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落ち着いてください、これはあなたたちの宴です

その冬は、作物が実らなかった。


村には、飢えが、忍び寄っていた。


ザリーンは、館の門を、大きく開け放った。


「腹を空かせた者は、来い。食わせてやる」


長いテーブルに、山のような料理が並ぶ。


温かいスープ。焼きたてのパン。肉と、野菜。


飢えた村人たちは、おそるおそる、館に入った。


そして、貪るように、食べた。


ザリーンは、上座から、それを、静かに眺めていた。


満足げに、微笑みながら。


「ウフフフ……。よく、食べる」


その言葉が、いけなかった。


食事を終えた村人たちの間に、ひとつの噂が、広がった。


「……なぜ、こんなに、食わせる?」


「決まっている。太らせて……何かに、使う気だ」


「儀式の、生贄か……!? それとも、人体、実験……!?」


温かい晩餐は、恐怖の宴に、変わっていた。


厨房の隅で、それを聞いていたローズリンドは、思わず、声を荒げそうになった。


(違う……! この人は、ただ……!)


だが、言えなかった。


言えば、正体が、ばれてしまう。


彼女は、拳を握り、俯いた。


その夜、彼女は、初めて、報告書の筆が、進まなかった。


「罪状:なし」


その一行が、どうしても、書けなかったのだ。


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