのような奇声を上げて、一気に押し黙りました。

 やっぱり最終的にモノをいうのは『肉体言語』ですね☆


「大丈夫ですよ。アナタはこんなにカワイイんですから…口下手なラリスくんも、そのうちきっとアナタの魅力にノックダウンされて、肉体言語でお返事しちゃいますから♩」

「ににに肉っ!? 肉体…えへっ、ぅえへへへへ〜…」


 …よしっ堕ちた。人間も動物である以上、肉欲に勝るモノなんて、この世にはありませんよネ♩


「さぁて、いつまでも浸かったままじゃのぼせちゃうから、身体も洗ってキレイキレイしましょーね。お背中流してあげますから♩」

「はい〜…お姉さま…っ♩」


 ズッきゅうぅーーーーんっっ☆

 『お姉さま』キタコレ!

 やっぱり『お母様』よりも、こっちの方が萌えますねハァハァ♩

 …思えば私って、こんなに親しく話せる女の子のお友達って今まで一人もいなかったんですよ。

 それが、こーんなカワイイ子を仕留められただなんて…これは何がなんでもキープしとかないと!

 てなわけでガッツリおもてなし攻勢を仕掛けるべく、湯船から上がった私達は、ミユちゃんを前に座らせ、その背後に陣取りました。

 そして、改めて背中越しに見る彼女の後ろ姿は…う〜〜〜ん?


「…ミユちゃんがお風呂に入るときって、いつも髪はそのままなんですか?」


 彼女の髪はそんなに長くはないものの、濡れたタレ耳状のツインテールが頭にベッタリ貼り付いてて…

 それが、小柄な彼女の身体に比して、かなりの大面積を占めているから、実にアンバランスな印象で…私、気になります!

 かくいう私の髪はかなり長いので、お風呂前に面倒でもササッと束ねておかないと、濡れて重いわ邪魔っけだわ、あちこち引っ掛けて痛いわで…。

 別に私個人の好みで伸ばしてる訳でもないから、そろそろ切りたいのも山々ですけと…

 この長い黒髪は半ば私のトレードマークみたいなものだから、急に短くなると周囲から要らぬ詮索を受けそうだし…シドさんはきっと反対するでしょうし…。

 などと考えあぐねる私に、ミユちゃんは申し訳なさそうに笑って、


「あーコレ、仕方ないんですよ。縛ったりすると、もぉ〜痛くて痛くて」


 ん? 髪を縛るだけなのに?


「他の髪型にもチャレンジしたいんだけど、コレのおかげでどーしても選択肢が限られちゃって」


 んん? 単にツインテールをほどけばいいだけなんじゃ…?


「私の身体って、昔からちょっと変わってるそうなんで…今さらどーしょーもないですけどね」


 んんん〜? いったい何の話???

 気になって仕方がなくなった私は、ミユちゃんの頭を洗ってあげるフリをして、彼女のツインテールにそっと触れてみました…が。

 …え? 何コレ…髪だけじゃない。

 その中に何か、少し硬い芯みたいなモノが…


「…え?…ええっ!?」

「…ねっ、変わってるでしょ?」


 いえ、変わってるってゆーか…

 芯みたいに思えたモノは…端的に言えば『皮膚』でした。

 ゆるふわヘアーの内側に、分厚くて筋張った皮膚がだらりと伸びてて…それが頭頂部近くまで続いています。

 コレは確かにほどける訳ないし、蝶々結びしたら痛そうですね…って、そんな問題じゃなくて!

 タレ耳ツインテールの付け根には、小さな穴が開いてて…

 いえいえっ、普通の人間は頭のてっぺんに穴なんて開いてるはずないですよ、イルカやクジラじゃあるまいし!?

 ということは、もしかして…?


「く、首筋もちゃんと洗いましょーね?」


 と見せかけて、今度は彼女の側頭部をタレ耳ごと掻き上げてみると…あぁ、やっぱり。

 本来なら人間の耳があるべき場所には、なーんにもなくてツルンッとしています。常にタレ耳に覆い隠されてるせいで、うまくカモフラージュされていたようですね。

 耳の穴すら開いてない…てことは、さっきの頭頂部の穴こそが…!


「きゃははっ、くすぐったいですよぉ!」


 あまり入念に調べすぎたせいか、むずがったミユちゃんはツインテールをパタパタ羽ばたかせて暴れます。

 髪の毛って普通、自分の意思では動かせませんよね?

