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エデンの園の理不尽な力  作者: 肩ぐるま


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第12話 バルバトスの酒場

数日後、私はエヴァに念話で連絡した後、エヴァのいる部屋に転移した。

私が新しい盗賊のアジトを襲っている間に、エヴァは、借家を借りて、引っ越していた。

今、居るのは、2階建の小さな建物で、小さいながらも庭付きだった。

その資金については、夜中にエヴァが大物の魔物を狩って、肉を売って稼いだという。

家の護衛については、5体のデビルアイがエヴァと視幹で繋がっており、さらに4体の擬態スライムがいるから問題ないということだった。何度か泥棒が入ろうとしたが、擬態スライムの餌になったとのこと。

デビルアイの5体のうち3体は、エヴァ、キキーラ、シルカに、1対1で張り付いているので、人攫いもまったく手が出せない状況だった。

とはいえ、女だけの世帯というのは何かと舐められる。この家を守っている擬態スライムのうち2体を、収納から出した盗賊に擬態させた。衣服や鎧や武器も擬態している。

少し厳つい奴らだが、この2人には、交互に家の戸口に立ってもらう。これで、泥棒や不審者は寄り付かなくなるだろう。

エヴァには、もう一つの盗賊のアジトを見つけて制圧したことを伝えている。

その後、盗賊から奪った財宝から、何割かをエヴァに渡した。

キキーラとシルカについては、キキーラはもうほとんど正常に戻っていて、街へ買い物に出かけることもあるという。シルカの回復は、今ひとつらしい。


バンズとダルクに、新市街地に行くように指示したので、私はバンズとダルクを探すことにした。デビルアイの視幹は500メートルしか伸びないが、盗賊を探しているときに、デビルアイの視幹は数珠繋ぎ出来ることが分かった。そして今は、デビルアイの視幹を6体分繋いで3キロの長さのデビルアイリレーをつくり、エヴァの家から新市街地を探索した。

バンズとダルクの居場所はすぐに分かった。新市街地の小さな酒場の用心棒をやっていた。

私の言い付けを守って、裏社会での具体的な活動は、まだ始めていないようだ。


次に私は、バルバトスたちに付けた朱雀雲蜘蛛をアンカーにして、バルバトスたちの上空に転移した。

そして、バルバトスたちを直接案内して、バンズたちが用心棒をやっている酒場に連れて行った。

その酒場は、小人数のギャングがアジトにしていたが、バルバトスたちを連れて行くと、バンズたちに加勢して、すぐに乗っ取ってしまった。

酒場の元の持ち主であるギャングは、今ではバルバトスたちに顎で使われている。


元のギャングが経営していた頃は兵隊不足で、取るに足らない弱小組織として周囲から侮られていたが、バルバトスたち4人とバンズとダルクが乗っ取ってからは、周囲のギャングたちとの力関係が大きく変わった。

たった数日で、組織の縄張りを20倍に増やしたそうだ。といっても、元の縄張りが小さ過ぎたため、20倍になったといってもしれている。

縄張りの中にある酒場が1軒しかなかったのが19軒増え、小さな娼館が1軒、ケツ持ちを依頼してきた。その程度だ。

この新市街地ではバルバトスは、途轍もない強者だ。元剣闘士だけあって、ギャング程度の腕では歯が立たない。

そのバルバトスは仲間を数人連れて、毎日、数回、縄張りを巡回する。


私は今、その酒場の地下室で、バルバトスビ、バンズとダルクと話し合っている。

実力的に、バルバトスが大将で、バンズとダルクが副将という感じだ。

「ふ〜ん。力があれば、ここでは、簡単にのし上がれるというわけね。それには兵隊が必要だと。それなら、魔物を増やそうかしらね」と私が言うと、

「イヴ様、出来れば人間だけでやりたいんですが」とバルバトス。

「あら、スライムくんは嫌?」と聞くと、

「人間でお願いします」と念を押された。


さて、収納には、2つの盗賊団の死体が60ほど入っている。そのうち半分は、殺人狂などバッドステータスがついている。最初に殺した盗賊団の連中にも、多分、バッドステータスが付いている筈だ。

だから、今回も顔で選ぼう。凶暴そうに見えないやつから蘇生させよう。しかし、収納から出してみないと、顔が分からない。これは不便だ。

夜を待って死体を蘇生させるつもりだが、蘇生を見せると、バルバトスたちが私を邪神と信じ込むに違いないから、皆を部屋から追い出して、鍵を締め、幻影を使って、真実が見えないようにした。

そして、収納から盗賊の死体を次々取り出して、顔が善人に見えて、尚かつ強そうな奴を10人選んで死者蘇生と蘇生者支配を掛けた。

生き返った奴らは、最初は腑に落ちない顔をしていたが、私の説明を聞いて、現状を受け入れ、私への忠誠を違った。

このうちの何人かは、寝ているところを殺されたので武装をしていない。そのため、収納から服と装備を適当に出して身に付けさせた。

さて、10人もの人数が、いきなり地下室から出て来ても、やはり邪神と疑われそうなので、彼等を転移で連れ出すことにする。

何回かに分けて全員を、新市街地の外の森の中に転移させる。

この場所からは、新市街地が見えているので、新市街地に行くよう指示して、私は酒場の地下室に転移した。


そこで、バルバトスたちを呼んだ。

「今から10人の助っ人が来るから、街の端まで迎えに行くわよ。どんな奴らか、私は詳しく知らないけど、元はあなたたちの仲間だから、適材適所で使ってやってね。あっ、それと、飯を食わせてやって」

と言いながら、バルバトスを連れて、新市街地の端に行く。

暫く待っていると、森の方から10人の荒くれ者たちがやって来た。

彼らを迎えて、バルバトスの酒場に行き、酒場を閉めて、全員を集め、これからは、バルバトスファミリーを名乗れと組織の名前を決め、後は酒宴をさせた、

私は、皆に、地下室には来るなと命令し、地下室に入って鍵を掛けた上で、自分にインビジブル、幻影、隠密を掛け、精霊結界で身を護って、浮遊して眠った。

次の日から、バルバトスファミリーは快進撃を始めた。

新しく10人が加ったことで、他の組織の縄張りに繰り出し、周辺の組織を次々と傘下に収め、また、私の指示に従って、娼館を積極的に傘下に入れるように動き始めた。

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