奥様の御呼び出し。
奥様の御呼び出し。--------------
自室に戻った所で、ルルから念話です嫌な予感「なに?」
『奥様がご用事あるそうです。ぷぷぷぷぅ。』
何でそこで笑うかなぁ。
「すぐ行きます。」
ドアをノックして。
パトラが開けてくれたので、
中に入って一礼。
座るように促されたのでパトラの横に座りました。
『あら、早かったわね。』
「はい、料理長をからかって遊んでました」
『うっ。もう、お茶吹いちゃうじゃない。』
奥様に怒られました。パトラは下向いて震えてます。
よちよち、背中をさすってあげました。
震えがひどく成った様な気がします。
「なんでしょう、料理長、餓鬼大将みたいで可愛いです。」
『ぎゃははは!!』ついにパトラが壊れました。
『本当に面白い子ね、あなた。』奥様に褒めてもらいました。
『そうじゃないの、貴方ワイバーン狩って来たんですって?』
「もう奥様のお耳に届いていますか、早いですね。」
「小さい物ですので、料理長が、何やら作ってくれるそうです。」
「でも、今日は鹿肉の料理かもしれません。」
『何か、ごまかそうと、していますね。
ワイバーンをどこでどうやって倒したの?』
「うぅ、逃げ口上が出来ませんね。判りました。お話しますが、
まだ、ご主人様にも伝えていない事ですので、お察しください。
昼前に森の反対側に飛んで、狼を眷属にしました。
これはお屋敷の外回りの警備をさせるためで、
カラスの近くに住まわせようと考えております。
その事も有りまして、カラスを森の反対側に呼んだのですが、
森の上空で、ワイバーンに襲われました。
急いでワイバーンの上に飛んで、
頭をぼこぼこにしましたら死んでしまいましたので、
マジックBOXに仕舞って料理長に解体してもらいました。以上です。」
『パトラ、ワイバーンてずいぶん弱いのね、
割と簡単に取れるんじゃない?』
『奥さま、意地悪言わないでください。
少なくとも私には無理です。命がいくつあっても足りません。』
「そういえばワイバーンて火を吐きましたね。
でも溜めが大きいので、吐く前に殺ちゃえば大丈夫です。」
『あなたねぇ、どうしてそうやって奥様を煽るの。私の立場が無いでしょ、
奥様に貴方狩って来てなんて言われた時には積みますよ。
肉屋じゃあ売ってないんですから。』
『あら、そんな事言わないわよ。』
奥様が残念そうな顔をしています。きっと言おうと思っていましたね。
『貴方、さっき鹿って言いましたね。鹿も狩ったのですか?』
「はい、狼とカラスの餌にするために、何頭か狩りました。」
「料理長には鹿の解体をお願いしに行ったのですが、元ギルドの介錯人、
じゃなかった、解体人と言う事をお聞きしましたので、
ワイバーンの解体をお願い致しました。」
「カラスがワイバーンはめったに来ないが、
狙われたらまず助からないと言ってましたから、
森の動物には怖い存在なのでしょう。」
『狼達は、もう着いたの?』
「いいえ、子供連れですし、森は期間なので、
森を迂回してきます、後一週間はかかるかと、」
『カラスと狼ですか、
みんなが揃ったら屋敷の者たちに紹介した方が良いわね。
身内で有る事を教えた方が良いわよ。目印が有るといいわね。』
『パトラ、何かいいものない?』
『ヴラド家の家紋が入ったスカーフは如何でしょう。』
『良いわね、赤いスカーフにヴラド家の家紋、いいわ、素敵ね。
ララとパトラで寸法決めて注文して。』
「有難うございます、奥様。とても嬉しいです。」
『貴方には何も返せてないわ、それくらいはさせて頂戴』
「はい」下を向いて何も言えなくなりました。
次話:晩餐とお風呂