 と、ゆーことは…今の今まで風変わりなツインテールだと信じて疑わなかった、彼女のタレ耳は…

 本物のケモ耳でした…ケモ耳でした…でした…!


 …リアルケモ耳少女!? 飼いたーいっ☆

 ってそんなことより、このパターンって、もしや!?





「ほぉ、地球型『ケンネル人』か。これは珍しいね!」


 慌ててお風呂から上がった私達は、さっそくシドさんを捕まえてミユちゃんのケモ耳を見せてみました。

 ちなみに…今の私の服装は、昨夜のパジャマと同じデザインの色違い。いかに奥手な旦那様の煩悩も、これでイチコロよ♩

 そんな風呂上がりの私の姿にドギマギしつつ、ミユちゃんを診察した彼が即座に下した結論がコレです。

 専門家のお墨付きを得られたので、間違いありません。

 彼女もまた『宇宙人』だったのですっ!!


「マジか、全っ然気づかなかったぜ!?」

「ひゃふっ!? く、くすぐったいよぉ…」


 風呂上がりの彼女の姿にもまったく動じないラリスくんは、さっそくミユキちゃんのタレ耳をいじくり倒して、彼女を悶絶させてます。

 ちなみにミユちゃんのほうは…実は、みんなの洗濯物と一緒に、彼女の制服やら下着やらもうっかり洗濯機に放り込んでしまったので、只今絶賛渦巻き中です。

 そしてミニマムサイズの彼女には、私の着替えは(特に胸部が)恐ろしいほど合わなかったので、仕方なく我が家ではいちばん小さいラリスくんのTシャツを着せておきました。

 それでも小柄な彼女には大きすぎて、特大サイズのロングTシャツと化してますけど…。

 その下にはもちろん"何も着てない"から、意中の人にこれだけ急接近されると、ビンビン感じちゃうんですね…ムフフ♩


「気づかないのも当然だろうね。彼女はもうすっかり地球に馴染んだ土着種だから、地球人との違いはそのタレ耳くらいだし」


 いえいえ、それこそいちばん顕著な差異だと思いますけど?

 …あ、でも普通の地球人にはまるで興味ないハ◯ヒみたいなラリスくんなら、気づかなくても仕方ないかな…。

 シドさんいわく、彼女達のかつての母星『ケンネル』は、もうかなり昔に地殻変動の異常で崩壊し、現在は存在しないとか。

 そこから逃れて宇宙難民と化した彼女のご先祖様が、たどり着いた地球で現地人と共存しながら、独自の進化を遂げた…その末裔がミユちゃんだそうで。


「本来のケンネル人は、もっとこう…いかにも獰猛な獣型の容姿だったんだけどね。

 地球型は現地人に寄り添ううちに野生味が中和され、他星に逃れた同種族とはまるで別物な進化がもたらされた稀有な例だよ」

「ってことは、彼女も私みたいな希少種なんですか?」


 という私の質問に、シドさんは首を捻って、


「珍しいことは珍しいけど…宇宙全域における現存個体数がペンギン並みに多いから、今のところ保護対象には該当しないね」


 加えて、大昔に自力で地球にたまたま辿り着いた祖先が居着いただけなので、不法移民などの規制対象にもあたらないそうです。


「ただ、彼女達の母星はもう無いし、移住先ごとに容姿も千変万化だから、品種によっては今後レア化する素養は多分にあるかな?」


 うんうん、やっぱりケモ耳少女は宇宙全体で保護すべきですよネ♩

 けれども、当人のミユちゃんは…


「…ほぇー…???」


 私達のやり取りがまるで理解できない様子で、呆け続けるばかり。中学生には小難しい話ばかりでしょうしね。


「早い話がね、ミユちゃん。アナタは…『うちゅーぢん』だったんですッ!!」

「は、はぁ…はあ!?」

「そして、この私も『ルナリアン』…アナタと同じ、宇宙人ですっ!」


 早くも引き気味な彼女の両肩をガッチリ掴まえて力説する私に…ミユちゃんは何故だか瞳をウルウル潤ませて、


「これって…新手のイジメか何かですかぁ?

 それとも怪しげな宗教勧誘とか…。

 どーりでみんな妙〜に優しいと思ったら…」


 ぅをうっ、かえって疑心暗鬼に陥らせてしまいましたっ!?

