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ズルい女はたいてい無自覚

【前回のあらすじ】

 只今、超〜長距離恋愛中のマコさんと皇帝サマが、最後に交わした感動的なキスシーンを直視して…

 「アレは本当に信頼と感謝の証しってだけなのか?」と、私のでまかせに疑問を抱き始めたラリスくん。

 それを説明する前に、彼にはいまだに理解不能な『恋愛感情』を学習してもらう必要が出てきました。


 そこでマコさんが提示したのが、彼女の私物であり、現在唯一の趣味でもある『少女漫画』、しかもかな〜りキワドイやつ。

 現役JCがこんなモノを大量に所有していることには多少の危機感を抱きつつも、コレならあるいは…?と、さっそくラリスくんに読み込ませてみました。

 結果的には効果絶大で、具体的な『恋愛』そのものは理解できないながらも…

 たとえば、ミユちゃんと日常的に人目もはばからずチュッチュパやるのは、とっても恥ずかしいコトなんだ…程度の一般常識は身についたようです。


 けれども…それと引き換えに、羞恥心を学習したラリスくんは、急にミユちゃんと距離を起き始めて…「もうお前とはキスしない」宣言に、ミユちゃん大号泣。

 結局、周囲の説得もあって、今まで通り彼女に接することにはなったものの…

 どうやら、ミユちゃんに抱いている感情は、愛玩動物へのソレに等しく、恋愛とは違うのではないか…と気づいてしまったようです。

 と同時に、今度は母親の私に俄然興味が湧いてしまったらしく…寝落ちした私のカラダの至る所にキスマークは残すわ、デートの約束を迫るわと、やりたい放題!

 ラリスくん、私とアナタは親子なんですよ? そこんトコ解ってますか!?


 それから、宇宙人敵視を続ける件の宗教団体『真世界統合協会』にも大きな動きが。

 モーント星系の大人気テレビ番組『エル・ランニング・プレーソ』…はやい話が映画『バトル◯ンナー』のパクリショーにて、皇帝サマ直々に拘束された、あの井谷奈いやな記者が公開処刑された翌日…

 団体の教祖が惨殺されたとのニュースが早朝から世界中を駆け巡り、なにやらキナ臭い事態に…。

 う〜ん…これからいったい、どーなっちゃうんでしょーか…?





「ぅわぁ…これはヒドイね…」

「自業自得とはいえ…ここまで来ると同情を禁じ得ませんね…」


 ダイニングで朝食をいただきながら、隣室の大型テレビに映し出された情報番組を視聴するミユちゃんとマコさんが顔をしかめます。

 早朝に伝えられた『真世界統合協会』教祖惨殺のニュースは、瞬く間に世間を震撼させ、せっかくの朝ご飯の味覚を損なわせました。


 海外にある彼女の大邸宅、その敷地内にて…無惨に食いちぎられた教祖の死体か発見されたのです。

 先日の教団幹部・井谷奈いやな記者による銀河皇帝襲撃事件以来、教団へ向けられる非難の目はますます厳しさを増し…

 脱退する信者が激増した結果、宗教団体としてのていを失った同教団は、事実上の活動停止に追い込まれていました。


 教祖の邸宅に勤めていた大勢の使用人も、資金繰りの悪化から大半が解雇され、古くから仕えていた古株の家人のみが残った状態でした。

 前教祖である夫を亡くした現教祖には、他に家族はおらず、家政婦が交代で世話を続けていたそうです。

 それでも教祖の傲慢ぶりは以前と何ら変わらず、深夜でも急用で人を呼びつけるなど、とにかく人使いが荒かったそうですが…

 その夜は珍しく何の御用も仰せつかることがなかった当直の者が、早朝に彼女の寝室を訪れてみたところ…すでに直視しがたい惨状だった、と。


 遺体の損傷具合から、寝室に侵入した大型の野生動物…たとえは熊や狼などに襲撃されたらしいとの見解が発表されましたが…

 日本とは違い、教祖の居住国では、野生の熊の生息は極めて限定的であり、また狼は日本同様、絶滅しています。

 また、彼女の寝室は邸宅の最上階にあるため、野犬などの侵入は不可能であり、部屋のドアにもこじ開けられた痕跡はありませんでした。

 以上の観点から、現時点では殺害犯は不明なものの…これだけ無惨な殺害方法から、いわゆる『黒幕』が使い道のなくなった彼女を、"見せしめ"として公開処刑したのでは?…との噂も。


 また、同日に世界中で、教団に協力していた疑惑のある政治家や資本家が、いずれも同様な不審死を遂げたり、行方不明になっているとか…。

 こんな短時間に、これだけの人数を一気に手にかけることが可能となると…『黒幕』はよほどの巨大組織か、はたまた瞬間移動が可能な超人なのか…?


「ふぅむ…なかなかに難解だねぇ…」


 同じくダイニングで朝食を摂りながら、朝刊に目を通したシドさんは、しきりと頭を傾げています。


「けどよ、どー考えても地球人や野生動物の仕業じゃねーよな、こりゃ?」


 いち早く朝食を平らげたラリスくんが、椅子にふんぞり返って爪楊枝でシーハーしながら、率直な感想を洩らしました。


「というと…やっぱり、宇宙人の…?」


 問い返しつつも、内心やっぱりそうだろうなーと半ば納得する私に、シドさんも同意して、


「地球人はもちろん、野生動物でもここまでムゴたらしい殺し方はしないだろうし…明らかに部外者への警告の意味もあるんだろうね。

 これ以上、この件に首を突っ込むな…って」


 言われなくても、私達にはもう無関係な騒動ですしね。

 それにしても…反宇宙人を唱えていた組織の背後にいたのが、他ならぬその宇宙人だなんて…皮肉にも程があるよーな。


「仮に宇宙人が黒幕だとして…教団から吸い上げた莫大な資金を、いったい何に使ってるんでしょうか?」


 既に教団のプール金はちょっとした小国の国家予算レベルに達しており、宗教活動としては潤沢すぎるほどの金額であることが判明しています。

 そして、そのほぼ全額が、事件前後にあらかた持ち出されていたことも…。


「つーか、こんな未開惑星の一部地域でしか通用しねーようなカネを掻き集めたところで、宇宙じゃなおさらどーしようもねぇよな?」

「ゴールドや宝石に換金しようにも、額が額だから、すぐに足がつくだろうしねぇ…」


 ラリスくんやシドさんも首を捻るばかり。

 …どーでもいいけど、こんな事務的なお話をしているときの二人って、探偵モノや刑事モノドラマのバディみたいでカッコイイかも…♩


「…とにかく、僕らにまで影響が及ぶ可能性はもう少ないと思うけど、みんな充分気をつけてね」


 シドさんの注意喚起に皆一斉に頷いてから、ミユちゃんとマコさんは通学準備のためダイニングから出ていきました。

 女性の身支度って、何かと時間が掛かりますからね。

 そのタイミングを狙って、私はシドさんにこう切り出します。


「そういえば…今まですっかり忘れていた、ゼミで必要な参考書を、今度の土曜日にでも買いに行きたいんですけど…?」


 するとシドさんはスマホのスケジュールアプリを立ち上げて、


「えーっと今度の土曜は…あ、大学の会合が入ってるな」


 よしっ、計画通り! 次の土曜日にそのイベントがあることは、初めから判ってましたよ。


「次の日曜か、なんなら大学が終わった帰りにでもいいなら…」


 マズい、それは盲点だったぁーっ!?(←最初から穴だらけ)

 しかし、そこですかさずラリスくんが挙手。


「なら俺が付き合ってやんよ♩」


 ゔ…付き合うって…そーゆー意味じゃないって解っててもドキッとするし、実際そんな用事だから、なおさらドキドキするんですけど…。


「へぇ、出不精のキミが珍しいね? ミユちゃんとは何の約束も無いのかい?」

「あぁ、今度の土曜は都合が悪いってコトにしてある」


 設定をバラすな、おバカ…ッ!?


