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おはようございます!と経理課に入り、席に着く。経理課に慣れてきたがもう少しで次の研修先へ移動かと思うと少し寂しい。
「師団長が週末デートしてたらしい。」
出勤してきたアン先輩がこそっと話しかけてきた。動揺を隠しながらどういう事かを聞いてみる。
「デートですか?」
「相手が誰かわからないけど、女連れで喫茶店に現れてしばらく居たって噂よ。しかも公爵家の馬車で一緒に帰ったらしい。」
「…ご家族とかでは?」
「師団長は男兄弟だから姉妹はいないはずなのよ。ご両親は今領地にいるみたいだし。令嬢を誰一人寄せ付けなかった高嶺の花がついに!て塔内もちきりよー。」
マズイ。私だとバレてはいけない。ちょっと出かけただけでこんな噂が広まるとは思ってもみなかった。家に来たなんてバレた日には…私は思わず震える。
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はぁーマズイマズイ。塔内噂が蔓延していた。まさかそこまでスピードが早いとは思っていなかった。…寂しいが距離を置こう。下っ端と師団長様では雲泥の差がある。働きだしたところなので令嬢達に巻き込まれないのが1番だ。
ミアって声が聞こえた瞬間またグイッと部屋の中に引き込まれ、気づくと温かい腕の中にいた。
「伯爵家ではゆっくりできた?」
「はい。送って頂き早めに着けてゆっくり出来ました。ありがとうございます。」
私はそっとルイ様を押し離れた。少し不服そうな顔をしているが、こんな所もし誰かに見つかればどうなるか。
「あ、父がよろしく言っておいて欲しいとの事でした。あとこちらとしてはお気持ち受け取らせて頂きます。って言ってましたよ。どういう意味ですか?」
「んー内緒。」
にっこりと微笑んでいる。当主同士の秘密のやり取りとかがあるのかな?
「あとこうやって会うの控えさせていただきますね。先日の事が噂になってて誰かに見られたらマズイと思うので。」
「…は?」
冷気が漂う。え!私そんな変なこと言った?!目が笑っていないルイ様に近寄られスッと手を取られる。
「あのルイ様?」
「ミアはそれでいいの?」
「寂しいですけど仕方が無いのかと…まだまだ下っ端ですし、私なんかと噂になるとルイ様の立場も良くないですし…」
「ねぇミア今度我が家に遊びにきて?来るよね?周りに人がいないなら良いよね?お願い。」
「…はい。行きます。」
とても圧を感じるお願いという名の決定事項の命令をされた。良かったーと笑っている。いや、家に行くのもっとダメじゃない?でもルイ様の笑顔を見てるとこれ以上断れない。何故こんな事に。
「今日おいでよ!」
え?早すぎない?初めてのお友達なのか。あ!身分差を超えたお友達!きっと前のこともあって親しみを感じてくれているんだと解釈する。
「忙しくないのですか?」
「早く帰れるよう今から頑張るよ!迎えに行くね。」
「ダメです。」
ルイ様は叱られた子犬のように落ち込んでいる。塔内の接触は控えるとさっき言ったのに。しっかりしているようでしていない所は可愛いと考えた瞬間、頬に口づけされた。じゃ少し離れた所出待ち合わせねって部屋を出て行った。何故だ…。私は頬に手を当て時が止まってしまう。自由奔放なルイ様に振り回される事に諦めのため息が出た。




