第40話 鬼嫁の指輪
「待たせたね、鬼にまつわる品々さ」
商品の内容を説明してくれた。いくつか商品を紹介されたうち、ルーが反応を示したのは鬼嫁の指輪と、鬼の籠手、そして鬼神斬首という首飾りだ。どれも禍々しさを感じる。
鬼嫁の指輪は守護の加護が付与されているようで、店主さんによればこれも強大な魔力が込められて製作された品だという。鬼の籠手は、周囲の魔力を持ち主へ集める効果を持つが持ち主の魔力量の器が少ない場合には装着した時点で即死してしまうようだ。
最後に鬼神斬首という首飾りは、かつての鬼神が製作したのでないかと言われている古代の品だと言う。価格も特級だ。一つが金貨百枚する。これって本物だよな。怪しい商売とかじゃないよな。俺はルーの保護者として商品い疑いの目を向けるが、その凄さは良くわからない。
「これ全部ください」
ルーがとんでもないことを言った。
「え? これ全部ってルー本当に良いのか?」
「うん、これ本物だよ。間違い無い」
「嬢ちゃん、本当に良いのかい? それに全部合わせると金貨四百枚になるけど、そもそも払えるのかい?」
「お金は問題無い。この魔法の価値に比べたら安い買い物」
「嬢ちゃん凄いね。でも、どれも普通は販売していない品だ。高価って言うのもあるが、そのお守りを見てこれらの品を用意したが、この商品たちを選んだ理由はなんだい」
「簡単だよ。私はこの商品が持つ力を知っているから」
「なるほど。鬼族ならではの勘か。鬼族は伝承クラスの存在だ。しかも、嬢ちゃんは高位、その品々は扱えそうかい?」
「問題無い」
「わかった。それじゃ商談成立だ」
ルーはギルドカードで支払いを済ませた。早速装備するとのことで、左手に指輪をはめて、両手に籠手とネックレスを掛け装備を完了した。
「どうだ? ルー」
「うん、絶好調」
「凄いね、嬢ちゃん。全部装着しても平気なんて」
店主さんが驚いた表情をしていた。
「私にとってはこれくらい平気だよ。ありがとうございました」
「お邪魔しましたー」
「またおいで」
セシル魔法店の外へ出た。
「なぁ、ルー。その籠手って周囲の魔力を集めるって言うけれどもう集めているのか?」
「この装備も全部生きている。しかも、意思を持っているんだ」
「装備が意思を持っているって危険じゃないのか?!」
「大丈夫。私の力でねじ伏せたから平気だよ。もう自由にコントロールが出来る。これで、エニのような存在が出現しても周囲へ魔力被害は限りなく低くなる筈。これは実験するしかない」
「ルー、そこまで考えていたのか」
「うん、お兄ちゃんや白錦兄さんばかりに負担を掛けさせる訳にはいかないしね。それに、エニも加入したし似たような状況はまた起きると思うから、魔法店に寄ったんだよ」
「そうだったのか、俺はてっきり魔法使いになりたいのかと思ったよ」
「お兄ちゃん、面白いこと言うね。私は魔法なら訓練したら使えると思うけど、今は必要な無いと思っているの」
「そうか。まぁ、俺や白錦も含めて状況を見ながら魔法について知るだけでも情報を集めて見るか」
「そうだね。エニが仲間になった以上、魔法戦においては不利になることはない筈」
「確かに」
ルーは俺が思っている以上に真剣に仲間のことを考えてくれているんだなと感動した。それにしても、魔法の装備が意思を持っているとか凄いなと思う。それを力で屈服させたというルーも凄い。これからの戦闘で活かされるのかも知れないなと俺は心から思った。
ルーは商店街へはもう大丈夫ということなので、ホテルへ戻ることにした。フロントで追加一名分の料金を二週間分払ってから、部屋へ行き、飲み物を飲みながら二人でゆっくりした。ルーと談笑をしていると、白錦とエニが部屋へ戻って来た。
「二人ともお疲れさま。事情聴取どうだった?」
「主君よ、しっかりと対応してきたである。エニについても我らの仲間であることを改めて兵士たちへ話をし理解していただいた」
「余も人族とこんなに長く話すのはちと疲れたわ」
「あはは、改めて二人ともお疲れさま。今日はゆっくりしようか」
「かたじけない」
「主よ、ありがとうございます」
白錦は装備を外してゆっくりとしていた。エニはベッドの上でくるまっている。ルーは俺の横で今日購入した商品を手入れをしていた。
「お嬢、その装備は購入されたのか」
「うん、今後の活動で必要だと思って」
「その籠手は業物であるな。鬼の籠手か?」
「そうだよ、これで周囲の魔力を吸収することができるの」
「して、具合はいかがか」
「大丈夫。もうこの装備は従えているから」
「うむ。それなら安心であるな。さすがはお嬢である」
「ルーよ、その指輪はなんだ?」
エニがベッドから起き上がりルーへ近寄った。
「これは鬼嫁の指輪だよ」