「そうかい? ミサさんもそれでいいなら、お願いしようかな?」


 …ホッ。シドさん、ナイススルー。

 とゆーわけで…既にお気づきの方が大半でしょうけど、前回ラストで急に飛び出した、ラリスくんとの『親子デート』の日取りが決まりました♩


 最初に彼に話を持ちかけられたときには「ええっ!?」と驚きましたけど…どうやら単純に、漫画によく出てくるデートなるものに興味を覚えただけの模様です。

 でも、それならなおさらミユちゃんを誘えばいいだけなんじゃ?と切り返すと、


"だから、アイツじゃガキのおままごとになっちまうだろ? 俺はちゃんとした女とデートしてぇんだよ!"


 …これ聞いたら、ミユちゃんマジで泣いちゃいますから、間違っても口に出さないよーに!

 てゆーか…それって、私のことはちゃんと『女』として意識してくれてるってことですよね?

 ちょっと前まではミユちゃん同様、私もペット扱いだったのに…ちょっぴり嬉しいかも♩

 …でも、母親扱いは意地でもしてくれないんですね…ぐっすん。


 それからいろいろ調べてみたら、最近は休日に親子でお出かけするのもフツーらしいし、別におかしなコトじゃないですよね、うんっ♩

 …それならどーして他の人にはナイシかあ赤青買う胡散臭いなョにするのかって?くあなかあか

 う〜ん…どうしてなんでしょう?





 そして次の土曜日…デート当日。

 念のため…というかミユちゃんやマコあなあさんを欺くため、先にラリスくんが家を出てから、少し遅れて私も街へと向かいます。あ

 なし崩し的なデートイベントとはいえ、実はけっこう楽しみにしちゃってる私がいました。

 シドさんとは、たまにお食事くらいはご一緒しますけど、なにかと忙しい人だから、ショッピングとか旅行とかはしたことないですし…

 そういえば、入籍はしたけど挙式はまあだでしたね、私達。だからいまだに結婚感が薄いんでしょうか…?

 それはともかく、デートらしいデートって今日が初めてだから…なんだかドキドキします♩


「…おう、来やがったな」


 駅前までの道すがら、適当な場所で先に待っててくれたラリスくんが、私を見つけて声をかけます。


「待ちました?」

「ああ、けっこー待たされたぜ。ちんたら歩いてんじゃねーよ」


 ムッ…そこは嘘でも全然待ってないって言いなさいよ! まったく、本当にこの子ってデリカシーってものが…

 …ううん、せっかくのデートなんだから、今日は我慢ガマン♩

 それにしても…イケメン君はなに着ても似合いますね〜。

 ジーパンにTシャツという、普段通りのラフなカジュアルスタイルだけど…

 その飾りっ気のなさに、むしろ親しみが増して好感度高いですよ♩


「そーゆーお前も、今日は久々にジーパンか?」

「ええ、ラリスくんに合わせてみました。動きやすくて楽ですしね♩」


 先日はまだ上着を着込んでましたけど、今日は気温がかなり高めなので、上は半袖カットソーで。

 身体のラインがハッキリ判る服装は、その…殿方からの視線が局部的にかな〜り痛いんで、普段は滅多にしませんけど…

 ラリスくんが、珍しく褒めてくれましたからネ♩


「それで…今日の予定はもう決まってるんですか?」

「あぁ、任せとけ!」


 どこで何をするかは、ご覧の通り彼に一任しています。私のほうが街の周辺事情にあまり明るくないもので…。

 とはいえ、駅前に本を買いに行くという建前で出かけたので、電車に乗って遠方へ行ったりするのはNGということにしてありますけど。

 でも…彼が張り切れば張り切るほど、一抹の不安が…。


「まずは…駅前でショッピングだな!」


 あれ、意外とマトモですね?

 でも…


「お金のほうは大丈夫なんですか?」


 実は私、今まで彼にお小遣いをあげたことがありません。同居を始めたばかりの頃、カネなら腐るほどあるってキッパリ断られたからで。

 でもでも、中学生ともなれば、それなりに入り用なんじゃ?…って当時は疑問に思ったものですけど…


「俺だって給料くらい貰ってるからな。普段あまり使わねーから、ムダに貯まる一方でよ」


 そう、正体が宇宙人な彼の本業は『保護管理官ガーディアン』。

 そして現在の保護対象者は、宇宙的な希少種族『ルナリアン』である、この私。あかぬ

 つまり、私との同居を続けるだけで職務遂行中と見做され、定期報酬が入り続ける訳なんです…なんだか羨ましい。


「もう現地通貨に換金も済ませてあるしな。買いたいモノがあったら何でも言え、全部俺かおかあかあかの奢りだ」


 太っ腹で男前、ありがとぉ社長〜♩的な頼もしいセリフとともに、彼が差し出したお財布には…


「!?」


 おおよそ男子中学生が持ち歩いていい金額じゃない、まるで昭和の社長か芸能人みたいな分厚い札束が無理やりねじ込まれた様子に、危うく心停止しかけました。お


「ヘボい給料でも、こんなド田舎の相場よりはマシだからな♩」


 他国の貨幣から換金した途端、一人では持ち運び困難になるほどの超インフレ!

 経済破綻しかけて紙切れ同然になった、発展途上国の独自通貨みたいな…。

 もともとは私の御先祖様の『ルナリアン』が、自分達の希少価値を"引き下げる"ために生み出した『地球人』が棲まう惑星とはいえ、これほどまでの経済格差を目の当たりにしてしまうと…。


「…ソレ、誰にも見せちゃダメですよ!? 使う分だけ小分けにして、あとはしまっておいてください…!」


 血相変えて忠告する私に、ラリスくんは顔じゅうに『?』マークを浮かべながら、渋々従いました。

 これだからお金に無頓着な人は…。

 のっけからこんな調子じゃ、先が思いやられますけど…


「ところでショッピングって、何が欲しいんですか?」

「そりゃあもちろん…!」





 そしてラリスくんの希望通りやってきたのは…駅前にあるブティック。

 服装にも無頓着な彼にしては、意外すぎるチョイス。

 しかも当たり前だけど、男物より女物がメインのお店…てことは、


「お前、ババくせぇ服しか持ってねーだろ? もっと似合ってるヤツを買ってやんよ♩」


 ババくさいゆーなエレガンスと言えっ!

 しかもアータ、まだ若いのにその気前の良さ…もうパパ活おやぢかっ!?

 常にレディファーストなシドさんでも無いですよ、私のお洋服選びに付き合ってくれたことなんて!

