↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カタストロフ・ファンファーレ  作者: 竜蔵寺 佑


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/52

第22話 観察

「お嬢も立派な淑女足るもの、武芸は磨いておいて損はしないぞ」


「私も立派な淑女になるよ」


「うむうむ、それがよろしい。我が教えられることは何でも教えるからな」


 二人とも随分仲良くなったなと水を飲みながら見た。この山籠もりで魔獣が単体だろうが、複数体いようが、俺一人で瞬殺出来る程までは強くなった。素材集めやら解体やら、終わった後で白錦と訓練をし、時には白錦とルーを相手に一人で訓練する時もあり、ルーに対しても二対一で訓練することも沢山した。山の生活にも慣れて温く感じた。


「白錦、そろそろ人の街へ行こうと思うがどう思う?」


「もうこの山では訓練には不要かと、お嬢も随分強くなりました。我も主君とお嬢との訓練を通して更に強くなったと身を持って感じております」


「私もお兄ちゃんや白錦兄さんも強くなったと思うよ。この短刀にも充分に扱いに慣れたし」


「俺もこの刀はとても手と体に馴染んでいるな」


「うむ、やはりこの山では訓練は最早不要であるな。では、主君、お嬢、街へ行きましょうぞ」


『おう!』


 ルーと一緒に返事して俺たちは山を本格的に超え始めた。魔獣の主も倒してしまったし、白錦の指示で素材の仕分けも丁寧に出来た。毛皮とか内臓も売ることが出来る筈だとのこと。それに、魔獣には魂が結晶化した石も全て採集した。これらも部位によっては武器や道具に活かせるとのことだ。白錦先生様様である。


 先生というか、引率する年上の兄さんという印象だ。少なくとも俺とルーは白錦を尊敬している。知識が圧倒的に足りない世界で、情報が古いとは言え、その知識は俺たちにとっては宝の山であり、山暮らしの方法も魔獣の仕留め方も実戦形式の訓練も充分に的確で俺たちは全員強くなったと自負している。


「お兄ちゃん、あそこに道があるよ」


「お、あれは山道か? 道があるということは何かが行き交っているということだな」


「うむ、方角は間違い無い。この山道を道なりに行きましょう」


 俺たちは最後の山を山道を通って向かうことにした。


「この山道には最近、何者か出入りした痕跡があるな」


「白錦、痕跡ってこの足跡のこと?」


「うむ、靴を履いているところを見るに人またはそれなりの文明がある証拠」


「私たちみたいな」


「お嬢、そうです。我々も履き物を履いている故、この痕跡は他の誰かが調べようとしたら簡単に発見されることでしょう」


「白錦、俺たちに危険はあると思うか?」


「いいや、皆無である。少しも心配せずとも良いであろう。この通りには履き物を履いた者しか出入りしておらん。これが、素足などであれば、警戒される可能性はあるだろうが」


「そうか、それなら安心したよ。それにしてもこの山道かなり整備されているね」


 道幅が広いということや、地面は土だが岩などが除かれている。歩いていると木を伐採した跡もあった。誰かが手入れしていることは確実だ。山道とはいえ魔獣が襲って来る可能性はゼロではない。警戒しながら道を進んで行く。


「何か聞こえないか?」


「うん、何か聞こえるね。遠くだ」


「これは血の匂い」


 直後、悲鳴が聞こえた。


「何者が襲われている。確認しに行こう」


 白錦とルーが頷くと急いで現場へ向かった。山道を走り、可能な限り気配を消した。これも白錦から教わった隠遁術というものの一種で、足音と気配を消すことが可能とのこと。


 ルーも習得済みだ。山道から離れ、山の中へ迂回した。山道は見晴らしが良すぎるからだ。確認しようにも敵に目視で先に気付かれてしまう可能性はゼロではないので、罠の有無も含めて三人で確認することにした。間もなくして、現場へ到着し、状況を三人で観察を始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。