 そりゃ、地球人と何ら変わらない容姿の私が言っても、説得力皆無ですよねー。

 と、そこでシドさんとラリスくんも、


「もちろん、僕達もね」

「みんな同じだから、心配すんなって♩」


 前者はナイスミドルから虹色ヘアーのイケメンへ、後者はイケメン王子様から逆につるぺたハニワへと大変身。

 てゆーかラリスくん、身体サイズはそのまま、風貌だけ変えることも出来たんですね?

 いや、でもコレ、ますますドン引きされるだけなんじゃ…?


「すっ…すごいスゴォーイッ、変身ヒーローみたいっ☆」


 さっき泣いたカラスがもう笑う。この状況が理解できているかはともかく、大はしゃぎですんなり受け入れてはもらえたようです。

 ホッ…根が単純な子で助かりました。

 にしても、ラリスくんの元の姿にも動じないってことは…彼のルックスよりも、むしろ人柄のほうに惹かれてるんですねミユちゃんは。

 ふむ…割と優良物件なんじゃないですか?


「さて…お互い正体を知られてしまった以上、すんなりお返しするワケにはいかなくなりましたねぇ〜い?」

「え…ア、アブダクションですか?」


 …理解できてるじゃないですか。


「ってゆーのは冗談だけど、他言無用ですからね?

 あと、今日はもう遅いから泊まっていきなさい」

「えっ…ラリスくん家にお泊まり…♩

 あっでもでも、この状況でお泊まりする方が心配なんじゃないかな、うちの両親的には?

 ミユキ、ウチ、デンワ…」


 ますます解ってるじゃないですか。

 案外したたかですよ、この子?

 てなわけで自宅にお電話したミユちゃんは、わざわざビデオ通話に切り替えてお互いの御両親をご紹介。


《なるほど…そういうことなら、是非お願いします》

保護管理官ガーディアンさんのお家なら、私達も安心してお預けできますし♩》


 通話画面の向こうの御両親は、ミユちゃんに似て小柄でフワフワな優しい印象でした。

 最初は帽子を被っていらっしゃったけど、私達に警戒を解いて脱いだら…やっぱり二人ともケンネル人でしたし。


《いや〜私達も、一族の正体をいつ娘に打ち明けようかって悩んでたんですけどね》

《なかなか言い出せないまま、結局今日までズルズル来ちゃって…おかげで手間が省けて助かりました♩》


 このちゃっかりぶり…間違いなく家族です。


《そこにいるラリスくんのことも、娘からもう耳にタコが出来るほど聞いてるから、全然他人って気がしないしね》

《いつでも御赤飯を炊けるようにしとくからね。御幸、ファイト☆》


 どさくさ紛れに交際許可ってゆーか、もはや婚姻承諾まで取り付けちゃってますけど。

 しかも、この流れは…一晩だけお泊めするつもりだったのに、いつの間にかちゃっかり住み着く運びになっちゃってません?