 そんなこんなで、さっそく入店するなり、


「いらっしゃいませぇ…ってうわっ凄いイケメンカップル!?」

「ホントだ、ビジュアル半端ねぇ〜!?」

 パシャパシャッ☆

「あ、お写真撮っていいですかぁ!?」


 休日でそれなりに繁盛してるとゆーのに、他のお客さんほったらかしで、店員さんが全員こっちに集まってきちゃいましたよ?

 てゆーか写真撮る前に意志確認してください。まぁ写真くらい別にいいですけど。


「おう姉ちゃんら、この女に似合う服を選んでやってくんな!」


 アータは寅さんかっ!?あなな

 しかもここの店員さん達の格好って、揃いも揃って、いわゆるド派手なギャルファッションってやつで…つまりは私からは最も縁遠い、未知の領域じゃあないですか!


『御意っ☆』


 そして、ラリスくんに命じられたノリのいい店員さん達が、店内中を駆けずり回ってかき集めてきた品物の数々も、言うに及ばす…


「ささ、どーぞどーぞご試着を♩」


 その品々と一緒に試着ブースに押し込められた私は、途方に暮れました。

 う、上着って…これだけ? キャミソールとタンクトップの重ね着…。私なりの区分としては、両方下着なんですけどコレ…。

 しかも明らかに寸足らずで、おヘソ丸見えだし…襟ぐりも深いから、イヤでも胸の谷間が目立っちゃいますよね?

 そして下は…これも小さめで、ほとんど太もも丸出しのピッタリショートパンツ!?

 これじゃあジッパーが締まり切らなくて、下着がハミ出しちゃうし…。


 あの、これって…罰ゲームか何かですか?

 部屋着ならまだしも、こんなはしたない格好で人前に出るなんて…恥ずか死ねるっ!

 けど、店員さん達も似たり寄ったりな服装だし…アレ、私の常識のほうがオカシイの?

 でもコレは、ラリスくんが望んだことだし…可愛い息子のためなら…えぇいっ!!


 意を決して着替えを済ませた私は、もう破れかぶれな心境で、勢いよく試着ブースのカーテンを開け放ちました!

 途端に店内中にどよめく、ぅををを…という地鳴りのような声。

 これは…私、またやらかしましたか?


『ヤッバーイッ!!』


 やや遅れて、ギャル店員さん達の大合唱。

 ヤバイって…どっちの意味?

 けれども、


「すっげ…漫画に出てきたギャルそのまんまじゃん!? やればできる奴だったんだな、お前!」


 判断基準に若干の引っ掛かりはあるものの、ラリスくんは手放しで大絶賛してくれたから、恥を偲んだ甲斐はあった…かな♩うな


「あぁ、すっげーエロいっ! エロ以外ないっ!!」


 …………。

 つい最近まで女性にまったく関心なかった彼が、よくぞここまで変わったもんだと感心はしますけど…それ、断じて褒め言葉じゃないからっ!!


「ぅぅ…やっぱりやめとけばよかった…年甲斐もなくこんな格好…」


 いまさら襲いくる猛烈な羞恥心に身悶えする私の言葉に、店員さん達は一様に「え、何言ってんの?」「じゅーぶんギャル世代っしょ?」なんて不思議そうな顔をしてましたが、


「母親だからって遠慮ばっかしてっからだろ? もっと自分に素直になれよ♩」


 というラリスくんの言葉に、再び一斉に『え゛っ!?』と目が点に。


「ああコイツ、俺の母ちゃん♩」

『!? ヤッッバアーイッ!!』


 今度こそ本来の意味の「ヤバイ」だって、すぐ解りましたよ…うるうる。

 ラリスくんもこんな時に限って、なんで私を母親認定しますか?


「つってもまだ十代だけどな」

『!!!? ちょお〜ヤッッッバーイッ!!』


 今度はどっち? もうどっちでもいいけど!

 それに、明らかに計算が合わないことに誰もツッコまないのに、よくショップの店員なんて務まりますね!?(←八つ当たり)


「よし、じゃあそのカッコで次行くぜ!かな」

「え゛…まぢスかっ!?」


 ヤッッッッバァ〜〜〜〜イッ!?





 ラリスくんの決定は覆らず、私はギャル服のままでお店を後にしました。

 いくらなんでも無防備すぎるってことで、上に羽織るパーカーも買いましたけど…ピチピチすぎて前が締まらないから、胸が丸出しですよ!

 いまだかつて自分の巨乳をここまで恨めしく思ったことはありません…くぅ〜っ。


「気にしすぎじゃね? ホラ、街の連中がみーんなアンタに見惚れてるぜ♩」


 それがイヤなんですよっ、道ゆく人にジロジロ見られて…何なんですか、この公開処刑!?


「けど…それはラリスくんも同じでしょ?」


 そう…現在の彼の格好は、同じブティックで一式揃えたゴスロリコスでフルコーデ♩

 こんな恥ずらかちいギャル服で街に放り出されてたまるもんか!と焦った私が、帰り際たおたあにたあたあああたたあつた目についたなうつあたあたあたたあちたおたあたソおレを彼に着るよう強要したんであやとたたすあけど…。つたあたたあたあたおあたやとあたああなおお

たい

「なーんかゴチャゴチャして暑苦しいけど、ゲームキャラみてぇで悪くないな。割り悪つおおたあたああおおつとたおな好みだぜ、コレ♩」


 元からカッコカワイイ系でジェンダーレスな顔立ちの彼には、まっっったく違和感ありませんでした☆

 ナチュラルボーンな金髪と翡翠色の瞳には、日本人が無理やり外人の真似してるようなわざとらしさが微塵もありませんし、恐ろしすぎるほどやうな似合ってます。

 し上たかも、もともと服装に無頓着すぎる彼は、男女の区別も曖昧で気にならないようで、何らおたあた疑問も抱かず自然に着こなしてますし…。

「ゴかあたあなあロリとギャル…すごい取り合わせだな」

「なのに不思議と調和が取れてる…!」

「ファッション誌の撮影か何かか?」

「モあなおなデルの二人もスゴイ美少女だな♩」


 どうやら皆さん、私達がモデルだと勘違いしてるみたいで助かりました。シラフでこんな格好してるとか思われたくないですよ!


「ううっ…で、次はドコ行くんですか?」


 どこでもいいから、早く逃げ隠れさせてくださいっ!


「そーだな、この格好なら…やっぱ次はゲーセンだろ?」


 …なんで?

 でも、そのチョイスは正直助かりました。

 ゲーセンなら下界から切り離された異空間ですし、店内も薄暗いから少しはカバーできるかも…♩

 一店舗目は予想外すぎたのに、二店舗目はいかにもラリスくんらしいのも安心できますし。


 …などと淡い期待を抱きつつも、わずか数分で辿り着いた駅前のゲーセンを見て…私は愕然とさせられました。

 え…いまどきのゲーセンて、こんななんですか?

 全然薄暗くないし、入り口付近からクレーンゲームやらプリクラやらが大量に配置されてて、かなり人の出入りも多いし…

 なんと言っても、ゲーセンなのに、肝心のゲーム機がまったく目に付きませんけど…?


