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怪異狩りの男  作者: 結城 からく


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第2話

●夕暮れの廃神社


落見がマシンガンを発砲する。

烏天狗、防御が間に合わず蜂の巣になる。

顔面が抉れて翼がぼろぼろになり、片膝を立てて体勢を崩す。

烏天狗、苦痛に怒りながら再生すると、治りかけの翼で飛び立つ。


落見、スポーツバッグから矢を番えたクロスボウを取り出す。

落見、片手でクロスボウを構えて発射する。


落見「逃がさん」


矢が烏天狗の胸部に命中する。

烏天狗、ぐらりとバランスを崩して墜落する。

狛犬の石像に激突して倒れる。

翼が痙攣して飛行できない。


落見、クロスボウに矢を装填しながら烏天狗に告げる。


落見「矢に筋肉弛緩剤を塗っておいた。大胸筋は鳥類にとって飛翔の要だ。しばらくは飛べまい」


烏天狗、咳き込んで吐血する。

苦しそうに呼吸し、掠れた声を発する。


落見「肺と気嚢も潰れただろう。矢を引き抜くまで苦痛は続くぞ」


烏天狗、矢を掴もうとする。

落見、冷酷にクロスボウを構える。


落見「もちろん引き抜く間は与えない」


落見、クロスボウを発射する。

烏天狗、回避しながら落見に突進すると、両手の爪で切りかかる。

落見、複数のカラーボールを投げながら飛び退く。

烏天狗、カラーボールをまとめて切り裂く。

破裂して塗料が翼に付着する。

落見、クロスボウを捨てながら述べる。


落見「油性の塗料だ。重くなった翼は枷になる。再生能力も関係ない」


烏天狗、神通力を放つ。

胸部に神通力を受けた落見、軽くのけ反る。

所持していたマシンガンが破損する。


落見、上着の前面を開く。

表面が破れたボディアーマーが現れる。

落見、血を吐き捨てて烏天狗を睨む。


落見「神通力か。それがどうした」


落見、スポーツバッグに手を突っ込む。

その瞬間、銃声と共にバッグが破れて散弾が放たれる。

烏天狗、腹に散弾を受けて吹き飛ぶ。

落見、破れたバッグからポンプ式ショットガンを取り出す。

落見、ショットガンの持ち手をスライドして排莢を済ませる。


落見「お前に恨みはないが命を貰うぞ」


烏天狗、起き上がる。

散弾を受けた腹が再生し、叫びながら落見に跳びかかる。


腰を抜かした神崎、両者の戦いを見守る。


神崎M「一体何なの……」

神崎M「滅茶苦茶だ。セオリーを完全に無視している」


落見、ショットガンで烏天狗の片腕を吹き飛ばす。

吠える烏天狗、顔面を散弾で粉砕される。

悔しそうな神崎、護符を握り締める。


神崎M「私は教わった通りに戦っていたのに」

神崎M「何よりおかしなことがある」


神崎、落見に注目する。

神通力の直撃でよろめく落見、ショットガンを手放す。


神崎M「おじさんから霊力を一切感じない。ただの一般人なんだ」


落見、ナイフで烏天狗の喉を切り裂く。

その姿に戦慄する神崎。


神崎M「特別じゃないのに戦っているんだ……」


落見と烏天狗、戦い続ける。


神崎M"普通"にこだわる私にとって、あまりにも異質で鮮烈だった」


●夜の廃神社


上着がボロボロの落見、鉈で烏天狗を斬首する。

首の断面から血が溢れ出す。

落見、懐から取り出した空の小瓶を死体に近付ける。

烏天狗の死体、風化して小瓶の中に流れ込む。

小瓶、ドロドロした黒い液体で満たされる。

落見、小瓶を持って神崎に歩み寄る。


落見「退魔師か。それとも陰陽師か霊媒師あたりか」

神崎「陰陽師です……助けてくれてありがとうございます」

落見「偶然だ。俺も烏天狗を狙っていた」


神崎、小瓶を指差して問う。


神崎「あの、それって……」

落見「妻の薬にするだけだ」

神崎「なるほど……?」


釈然としない様子の神崎。


神崎「あの、おじさんの名前は……」

落見「落見だ」

神崎「私は神崎理央です。よろしくお願いします」


神崎、握手を求める。

落見、スルーして立ち去ろうとする。


落見「そうか」

神崎「ちょ、ちょっと待って!」


神崎、慌てて落見を追いかける。

落見、迷惑そうに振り返る。


落見「ついてくるな」

神崎「あの、助けてくれたお礼をしたくて……」

落見「不要だ」

神崎「……」


神崎、悲しそうな顔になる。

落見、顰め面で考え込んだ後、ため息を吐く。


落見「……勝手にしろ」

神崎「ありがとうございますっ!」


並んで境内を出る二人。


神崎M「普通になりたい私と普通を逸脱したい男」

神崎M「これが落見さんとの出会いだった」

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