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「お願いだから」
私は昨日求婚を断った相手に、何故頭を下げられているのだろう。正直もう口も聞いてくれないのかと思っていた。公爵であるルイ様の求婚を断るなどありえないからだ。
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私は昨日求婚を断った。師団内では天上人であるルイ様がまさかのプロポーズをしてくれ嬉しかったが一方ではありえないと思った。政略結婚が当たり前の貴族で好意的な人と結ばれるのは幸せな話なのだが…私が相手など認められるわけがないのよ。
今日も塔内は師団長の婚約話で持ちきりで、相手がどこの姫様だ貴人だと話に花が咲いていた。やっぱりそういう人じゃないとダメなのよと思いが募り、適当に話を合わせながら1日を過ごした。経理課の研修もあと数日に迫り新しい部署に想いを馳せる。私は仕事に生きるんだから!と気合を入れた。
しかし勤務が終わり帰ろうと1人廊下を歩いていると、前からルイ様が歩いてきて周りを確認したあと近くの部屋へと促された。無理矢理引き込まれないのは初めてで驚く。引き込まれないのが当たり前なのに麻痺してる事に笑ってしまう。
「昨日はごめん。もう求婚とかしないから…休みの日とかに出かけたり、今までみたいに仲良くして欲しい。塔内では接触を控えるのでお願いします。」
本当に頼むと頭を下げられる。んーーーどうなのだろうか。本音で言えばもう会えないのは寂しいと思っていた。私が断ったのだから会いたいなど我儘はダメだと思ってもいた。
「接触もしたくない2度とプライベートの関わりは嫌だと言うならさすがに諦めるよ。」
「そんな事はないです…たまに外で会うくらいなら…」
パァァァと顔が明るくなり抱きしめられる。あ、コレがダメなんだよね。ゴメンってすぐに離れ謝るルイ様はとても可愛い。
「ありがとう!では次の休み遠出に行こう?誰にも会わないしミアも気にならないでしょ?待ち合わせも少し離れた所でする。」
「いいですよ。楽しみにしてます。」
「嬉しい。私も楽しみに仕事を頑張るよ。新人さん達はもうすぐ配置転換だよね?次の研修も頑張ってね。」
にっこり微笑んで私の頭を撫でている。撫でるくらいならいいか。はい!頑張ります!ルイ様も頑張ってください!と微笑み合い、では帰りますと部屋を出る。紳士として1人で帰らせるなんてと打ちひしがれていたが丁重にお断りした。私は足取り軽くお出かけ楽しみだな。お弁当とか作ろうかな?と考えながら寮へと帰っていった。