「ゲーム機は二階にあんだよ。ホラ行くぜ?」


 何度か来たことがあるらしい経験者ヅラしたラリスくんが、私の手を引いて二階への階段を駆け上ります。

 一階のプリクラには全然キョーミ無さげなのは助かりました。

 こんなイカレた格好の証拠写真を残されて、あまつさえ巷に流出でもしようものなら、もう人生オシマイですから…。(←すでに街中から大量に隠し撮りされてる事実に気づいてない)


 …二階に上ると、昔の漫画によく出てきた、私の想像通りのゲーセンの光景が広がってました。

 アップライト筐体が所狭しと並んで、店内照明もほどほどに薄暗くて…これならやっと身体を縮こめずに歩き回れそうです♩

 そしてラリスくんが席に着いたのは、家でもよく遊んでる有名格闘ゲーム。これなら私も知ってます。


「ホレ、はやくそっち座れ」


 当前のように対戦席に座るよう促してきた彼の希望通り、私がそこに腰掛けると…狙いすましたように立ち見客が周囲に群がりました。

 まぁ、こんな破廉恥ギャルとゴスロリ美少女が対戦してたら、誰でも立ち止まっちゃいますよね…。


「ヘヘッ、お前ならポチ子と違ってチョロいからな♩」


 なるほど…ラリスくん以上にゲームオタクなミユちゃんに、日頃からケチョンケチョンに負かされてる憂さ晴らしを、私で済まそうって魂胆ですか。

 ウフフ…さっき言いましたよ、「これなら私も知ってる」って。

 …そして数分後。


「ま、まぢかよ…!?」


 どよめくギャラリーの歓声を背に受けて、ラリスくんが愕然とレバーを放り出します。

 悪いけど、私をナメきってる"にわかゲーマー"に手加減するつもりはありませんから♩

 少なくとも地球上では、彼よりも私のほうが引きこもり歴が長いですしね!…って、威張れたことじゃありませんけど。


「お、お前…こんなに強かったのか!? なんで今まで隠してたんだよ!?」


 隠してるつもりはなかったんですけど…いつも私のことを「鈍臭い」って小バカにしてるアナタが、ゲームに興味ない奴は相手にしないって勝手に思い込んでただけでしょう?


「ウッフフ…ちょこざいな中坊、いくらでも受けて立ちますよ♩」

「言いやがったなコンチキショーッ、もう一回勝負だッ!」


 湧き立つギャラリーの大歓声を受けて、再びモニター越しに向き合う私達。

 思えば、こうして彼と一緒に何かをすることなんて、今まで一度も無かったから…それだけでドキドキします。

 息子との初めての共同作業ですね♩


 …そして序盤はやっぱり私が優勢。

 というか、ラリスくんのプレイは直情的すぎるから、すぐに手の内が読めてしまいます。

 こっちのパンチが当たったら、ムキになってパンチばかりやり返してくるし、ガードなんて女々しいと思ってるのか、一切防御しませんし。

 そこをうまく利用して、画面端に追い詰めてハメ殺せば、必殺技に頼らずとも楽勝です♩


「ムッキィーッ!? なんでだぁ〜っ!?」


 地団駄踏んで悔しがるラリスくん。

 そんな彼を応援する側のギャラリーからは、


「キレるゴスロリかわゆす♩」

「でもキレてもカワイイから許す!」

「まぢキレてからがゴスロリの真骨頂!」

「キレたゴスロリ最強説♩」

「もっとキレて〜♩」


 ダメだこの人達、変態さんしかいません☆

 まぁ、誰もが女装ラリスくんを「本物のゴスロリ女子」と信じて疑いませんしね。

 だって、本当は"男の娘"だって知ってる私が見てもメチャメチャ可愛いし♩


 一方、私を応援する側のギャラリーからは、


「ハメ殺しエグぅっ!?」

「そして揺れ方はそれ以上にエグい♩」

「挟まれてハメ殺されたいほどエグい…」

「谷底が見通せないほどのエグさ♩」

「レバーに代わって圧死したいエグさ♩」


 …これって、ホントに応援されてるんでしょーか?

 エグいエグいって、いったい何が…?

 モニターに集中していた視線を引いて、改めて自分のプレイスタイルを確認してみて…


「!?」


 やっと皆さんが何に集中していたのかが判りました。

 店内が薄暗いから大丈夫だと思ってたのに…モニターが光源となって、その前に座る私の胸元を薄ぼんやりと照らし出し…

 巨乳が刻む深い谷間と、それを申し訳程度に覆う下着がモロ見えになっちゃってます!

 こんなにいるんだから、誰か一人くらいそれとなく警告してくれたっていいのに…ホントにもー、どいつもこいつも変態さんなんだからハァハァ♩(←ゲームで連勝中の興奮も相まってハイ状態)

 でも、それを意識した途端、思うようにプレイできなくなってしまって…


「をっ、なんか急に動きが鈍くなったじゃねーかオイ…ふへへっ♩」


 その隙を突いたラリスくんに、私の操作キャラは凌辱されまくりィーッ!?

 クッ小癪な…母親ナメんなロリガキぐわぁーっ!!


「ンなっ…んだとぉ!?」

「な、何だこの技…初めて見たぞ!?」

「真究極奥義技だ…ネットのプロゲーマーのプレイ動画で見た…!」

「つーと、あの入力コマンドがメチャムズなやつか!?」

「ああ。最低でも腕が三本は必要といわれる、人間業じゃないヤツだ…!」

「ソレをまさか、この目で直に見る日が来ようとは…!」

「ありがたや、ありがたや…っ!」


 ???…な、なんだかよく解らないけど…怒りに任せてメチャクチャ操作したはずみで、なんか出ちゃったみたいですね。

 でも…これはチャンスッ!

 皆がモニターに合掌して拝み倒している間に、こっそり座席から抜け出した私は…

 土壇場で勝負に負けたショックで、モニターに突っ伏して死んでいたラリスくんを強引に引っ張って、逃げるようにゲーセンを後にしました。

 まぁ、けっこー興味深いプレイスポットではあったので、そのうちまた行ってみたいですね…もっとちゃんとした服装のときに。





「で…最後はココ…ですか?」


 ラリスくんおすすめデートスポット、最終地は…無難に『カラオケボックス』でした。

 ココならこんな小っ恥ずかしい格好でも、人目をはばかって気兼ねなく過ごせるし、ちょっとしたお料理も注文できるからファミレス並みにお腹は膨らむし…親子水入らずですしね♩

 あと、恥辱に満ちたこのギャル服を脱いで、最初の服装に戻せるのも大きいですね。

 ラリスくんには…どーせもう散々裸を見られちゃってますし、それに尻込みした結果、不特定多数にこんな格好を見られ続けるほうが耐えられないんですよっ!


 そんな訳で、前回のように一番奥の部屋を選んだ私達は、とりあえずドリンクの注文だけすると、通された室内の長ソファにぐて〜っと寝転びました。

 おっかしーな…そんなにあちこちほっつき歩いた訳でもないのに、なんだかドッと疲れたんですけど…?