「…と、ゆーことなので…」


 御両親との通話を終えたミユちゃんは、うやうやしく私達に頭を下げて、


「ふ、ふつつか者ですが、よろしくお願いしますっ!」


 ソレ前回やったから。

 ま、薄々こーなるよーな予感はしてましたし…リアルケモ耳少女と暮らせるなんて、むしろご褒美ですから♩


「よぉーしよしよしっ、俺も大歓迎だぜっ!」

「わわっラリスくんっ、見えちゃう、見えちゃう〜っ!」


 大喜びな彼にまたまたお姫様抱っこされて、嬉しそうに両耳をパタパタしつつも、めくれ上がるTシャツの裾を必死に引き伸ばすミユちゃんのお顔は、もう真っ赤っかです。


「学校でお前と一緒だと、なんでかしょっちゅう睨まれて辟易してたけどよ。自宅うちなら気兼ねなく付き合ってやれるしな!」

「ドッキンこっ☆ う、うん…っ」


 ほんっと、罪作りな天然王子様ですね。相変わらず『付き合う』の意味も誤解したままですし。

 こうして我が家に可愛いペット…いえいえ、新しい家族が増えました♩


「お前の部屋、俺と一緒でいいよなっ!?」

「う、うん…………へっ!?」





 ま、ラリスくんなら滅多なコトにはならないでしょうし…と、ミユちゃんの部屋割りは彼の希望通り同室に。

 彼女も落ち着かないそぶりながらも、その実まんざらでもなさそうでしたしね。

 その日は夜遅くまで仲良くお喋りしてる様子だったので、私も安心してシドさんの調教(!?)に専念できました。


 …翌日。

 シドさんは教授会で遅くなるとのことだったので、大学での受講を終えた私は珍しく一人で帰宅しました。

 元々、徒歩でも余裕で通学できる圏内なんですよね、自宅うちと大学って。


「ただいま〜です」


 玄関に入ると、先に帰っていたらしいラリスくんとミユちゃんの靴が仲良く並んでちょこんっと置かれています。クスッ可愛い♩

 彼女と一緒なら、ラリスくんは文句も言わずにちゃんと通学してくれるので、これまた喜ばしい副次効果です。

 いつも仲良しこよしな二人を少し羨ましく思いつつ、私はまずダイニングキッチンへと向かいました。

 お利口さんな二人におやつの差し入れを…と思いながら隣室のリビングを見れば、二人の姿はそこにありません。

 どうやら二人して自室にいるようですね。

 二人して…二人っきりで…。

 二人だけの秘密…ドキドキっ☆


「…ち、ちょっと様子を見るだけですからねっ?」


 誰にともなく言い訳しつつ、二人分のおやつを携えた私は、階段を上がって二人のお部屋へ。

 …すぐに賑やかな話し声が室内から聞こえてきました。本当に仲良しさんで…す…?


「…へー、ココってこうなってたのか? 知らなかったぜ…!」

「でしょ? んで、ココをめくるとぉ…」

「…ぅをっ!? すんっげぇ!?」

「あんっ!? いきなり入れちゃダメだよぉ…っ」

「悪ぃ、つい興奮しちまった。今度は慎重に…」

「そうそう、先っぽで優しく撫でるように…少しずつ、少ぉーしずつ…んんっ」

「やっべぇ、すんげードキドキする…っ」

「焦らないで…もっと、ゆっくり…あふっ」


 …こ、こここれは…紛れもない『監督不行き届き』案件発生ーッ!?


「ヘイッおやつお持ちしましたァーッ!!」


 ドッぱあーーーーンッ!!


『ぅどわぁ〜〜〜〜っ!?』


 たまらずドアを蹴破って室内へと突入した私に、制服のままの二人は揃ってビックリ仰天!

 …ってアレ? 制服…脱いでない…?


「あークソッ、逃げられたっ!」

「慎重にコントローラー操作しないと、すぐバレちゃうんだよねー…」


 揃ってコントローラーを放り出し、ドッと疲れたように背中から床に倒れ込む二人。

 そんな二人の前に置かれた液晶テレビの画面内では、巣穴からバタバタ逃げ出していくモンスターの群れが…。

 ハイ、仲良くゲームしてる最中でしたか…えぇわかってた、わかってましたとも!

 てゆーかミユちゃん、操作しながら「あんっ」とか「あふっ」とか、いちいち紛らわしエ◯いんですよっ!!

 薄々気づいてましたけど、さてはこの子…ところ構わず無意識に無差別エ◯を撒き散らす、ナチュラルボーンエ◯リストですね!?

 こんなにあざとカワイイんだから、たぶん学校での男子人気も相当なものだと思いますけど…常にラリスくんとベッタリ一緒なんじゃ、そりゃ狙われようもないですしね。


「…にしても、お前がこんなにゲームに詳しかったなんてなー」

「学校じゃなかなかこーゆーお話できなかったからねー。すぐオタクだの何だの言われて」

「俺も、ゲームの話してる連中のとこに首突っ込むと、なんでかいつも愛想笑いで逃げられるからなぁ…」


 う〜ん、多感な中学生時代は、何かと大変みたいですね…。

 マニアと王子様キャラって、昔も今も相性最悪ですし。


「とにかく…昨日の今日で、あなた達がさっそくエッチい事にうつつを抜かしてるのかと慌てちゃいましたよ。

 ほっ、ギリギリセーフ…」


 安堵しつつ二人におやつを手渡すと、ラリスくんは遠慮なくソレにパクついて、


「あぁ、それなら昨夜のうちに済ませたしな。」


 …は?

 目が点になった私の手から、恐る恐るおやつを受け取ったミユちゃんは、もう真っ赤な顔で、


「昨日あの後…みんなが寝静まった夜、あたしをボーっと見てたラリスくんが…」


"ところでお前…耳があんなら、尻尾も生えてんじゃねーか?"

