19
「ニコルちょっと来て」
「?なんでしょう。至急の案件ですか?」
ニコルを連れ個室へと移動する。少し重々しい空気に何だと言う雰囲気が流れる。
「ありがとう!ニコルのおかげで何とか繋ぎ止めれたよ!」
「…は?」
「ニコルに言われた事を反省して、昨日帰りに話をしに行ったんだよ。そしたらたまのお出かけならって了承してくれ、また次出かける約束を取り付ける事ができた!あのままだったらもう会えず終わって死ぬとこだった。」
「それは良かったですね。そんなすぐ行動されるとは思いもしなかったですが、それほど大切にされてるのですね。意外な一面です。」
自分でも恋をするとこんなになるとは思ってもみなかった。必死で追いかけミアに愛を返して欲しくて、恋い焦がれるなんて初めての体験でわからない。
では今日も仕事を精一杯頑張ってくださいね。休み確保出来なくなりますよって発破をかけられ仕事に取り掛かる。
ーーーーー
「アメリアちゃーん。今日でココの研修が終わりだなんて寂しすぎる。もう何年も居たように感じていたのに…。」
先輩方が次々と挨拶をしてくれる。皆とても良い人たちばかりだった。特に同じ班にすぐ辞めた子がいたから、寂しくないようにと大事にしてくれたのだと思う。私経理課に来れて良かったな。
新人は1度集まって話があるそうなので、時間になったら行ってくださいね。と室長のルイス様に言われ返事をする。トラブルを起こすことなく終われそうで良かった。隣室のレベッカ様とは勤務後毎日会っていて報告しあっているが他の人達はどうだったんだろう。同期の集まりとかあれば楽しそうだなー。
時間になり集合場所に向かうと、とてつもなくざわついている。え?何があったのだろう。近くにレベッカ様を見つけ声をかけてみる。
「師団長が来ているらしいの。奥の方にいるみたいなのだけれども、毎日任命式までは新人前には現れないみたいで先輩方も慌てているみたい。」
「…師団長が?通常は現れないのに来ていると。」
…ルイ様?何故いつもなさらないことをするのですか。塔内での接触は控えるって昨日言っていたのに…いや、違う。無意識にルイ様が私に会うために来たのだと決めつけていた。婚約は断るくせにずっとルイ様は私の事を好きなのだと思っているなんて傲慢だ。何か大切な用事があるかも知れないのにと自分自身を恥じ心から反省をした。
アメリア様行きましょうとレベッカ様に誘われ整列しに行く。本当にルイ様がいて周りの先輩方が気を使っている。公式な師団服を着ているルイ様を近くで見るのは初めてで驚く程黒髪に黒地の制服が似合っていて格好良い。普段の姿も素敵だけどキリッとした佇まいが唯一無二な雰囲気が出ている。普段の可愛らしさとのギャップが凄い。
ふと目が合った瞬間いつも通り甘く微笑まれた。極上の微笑みに周りの令嬢達に被弾し数人が気を失いかけている。私?私に?と令嬢達が真っ赤になりざわつき男性達も頬を染めるくらい破壊的だ。衝撃だったのは新人内だけでなく、先輩方も珍しい物を見たと放心している。嬉しそうなルイ様を見るとやはり会いに来ただけではと疑ってしまい先程の反省は速攻取り消した。