「でも…前に一度来たときアナタ、ココのことボロクソ言ってませんでした?」


 マコさんと初めて出会った時ですね。

 つい先日のことなのに、なんだかずいぶん懐かしい気もしますけど…。

 そこでラリスくんは言いましたよ、「なんでカネ払ってまで素人の下手くそな歌を聞かされにゃならんのか?」って。


「クックク…なにも歌いに来たなんて一言も言ってねーぜ?」


 急にふてぶてしくなった彼が、ソファの端に座った私に、ワニみたいににじり寄ってきました。

 あー…やっぱり。

 薄々予想はついてましたけど…要するに、今日は最初っから私にちょっかい掛ける気満々でデートなんかに誘ったんですね?

 急に服を買ってやるなんてオッサン臭いことを言い出したのも、私を自分色に染めてから手篭めにするつもりで…

 なんって悪い子なんでせうかっ!?


 それが解ってて、どうして誘いに乗ったのか…自分でもよく解りませんけど…でも、彼じゃなければ絶対応じなかったと思います。

 あの朴念仁のラリスくんが、私に興味を持ってくれたというだけでも、光栄だと思いますし。

 けれども…何度でも言いますけど、私達は親子で、私にはもう大切な旦那様がいるんです。

 それに…


「…そろそろ解ったんですか? どうしてアナタが、そんなに私に執着するのか…?」


 そう問いただすと、彼は私の身体に寄りかかったまま、カメレオンみたいに目玉をキョロキョロ彷徨わせて停止しました。

 やっぱり…彼にもまだ、いくらかの戸惑いはあるようですね。

 そして、この私も…彼にそんなことを答えさせて、何をどうしようというのでしょうか?

 私は彼に、何を期待しているのか…?

 私は…彼を、いったいどうしたいのか?


「…解んねぇよ。こんなコト…初めてだしよ」


 やがてラリスくんは、戸惑いながらも答えを紡ぎ出しました。


「今までに出会ってきたメスどもは、どうせ他人だからって…そのうち別れなきゃなんねーからって…なるべく距離を置いてきたんだよ。

 そうすりゃ相手も、それ以上は俺を気にかけなくなるしな」


 ミユちゃんにどれだけアタックされても、決して振り向こうとはしなかった、ラリスくん。

 それは、彼女の好意が理解できなかったこともあるんでしょうけど…

 それよりも、相手をこれ以上自分に関わらせたくなかったから…だったんですね。

 いずれ別れなければならないなら、最初から近づかない…それが彼の常套手段であり、相手を傷つけないための優しさでもあったんです。


「けど…この星の連中は、なんでかやたらしつこい奴ばかりでよ。

 ポチ子なんて、いくら突き放してもズイズイくっついて来るから…結局、あんなにチュッチュパやる恥ずい仲になっちまったし…」


 そう言って顔を赤らめるラリスくんを見て、私は悟りました。

 彼は決してミユちゃんがお気に召さない訳ではなく、しっかり女の子として意識して、妹のように可愛がってたんですね。

 …そう、あくまでも"妹分として"であって、本気にはなれない…なる訳にはいかなかったんです。

 何故なら…彼女よりも先に"女性として"、"家族として"意識したのが、私だったから。


「お前もお前だ。なんであれだけ危ない目に遭わされても、俺を見捨てようとしねーんだ!?

 俺はな、お前を守るためにココにいるんだぜ?

 なのに、お前が逆に矢面に立って、俺のために危険に身を晒してたら…何の意味もねぇだろがっ!?」


 …そこまで理解できてるなら、もう一押しじゃないですか。


「じゃあ、ラリスくんがどんなに危ない目に遭っても、私を守ろうとしてくれるのは…それが仕事だからですか?」


 この私の質問には、以前の彼ならためらいながらも「そうだ!」と答えたことでしょう。

 普段おちゃらけてはいても、根はマジメな子ですからね。

 けれども、今は…


「違うッ!!」


 …ほらね。今度こそ一縷の迷いも滲ませずに、キッパリ言い切りましたよ。


「だから俺は、お前を悲しませたり、辛い思いや痛い思いをさせたくなんかねーんだよっ!

 そーゆーのは…俺が見てられねぇんだッ!!」


 興奮して言い切った彼の顔に…私は自分の手のひらを押し当てて、火照りを冷まします。


「…解ってるじゃないですか?」

「…あ?」

「人を好きになるってことは…そういうコトなんです。」

「…………!!」


 私の言葉を反芻したラリスくんの顔が、ますます真っ赤に火照りました。

 その瞬間…ずっと孤独に過ごしてきた彼は、生まれて初めて、誰かのために…

 …いいえ。

 「誰かと共に生きること」を学んだのです。


「もちろん、私も同じですよ。

 だから…黙ってアナタに守られるつもりなんて、さらさら無いんです。」


 くすっとイタズラっぽく微笑む私を、真っ赤な彼は信じられないような顔で見つめて…

 すぐに、彼の頬に添えた私の手を繋ぎ止めました。

 せっかくのチャンスを逃してなるものかという、本能的な行動でしょうか。

 母親としては、ここでスッパリ振り切って、彼の気持ちを思いとどまらせるべきなのでしょうか。

 だけど…やっと芽生えた彼の新たな感情を不意にするのは、どうしてもはばかられて…。


「大丈夫…私は逃げませんから。」


 心細そうに震える彼の手に、私はさらに自分の手を添えて諭します。


「でも…アナタにはまだ、済ませておくべきコトがあるでしょう?」


 そう…宙ぶらりんになっている、ミユちゃんとの気持ちに…ちゃんと決着をつけること。

 そして…今はまだ、シドさんだけに向いている、この私の愛情を…彼に振り向かせること。


「それができるまで…ずっと、待っててあげますから。」


 それまでの、せめてもの約束の証しに…

 私はそっと彼の唇を奪いました。

 最初は驚いた様子だった彼も、積極的に唇を合わせてきて…。

 にわかにロマンチックな雰囲気が流れ出すなか…

 我ながら、トンデモナイ約束をしてしまったなぁと、私は内心、青ざめていました。

 だって今、彼に示した約束って…まんま、私がこなさなきゃいけないノルマでもあるんですよ?

 果たして、彼が見事にそれを達成できたとして…私が彼を受け入れられるのか、何の保証もありませんし。

 こんなの…詐欺も同然じゃないですか!?

 すると、ラリスくんは…


「…じゃあ、前払いだな」


 そう持ちかけながら、私の身体に触れてきました。

 その発想はなかった!

 たぶん私の心がいまだに揺れ動いているのを天性の勘で察知して、いまさら逃げられないように前振り攻勢に出ましたね?

 ラリスくんの賢さを侮っていた、私の落ち度です。

 しかも、いつものようにバカの一つ覚えでおっぱいモミモミし出すのかと身構えてたら…

 いきなり私のショートパンツの締まり切らないジッパー越しに、下着の中に手を入れてくるという、予想外な行動に…!


「…なんか、湿っぽいっつーか…ヌルヌルしてね?」

「ッ!? あ、汗ですよ汗っ、いっぱい走り回ったからっ!」


 くうっ、なんたる屈辱…!?

 然らば当然、


「お返しですっ!」


 私も同様に、彼のゴスロリスカート内に片手を侵入させて、男の子用下着を着用したままの下腹部へと突撃!