"ええっ!? は、生えてないよぉ!"


 私はお風呂で、生えてないコトを確認済みですけど…ラリスくん達は知らなくて当然ですものね。


"ホントかぁ〜? ちょっと見せてみ?"

 おぺろぉ〜ん♩

"ひあーっ!?"


 あ…昨夜のミユちゃん、寝巻き代わりのロンTの下に…何も穿いてないんでしたね。

 とてもスゴイモノを見られちゃいましたか…。


"を? なんでスッペラポンなんだお前?"

"そそそれは、お姉さまが…っ!"


 ちょっと、まるで私がやらせたみたいじゃないですか、そんな破廉恥なコトを!?(←はい、此奴がやらせました。)


"まいっか。尻尾、尻尾…ってアレ、無ぇなー?"

"だ、だから無いって…あんまり見ないで…ひぐうっ"

"嘘つけ、どーせこん中に隠してんだろ?"

 めくりっ。くぱあ…っ☆

"ひぃあああ〜〜〜〜っっ!?"


「ギリッギリッ、アウトォオーーーーッッ!!」

 ガンガンガンガンどっびゅうーっっ!

「ひああっ、お姉さまっ!?」

「大丈夫かよ、普段からあんまし大丈夫じゃねーけど!?」


 おやつを載せて運んできたコースターでドタマを叩き割って、鮮血を噴水のごとくぴゅーぴゅー噴き上げる私を心配する二人ですが…

 中坊にもなって、お子様のお医者さんゴッコですかオマイラッ!?

 たしかに、常識という眼鏡じゃ計れやしませんけど、お子様たちの世界は!?


「そ、そゆことで、あたし…ラリスくんに『女』にされちゃいましたっ♩」


 ミユちゃん、それも昨夜やったから。


「そ、それで…その後は? ドキドキ…」

「ん、別になんも?」


 ホッ…としたのもつかの間、


「ちょっくらほじくり返してみたけど、中になーんも無かったし。」

「イヤんバカんラリスくん激しぃー☆」


 ほじくり…思った以上にやらかしてたァーッ!?

 ナカニ ダレモ イマセンヨ…!!

 まだ『女』じゃない、『女』じゃない…けど、現実なのーねー!?

 とどのつまりは『事後』だったんですね? どーりで終始オドオドしてた昨日に比べて、やけに賢者感が漂ってると思ったら…!


「でもちょっと痛かったから…次からはもっと優しくね♩」


 しかもまだヤル気満々かーいっ!?

 目の前でいやんイヤンと恥じらう彼女を見てるうちに…なんでしょーかね、コレ? どーにも堪えきれない殺意が…!

 子供だとばかりみくびってたら、たった一晩で一足飛びにそこまで…!

 私たち夫婦のほうは、昨夜やっと「おっぱいマンへの道・レベル2技能『揉み揉みおぱーい♩』」をシドさんに習得させたばかりだとゆーのに…っ。

 姉貴分の私を置いてきぼりにして、どぼぢでアナタはズンドコ先に行っちゃうの?


 嗚呼…憎い…なんだか無性に憎ったらしい!

 夜毎火照ったカラダを持て余す私に、なかなか手を出せない奥手すぎるオトナが憎い。

 いつも無邪気に笑ってみせながら、その裏では着実に大人の階段を昇る、したたかなコドモがニクイ…ッ!


 …ってアレ? そもそもの加害者はラリスくんなのに、どうして被害者側のミユちゃんに腹を立ててるんでしょうかね、私は…?


「えへへ〜ラリスくぅーん♩」

「あっバカヤロ、いま再チャレンジゲ中…あーホラまた逃げられちまったじゃねーか…!」


 …フ、フフフ…些細なことはどーでもいいんですよ。

 とにかく今は…このケモ耳むしゅめが憎い。狂おしいほどニクイッ!

 デュラックス・ヘーッド!!

 ラリスくんもラリスくんですよ。この私を守ってくれるって言ったのに…昨日から、この子ばっかり構ってて…!


「ウフフフヘヘヘ…ミユちゃん?」


 ギリリと噛み締めた唇の端からしたたる鮮血をポタポタこぼしつつ、私はフラ〜リと立ち上がって…


「やっぱり、ラリスくんとは別々のお部屋にしましょーネ♩」





 ドンドンドンドンッ!