 むんず…っ。「っっ!?」


 直後、私の手にズシリとした手応えが。

 わ、忘れてましたけど…そのカワイイ見た目にそぐわず、ラリスくんのアレって…

 すんっっっごく、おっっっきいんですっ☆

 しかも今、私の手のなかにあるソレは、見る見る膨らんで…あっという間に、手のひらに収まりきらないほどに…!?


「ッキショーやりやがったな!?」


 自身の身体的変化を恥ずかしく感じたらしいラリスくんは、怒りに任せて私をソファに押し倒して、タンクトップとキャミソールをたくし上げて…!


 ガチャッ。「御注文のドリンクお持ちしまし…た?」


 丁度タイミング悪く、部屋のドアを開けてドリンクを運んできた店員さんが、私達の痴態を目の当たりにして凍り付きました。

 女性だったのが不幸中の幸いですけど、もうそんな場合じゃなかったですし!


 …結局、その後の私達は、運ばれてきたドリンクをろくに味わう余裕さえなく一気に飲み干すと、逃げるようにカラオケ店を後にしました。

 着替える暇もなかったから、ギャル服とゴスロリ男の娘のままですし。


「…ドリンクの注目入れたの、すっかり忘れてましたね」

「ったくよぉ…あんな邪魔さえ入らなきゃ…」

「…どうなってたんでしょうね、私達…?」

「ッ…!?」


 ラリスくんの顔が、再び一気に紅潮します。

 私への想いの『正体』を知ってしまった彼は、もう…何も言えません。

 それは私も同じで…あの時、店員さんが来なかったら…私は、どう応えていたんでしょうか…?


「…悪かったよ。もう、やらねぇ」


 あの、傍若無人なラリスくんが…初めて頭を下げました。


「…謝らなくていいですよ。けど、あーゆーコトは私以外にしちゃダメですよ?」


 私がやんわり答えると、


「あ、あぁ…。

 …って、どーゆー意味だソレ?」


 ゔ…やっぱり気づきましたか。

 私も言ってしまった後で、自分でもビックリしてますけど。

 でも…不思議とイヤじゃなかったんですよね、彼が相手なら。

 ラリスくんになら、シドさんには言いづらいことでも、割と素直に言えてしまいますし。

 思えば…私が結婚を決意したのも、ラリスくんの存在がきっかけでしたしね。


 …そっか。私は…最初から、彼が気になっていたんですね。


 本当にもう…自分でも何を考えているのか、全然解りません…けど、


「言ったでしょう?…私は逃げないって。」


 だから…はやく迎えに来て。





「デートの締めくくりが本屋たぁ、なんとも締まらねぇな…」

「しょうがないでしょ、それがそもそもの目的だったんですし」


 大学のゼミに必要な参考書の購入…あくまでもソレが今日、街まで来た最大理由でした。

 ラリスくんとのデートが案外楽しくて、危うくすっかり忘れそうになっていたのはナイショですけど♩

 とゆーわけで、私達が最後に訪れた場所は、やはり駅前に位置する書店。


 ざわ…っ!?

 前触れもなく入店してきた金髪ゴスロリ美少女と、黒髪似非ギャル美女というアンバランスにして場違い甚だしいコンビに、店内の空気が一気に変わりました。

 そして、その中に…


「…え? お姉さまに…ラリスくん…?」


 うげっ…なんでここにミユちゃんが!?

 これだけ見事に着飾った私達の正体を、一瞬で見抜いたのはさすがですけど。

 そのそばではマコさんが、あちゃ〜…という顔で頭をかかえています。

 今日のデートは、この二人にはあえて伝えてなかったんですけど…マコさんはもう、私とラリスくんのただならぬ関係に気づいてますしね。

 おおかた、ミユちゃんに誘われて、私達を探しに駅前まで来たんでしょうけど…これはちょっと、誤魔化しようもない気が…


「わっわっ!? ラリスくん、すんごく似合ってるっ♩」


 誤魔化せたーっ!?


「へへンッどーだ、カッコイイだろ?」

「うんっ、とってもカワイイ♩」

「あ? このハードな格好のどこにカワイイ要素があんだよ!?」


 思わぬ感想に憤慨するラリスくん。

 確かに、見ようによってはパンキッシュでサディスティックな、厨二病傾向の彼好みな服装ですけど。


「でもソレ、女の子の格好だよ?」

「な…んだ…と?」


 ミユちゃんに真実を告げられたラリスくんがフリーズしている間に、


「…何やってるんですか、お姉様?」


 私の背中を小突いたマコさんが、ヒソヒソ囁きかけながら、私のギャルファッションをマジマジと観察して、


「…本当に何やってるんですか。予想外に似合ってるのが、また癪ですけど…」


 どーもすみません。でも、ありがと♩


「そういうアナタ達こそ、ココで何を?」

「ミユちゃんにせっつかれて、二人を探しに来たんですよ。

 ラリスくんがお姉様に付き添って書店に行ったってことは、先生から聞いてましたから」


 本当にそれだけだと思って私達を送り出したシドさんを思うと、改めて心苦しくなりますけど…。


「だからミユちゃんがウチに遊びに来たとき、うまく誤魔化すつもりだったんですけど…

 お姉さんとラリスくんがセットでいないって判ったとたんに勘繰られちゃって…」


 ゔ…どんなにチビっこくても、げに恐ろしきは恋する乙女の鋭さですね。

 ラリスくんの態度が急によそよそしくなったことから、他のオンナの存在を疑りはじめたミユちゃんでしたが…


「でもでも、お姉さまと二人でコスプレ? ハロウィンでもないのに、親子コスでお得になるお店なんてあったかなぁ…?」


 現れた私達の格好があまりにもトンチキすぎたことに気をとられて、そこまで考えが回らないようです。

 出会ったばかりの頃には、私がラリスくんを魔乳で誘惑してると疑ってかかってたのに…惜しい!


「私も、まずは必要な参考書を手に入れてから、二人して遊び呆けてるものとばかり思い込んでて…

 この時間帯なら、もう書店にはいないだろうと安心して付き添ってたのに…

 本当にホントに何してくれちゃってるんですかっ!?」


 重ね重ねスミマセン段取り悪くて。

 でもタダの付き添いの人に、なんでそこまで非難されなきゃならないんでしょーかね…?

 などと、この世の理不尽さを身に沁みて痛感していた…まさにその時。


「…相変わらずモテモテだな、『ポの字』?」


 いつの間にか私達のそばに立っていた見知らぬ少女が、あからさまに小馬鹿にした態度でラリスくんに言い放ちました。

 その服装は、なんてゆーか…私たち同様、書店の雰囲気からは著しく浮いてます。

 けれどもソレは、私のギャル服や、ラリスくんのゴスロリ服と一見似通っているようで、全然違うジャンルで…。


 やたら多用された漆黒のレザー素材…

 あちこち無闇やたらと多いジッパー類…

 やたらモノに引っ掛けそうなチェーン装飾…

 警官に見つかったら職質必至な、やたらチクチク尖った攻撃的なトゲトゲリベット類…

 全体的な露出度は控えめなのに、おヘソや背中や太ももが部分的に剥き出しだったりと、防御力が高いのか低いのかビキニアーマー並みに不明で、やたら扇情的なフェチデザイン…