「出してっ、ココから出してぇーッ!!」

 

 けたたましくドアを叩いて泣き叫ぶミユちゃんの悲鳴がこだまするのは、我が家の地下室の物置き部屋。

 地下室なので当然、窓など一つもないそのお部屋に唯一出入りできるそのドアには、頑丈な錠前が"外側から"ガッツリ食い込んで、内側からは彼女の力ごときでは絶ッ対開けられないようになっとりまス。


「うわっ、八桁の電子ロックかよ。コイツは俺でも無理だわ。ホンット容赦ねーなお前?」


 錠前付属のテンキーをポチポチ押しながら、ラリスくんが恨めしげな視線を送ってきます。

 ンッフッフ、人間大サイズのアナタじゃ大した力を出せないことくらい、とっくにリサーチ済みよン♩

 しかも此処は狭い地下室…おっきくもなれないものネ☆


「こ、こんなトコに閉じ込めて…おトイレとかどーするんですかぁ!?」

「そこにオマルが置いてあるでしょ? 入りきらなかったらペットボトルで…」

「いやいやイヤさすがにそれはマズイだろ!? 何やってんだミサさん! そんなものぐさ具合が天限突破した引きこもりみたいな真似させて…っ!」


 教授会が終わって帰宅したシドさんが、この光景を見かけるなり血相変えて糾弾します。

 いつになく男らしい彼の剣幕に、少しだけドキッとときめかなくもないです…が、


「それもこれもっ、アナタが私をちゃんと愛してくれないからでしょーがッ!?」

「ヒィッすみませんっ! なんか知らんけどホンット申し訳ありませんDE下ーッ!!」


 支離滅裂な私の猛反撃に、その場で土下座して平謝り。うんうん、夜毎の調教の成果は着実に表れてるようですね♩


「ひうぅ…出してぇ…ココから出してくださぁい…お願いですからぁ〜〜っ!」


 床に崩れ落ちてむせび泣くミユちゃんの懇願とともに、ドアを爪で引っ掻くようなカリカリという音が…。

 ペットに留守番させてお出かけした後、家に帰ると、扉という扉が傷だらけになっている光景を彷彿とさせます。


「別にここまでしなくても、俺と同じ部屋じゃなきゃいーんだろ? 他にもっとマシな部屋がいくらでも残ってんじゃねーか」

「他のお部屋には鍵が付いてないでしょ!?」

「施錠前提なんだね…」


 そうでもしないとミユちゃん、きっとこれからも夜な夜なラリスくんのお部屋を訪ねて…今回みたいな接触事故どころか、ガッツリ正面衝突して悪魔合体しちゃうに決まってるじゃないですか!?

 いくら親御さんの許可が出てるっぽいからって…!


「あうぅう解りましたぁ…もぉラリスくんのことは諦めますからぁ〜」


 …え? あ、いえ、何もそこまでは…


「どーせあたしには無理だったんですよぉ。ここまでしてもラリスくん、いつもと全然態度が変わんないしぃ〜」


 …ポカッ☆


「痛って…なんで俺を殴んだよ!?」

「殴られて当然なコトをしてるからですっ!」


 この期に及んでまだミユちゃんの想いに気づかず、単に粗相をしたペットをゲージに閉じ込めてこらしめてるだけとか思ってるニブチンには、これでも足りないくらいですよまったく!

 …そうですよね。きっとミユちゃんも、そんなラリスくんになんとか振り向いてほしくて必死だったんでしょう。

 そこへなし崩し的に同居まで始めちゃったものだから、はしゃぎ過ぎてしまっただけで…。

 奥手どころかATフィールド並みに強固な防壁を張り巡らせてる潔癖症な夫を持つ身としては、どうしても同情を禁じ得ません。

 本当に、ウチの男どもはどうしてこう、揃いも揃って…!


「解りました。今日のところは許してあげましょう。お部屋も一緒のままでいいです。

 ただし、もうおイタは無しですよ?」


 ドアの向こうに語りかけつつ、私は錠前の電子ロックキーに手を掛け、


「90339811…クェ、モオ、ミ、ミ、クァ、ワ、イ、イっと♩」

「…一、ニ、五個目がちと苦しすぎないかい?」


 ダメ亭主のツッコミを完全スルーしつつテンキーを操作し、鍵を解除。

 そして再びドアを開けると…


「…グスッ、グスグスッ…ごめんなざい、おねえざまぁ〜〜っ!」


 照明が裸電球一つだけの薄暗くて雑然とした室内から飛び出してきたミユちゃんが、顔じゅう涙でぐしゃぐしゃにして、飼い主の帰りを待ち侘びていたワンちゃんみたいにすがりついてきました。

 カ、カワイイ…! これでオチない相手は皆無でしょう。私ももちろんオチました!