 そしてトドメの、まんまゴツイ大型犬の首環みたいで、やたら目を惹く首元の厳ついトゲトゲチョーカー…。

 そう、いわゆる『パンクファッション』というやつです。

 私達三人組の中で、誰が一番近寄り難いかと問われれば、間違いなく彼女でしょう。だって、みだりに触ると痛そうですし。


 そんな尖りまくった衣装を身に纏った彼女の"素体"は…え〜っと。

 なんてゆーか、スリムってゆーか…スリムすぎるってゆーか…表も裏もぺったんこで、どこにも物理的に刺さったり当たったりする要素が皆無な、なんともお寂しい有様。

 これならまだ、ミユちゃんのほうが抱き心地が良さそうですし、将来的な見込みも望めそうですけど…

 よくよく見れば美少女な彼女は、年齢的にはラリスくん達よりも少し歳上に見えて…ということは、身体的な伸びシロがもう絶望的で…。


 けれども、そんな服装や身体以上に目を惹くのが、その燃えるように真っ赤な瞳と…実際に燃えているようにユラユラ揺らめく灼熱のショートヘアー。

 単にコスプレみたいに赤いコンタクトレンズを入れたり、髪を赤く染めただけでは、ここまで見応えあるものにはならないでしょう。

 そして…そんなファンタジックな風貌の人間は、地球上には一人として存在するはずがありません。

 すなわち…彼女もまた『宇宙人』なんだって、一見して確信できました。


「ぅををを何それカッケーッ、どこに売ってんだッ!?」


 厨二病者の琴線にギュインギュイン響きまくりなディストーションサウンドが、こっちにまで聞こえてきそうな勢いで、さっそく飛びつくラリスくんに、


「フッフフそーだろそーだろ、我ながら自分の卓越したセンスが恐ろしいぜ…♩」


 その勘違いぶりが一際恐ろしい彼女に向かい、ラリスくんは一言。


「んで…アンタ、誰?」


 知らずに絡んどったんかい。


「なっ…て、てぇんめぇ…っ、このあたいを忘れちまったっつーのか『ポの字』ッ!?」


 ラリスくん以上の短気さで、目や髪のみならず顔まで真っ赤に怒らせる少女に、


「だから誰が『ポの字』だってんだよコンニャロ…っていや、待てよ?

 この俺をそう呼ぶ命知らずなんて、広い宇宙にたった一人しかいやしねーな…」


 『ポラリス』という本名の間抜けっぽい響きが死ぬほど嫌いという難儀なラリスくんに対し、それをことさら強調して『ポの字』呼ばわりするという、勇者にもほどがある彼女の正体に、彼もやっと気づいたようです。


「…『フレイア』…なのか、お前?」


 彼にそう呼ばれた彼女の顔から、怒りの色がたちどころに消し飛び、代わりに満面の笑みが一気に込み上げてきます。


「ハハッ、やっと思い出しやがったか!?

 そーだよ、アンタの永遠の相棒の『フレイア』様だよッ!!」


 ますます盛んに燃え上がる彼女の髪色に、ピクリと反応したミユちゃんは、


「永遠の…相棒〜?」


 眉間に深い縦ジワを刻んで、さっそく怪訝な呟きを洩らしています。

 さては…ラリスくん?

 この私に見合う男になるべく、周辺の男女関係を整理する以前に…

 もっと先に始末しておくべき『不適切な関係』が明るみにひり出ちゃったみたいですねぇ〜ン!?





「つーか、お前…女だったのか?」


 あ゛っ…い、いきなり禁止ワードを口にしちゃいましたよ!?

 ラリスくん、デリカシーゼロ攻撃!


「んなっ…どっから見てもカンペキに女だろ!? てゆーか一人称だって最初から『あたい』だしっ!」

「ん〜、そう言われてもなぁ…お前、昔はもっとガキっぽくて、見分けがつかなかったし…」


 憤慨するフレイアさんに詰め寄られ、困った視線を私に向ける、現在進行形で悪ガキなラリスくん。

 女の子の成長は、男の子以上に劇的ですし…それに輪をかけて、異性にはまるで無関心だった当時の彼が見抜けなかったとしても、無理はない気が…。

 それはともかく、昔の知り合い同士のケンカに、無関係な私まで巻き込むのはやめてくださいよ!?


「…ほぉ〜? 相変わらずよりどりみどりだなぁこの野郎…!」


 ほら〜彼女の怒りの矛先が私達に向いちゃったじゃないですかぁ!


「んで…どれが今のカノジョなんだ、あ゛?」


 もともと真っ赤に熱血してて凄まじい眼力なのに、さらに凄みをきかせた怒りの眼差しで私達を見回すフレイアさん。


「…………」


 あっ、マコさんが無言でそそくさと後ずさりましたよ、ズッコい!?

 ラリスくんみたいなお子様には全然キョーミないって、いつも口癖のように言ってますけど…どうやら本気だったようですね。


「ハイハーイッ、あたしでぇーっす☆」


 うわわっおバカ!? 明らかに何も考えてない能天気なミユちゃんが、脊髄反射で手を挙げちゃいましたよ!?


「へぇ、ちんまいのになかなかの度胸じゃねーか?

 …じゃあ、死ね♩」


 えっなにこの子、初対面の人にも問答無用で死刑宣告とか怖っ!?

 そんなこじらせヤンキー…いえフレイアさんが右手を掲げて、拳銃ごっこをする子供のように指を折り曲げると…

 人差し指の先端が、一瞬でハンダゴテみたいに加熱しました!


「…ほへ?」


 自分の発言がどーゆー事態を招いたのか、いまだに理解できていないミユちゃんに、フレイアさんは薄ら笑いを浮かべながらハンダゴテ拳銃を突きつけて…!

 ジュワァ〜〜ッ!…人肉の焼ける香ばしい匂いが、辺り一面に立ち込めて…!


「何やってんだバカ野郎…っ!」


 そんな彼女を思いとどまらせたのは、自分の利き手を犠牲にしてハンダゴテ指を捻り潰した、ラリスくんでした。


「俺たち保護管理官ガーディアンの仕事でいちばん大切なのは、あらゆる生命体を命の危機から守ることだろうが!

 それを逆に奪いに行ってどーすんだよ!?」

「ゔ…ごめん、ポラリス…先輩」


 さっきまでの威勢の良さと『ポの字』なる呼称はどこへやら、注意されたフレイアさんは、イタズラを咎められた子供のようにショゲ返ります。

 ラリスくんの回復力の早さは、私も身をもって実感したので、火傷についてはさほど心配してませんけど…それでも、熱くて痛いのは人並みなんですよね。

 その彼が、突然マトモなツッコミを入れたのにも困惑しましたけど…なーるほど。

 これで、あちらの人間関係が把握できましたよ。


 要するにこの二人、保護管理官ガーディアンの先輩後輩の間柄なんですね?

 あのラリスくんに後輩(しかも歳上の?)がいたというだけでも驚きですけど…。

 そして、その後輩の傍若無人な振る舞いなどまるで気にしていない、彼の器の大きさにも改めて感心させられますけど。


「てかお前、こんなトコで何やってんだよ? お前の担当宙域は隣のエリアのはずだろ?」

「あ、それは…」


 フレイアさんが言い訳するよりも早く、ラリスくんは腕組みをして何やら考え込んで…。

 その理由は、少し前までの彼なら、まず理解不能だったに違いないでしょうけど…

 …今は違います。


「…あぁ。お前、俺を追っかけてきたのか?

 そんなに好きだったのか、俺のことが♩」


 理解力が増したのは良いことですけど…それをところ構わず公言するのは、マヂなんとかしてほしいところですけどっ!?


「なっ…んなっ!?」


 見事に図星を指されたフレイアさん…て、初っ端から誰がどー見てもバレバレでしたけど…はますます顔を火照らせて…

 というか、烈火のごとく全身灼熱させて、


「ちっ違ぇよォーーーーッ!?」


 吠えたと同時に、その身体がまばゆい閃光に包まれて…ってコレ、ラリスくんが擬態を解いて巨人化するときと同じ…!?


 ちゅどおーーーーんっっ!!

『うわぁ〜〜〜〜っ!?』


 一瞬で屋根が粉々に吹き飛んだ店舗内を、悲鳴をあげて逃げ惑うお客さん達。

 爆心地付近にいた私達は、意外にも無傷でしたけど…。

 その元凶である閃光が晴れた後に、現われたのは…

 見上げるほど巨大な『遮光器土偶』…!?


 歴史の教科書とかには必ず写真が掲載されているため、知らない人はいないと思われますけど…

 その奇特な外見から「古代日本に現れた宇宙人」とも噂される、宇宙服みたいなモノを着込んで、中央にスリットが入ったサングラスみたいに巨大な瞳を持った、例のアレですね。

 どこから見てもソレに瓜二つな姿の、見ようによってはロボットみたいな物体が、全身から炎や蒸気を噴き上げて、悠然と立ちはだかっています。

 その周囲に散乱した書籍類が、高熱を発する土偶に蒸し焼かれて自然発火していきます。

 熱すぎてとても近寄れないので、私達もじりじり後退しますが…


「やっべー…怒らせちまったか?

 ん〜、いったい何が悪かったんだ?」


 瓦礫の雨や火の粉が降り注ぐ中、やっちまったなー的に頭をポリポリ掻くラリスくんですけど…一切合財、余すことなくアンタのせいですからっ!


「こーなったらしょーがねぇ。一発ボコって黙らせてくるわ」


 ちょっとコンビニ行ってくる、的な軽い合図とともに、ラリスくんの身体も前触れもなく閃光に包まれて…

 一瞬の後には、土偶をも上回る大きさの巨人がそこに起立していました。

 いかにも縄文的で華美な装飾の土偶とは違い、何の飾りっ気もないシンプルそのものな…まるでハニワみたいに巨大な人型。

 古代日本を象徴する形状の二大巨人が、高層ビル群を背景に街中で睨み合うという、円谷作品さながらのエキセントリックな光景…。

 その様子を、ただただ呆然と見守るしかなかった私達の背後に…


「いやはや…これはまた派手に散らかしてくれたねぇ」


 いつの間にか立っていたシドさんが、呆れたように呟きました。


「シドさん…大学の会合は?」

「会議室の窓から見える街の風景に、突然こんな巨人が出現した状況で、そんなモン続けられると思うかい?」


 ですよねー。

 そしていつものように、愛車をかっ飛ばして現場に駆けつけた次第ですか。

 毎度ご迷惑をお掛けしてスンマソン。


「けど、今はそんなことよりも…

 ミサさん。その格好は?」


 ぅあ。

 ギャル服のままなの、忘れてましたァーッ!?




【第十話END】

 今回は美沙兎みさととポラリスの親子デート回ですね。

 以前、シドゥスとの街ブラデートがあったので、それとの差別化を図るべく、二人の服装からして違わせまして。

 日頃はまず絶対着ないであろう『ギャル服』アーンド『ゴスロリ』での執着プレイを敢行致しました(笑)。

 実は、このお話を書く少し前に、興味本位で各キャラをAIでイメージ化してみまして。

 そのときに描かれた美沙兎が、作者の想定を遥かに超えた現代的で幼い顔立ちだったことと(もっとかぐや姫的なのを想像してた)…

 ポラリスは思いのほか中性的…というか一見女の子にしか思えない印象だったことから、ならこんなのもイケんじゃね?と遊んでみました。


 小説の登場人物をイラスト化するのは、イメージが固定されて危険という意見もありますし、作家さんによっては自著に人物画を一切掲載させない人もいるようですけど、自分はこだわりません。

 むしろ逆に、こうした新たな発見もあるので、最新技術は積極的に使っていく方針で。

 機会があれば、他のキャラでも試してみたいですね。


 そんなこんなでストーリーのお話。

 デートとはいえ、いわゆるフツーの遊園地だとか水族館だとかの定番スポットは、なーんかこの二人のイメージとは違うので、最初から街の外には出さないつもりでした。

 代わりに考えたのが、いかにも行きそうなゲーセンとカラオケ。インドア派ですねぇ(笑)。

 内、カラオケは数話前にも出したからイメージしやすいでしょうし、密閉空間なだけにサービスシーンも盛り込みやすかったので採用。

 そんなご褒美イベントでもなけりゃ、ポラリスが愛だの恋だのを理解することは、まず無さそうだったもので。

 これでラブラブシーンの幅もさらに広がりそうですね(笑)。


 そして終盤では、またも新キャラ『フレイア』登場!

 彼女は恋愛要員というよりは、今後のストーリー展開上の必要に迫られて突発的に出しました。

 前回で壊滅した新興宗教団体『真世界統合協会』のバックに蠢く連中は、いったい何を企んでいるのか?

 それを説明するためには、やはり宇宙的な視点が必要になりますからね。


 ちなみに本作品は、あくまでもヒロイン美沙兎の一人称視点にこだわっとりまして…

 この手法の最大欠点として、主人公の見知らぬ場面は一切描けないという、まあ至極当然な問題が出てきます。

 それを補うため、途中からイキナリ第三者からの別視点になる…などという手法もありますが、本作品では今のところまだ一度も用いていません。

 それをやられると、個人的には興醒めなもので…。


 初っ端からソレが多用される作品であれば、そーゆーものかと諦めもつきますし、作者も過去作で一度試してみましたが…

 視点が増えるにつれて、作品全体の印象もどうしても散漫になりがちでダメでしたね。

 それなら最初から三人称視点…いわゆる一般的な「神の視点」で書くべきだと思いますけど…そうすると今度は感情移入度が低下してしまいますし…なかなか難しいものです。

 これが漫画なら、一人称から三人称まで場面によって自在に変化させられるのに。


 なので対抗策として考えたのが、その場面を知る者をヒロインに引き合わせること。

 要はサスペンスドラマのラストの断崖絶壁シーンのように、主人公の刑事や探偵が知らない裏事情を、真犯人の口からベラベラくっちゃべってもらう訳です。

 これで事実上、どんな突拍子もない話でも自然にブチ込めますからね。


 はてさて、燃えるイイ女(笑)フレイアは何のために突然地球を訪れたのか?

 もちろん、ただ単にポラリスに会いに来ただけではありませんよ。

 今後はますますワールドワイドなお話になっていきますが…

 それでも本作品の基軸は、あくまでも『人妻』であり『ラブコメ』ですので、その醍醐味を忘れないよう、今後も頑張っていきます。

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