「誰ですかっ、こんなにいたいけな子をこんな酷い場所に閉じ込めた人でなしはっ!?」

『アンタだアンタ。』


 言われのない抗議の声を上げる野郎どもは、当然のごとくコッキリ無視して、


「よしよし、私こそごめんなさい。

 これはね、決してアナタが憎くてやったことじゃないの。(←!?)

 ミユちゃんがとってもカワイイから、つい、いぢわるしたくなっちゃっただけなのよ…♩」

「ゔえぇぇ…良かったぁ〜。あだぢ、お姉ざまに嫌われだんじゃながっだんですねぇ〜!?」


 泣き腫らした顔で上目遣いで私に微笑み返す、破壊力満点のミユたその愛らしさに、私のバラ色の脳細胞が神速で蕩けていきます。

 あ〜もぉっ、カワイイなぁコンチキショーッ!!


「…やっべぇ、まぢモンのサイコパスだぞコイツ。

 エイラス達が泣いて拝んでた『女神』はどこ行った?」

「ここ数日で彼女をそれなりに理解できたつもりだったけど…人の闇ってやつはなかなか見通せないものだね…」


 何故だか青ざめた顔で私を見やる男二人には目もくれず、膝の上にのせたミユちゃんをあやし続けます。


「ほらミユちゃん、涙を拭いて、お鼻もチーンして?

 嗚呼、本当にもぉ…そんな悪魔的な可愛さで私を困らせないでちょうだいゴロゴロゴロ♩」

「あっあっ、お姉さま、そこはダメ…ひぐぅっ!?」


 先日ラリスくんにやられたように喉元を指先で弄ぶと、ミユちゃんは一発昇天。まさに全身性感帯な逸材ね…ウフフ。


「ほらほらミユちゃん、そこでダブルピースよ♩」

「アヘアヘあへぇ〜〜〜〜☆」


 よぉしシャッターチャンス! パシャパシャパシャリんこ☆

 嗚呼もぉ、嗚呼〜もぉっ! これ以上は見せられないヨ!!





「そういえば…ずいぶんお帰りが早かったんですね? 教授会って、もっと時間が掛かるものだとばかり…」


 地下室から一階のリビングへ戻る道すがら、シドさんに問い掛けると、


「その予定だったんだけどね…そうも言ってられない状況になってしまったんだよ。

 …そろそろやってる頃かな?」


 何やら複雑な表情を浮かべた彼は、リビングに入るなりテレビのリモコンを手に取って操作し始めました。

 …大画面の液晶モニターに映し出されたのは、夕方のニュース番組…ですが、いつもとはだいぶん様子が異なっています。


《えー、総理の緊急記者会見が始まった模様です。》


 ニュースキャスターの声に合わせてカメラが捉えたのは、この手のイベントではお馴染みな首相官邸の記者会見場。

 大勢の記者が詰めかけ、スタッフがバタバタ慌ただしく動き回る最中、姿を現した総理大臣が颯爽と登壇しました。

 そして開口一番、


《国民の皆さんは…『宇宙人』を信じますか?》


 ガタガタッと記者席で大勢がズッコケたような音が鳴り、カメラが大きくブレました。

 真面目な会見の場でイキナリそんなこと言われたら、そりゃそーなりますよね。


《実は私は、そうした趣旨の映画や書籍は昔から大好物でして…自宅に帰れば、その手の映像ソフトなんて、それこそ売るほどあります!

 そして、そのいずれもが名作揃いで…現在のような動画配信サービスが主流になる以前から、何度も何度も…まさに記録媒体が擦り切れるまで見返したものです》


 いったい何が始まったのか、いや首相も日々の多忙が極まった挙句、いよいよ"始まってしまった"のか?…と固唾を呑んで見守る報道陣の前で、首相は滔々と独演会を続けた後…


《ですが…それらはいずれもフィクションであり、ファンタジーの域を出ないものです。

 然らば…そうした事態が実際に発生した場合、我々はどう対応すべきか…いや、果たして対応できるのか?》


 首相の弁に合わせて、背後のプロジェクションスクリーンにとある映像が映し出されました。

 それは無論…昨日の白昼に起きた、謎の巨大生物やUFOの飛来事件。

 ネット等でもう飽きるほど再生されている、黒髪の女性を挟んで巨大マンタと巨人が睨み合っている、例の映像です。

 画面中央の黒髪の女性とは…言うまでもなく、この私です。

 なるほど…これは遅ればせながら、その説明も兼ねた、"至って真面目な"会見なんですね。


《この映像のような光景をいざ目の当たりにでもしない限り、先程の私の問い掛けに皆さんが示したような反応を見せるのは、至極当然でしょう。

 私もそうでした…つい、先日までは。》


 世界中のニュースやネットが騒然となり、今でも様々な憶測が乱れ飛んでいるこの事象において、日本政府…いいえ、おそらくは世界中の各国首脳も、いよいよ隠し立ては不能と判断したようですね。


《事実は小説より奇なり。

 結論から申し上げまして…この映像は、紛れもない『事実』です。》


 ザワザワ…ッ。

 穏やかな流れの水面に投げ込んだ小石が波紋を広げるように、静まり返っていた会見場がにわかに色めき立ちます。


《最初の質問の答えを、改めてお答え致しますと…『彼ら』は実在します!》


 バシャバシャバシャバシャッ!

 断言した首相に夥しいフラッシュ攻勢が焚かれ、画面の片隅に『政府、宇宙人の存在を肯定』との見出しが。

 ここまで見ても、昨日までの私なら、まだコレが放送局の仕組んだジョークか何かだと笑い飛ばしていたかもしれません。

 あるいは、コレは映画や番組の予告だろうと、チャンネルを切り替えて確認するか…。

 …ですが、どのチャンネルに合わせようとも結果は同じでした。

 それも日本政府だけではなく、世界中のあらゆる国々や国連までもが、一様に。


 そう…この日、世界は…地球は、

 その事実をおおやけに認めたのです。


 …私たち『宇宙人』が、"すでに地球に来ている"ことを。




【第三話END】

 ヒロインがめでたく初夜(笑)を迎えた翌日にして、めでたく二人目の女子レギュラーキャラが登場した、おめでた尽くしの第三話です。

 予告通り、ラリスくんにストーカーラブレターを送りつけた張本人にして、大人の魅力を振りまく?主人公とは当然のごとく正反対のロリキャラ、しかも現役JCにしてケモ耳(!)とゆー、あざとさ全開の設定となっとります。

 でもま、あの朴念仁にしぶとく憑き纏えるような女子っていったら、もぉこの子以外考えられないっしょ?

 てなわけで、作中はほとんど愛称の『ミユちゃん』名義のため、たった一回しか出てきていないフルネーム『大伴御幸』は、竹取物語の登場人物からテケトーに文字って名付けました。興味があったら検索してみてください(笑)。


 そういえばヒロイン美沙兎の名前も、決定するまで紆余曲折ありまして。

 『ルナリアン』だから月に因んで…とは思ったものの、『月野』や『うさぎ』はさすがにマズイだろーと(笑)。

 次点の名字候補が『竹取』ってとこまではすんなり行ったんですけど、『かぐや』は割とありふれている上に某有名コミックと被るし、実は前々作で既に使ってるしで。

 でも『兎』って文字はどこかに入れたかったんで、そこから逆算的にあとの二文字はなぁなぁで決まりましたね。

 その他のキャラ名も作者なりのルールで付けとります。ちうても名前があるのはまだまだほんの一握りですが。


 そんなこんなで終盤までミユたんの愛らしさで引っ張り抜いた挙句、最後にトンデモナイ事態が待ち受けてるとゆー。

 そりゃやっぱ、あそこまで大騒ぎになったら、こうならざるを得ないでしょ?とゆーリアル志向です。

 毎週毎週、怪獣や怪人が大暴れして街を破壊し尽くしてるのに、翌週には何事もなくすっかり元通りな上、正義ヒーローの正体が最終回まで周囲には謎のまま…などという不条理を作者は許しません(笑)。

 次回はさらに大変なコトになり、今回だけでも不幸三昧でお腹いっぱいだったミユたんに、さらなる不幸が…もーやめたげて!的な展開を予定しとります。


 尚、今回のサブタイトルは、作者ん家で現在進行形で起きていることです(笑)。

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