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エデンの園の理不尽な力  作者: 肩ぐるま


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第11話 元奴隷剣闘士バルバトス

盗賊が寝静まった頃、私は洞窟の中に浮遊しながら入り込み、盗賊たちに睡眠魔法をかけて、より深い眠りに落としていった。

もちろん、入り口に居た見張りは、真っ先に眠らせている。

そして、全ての盗賊に催眠魔法が掛かったのを確認してから、人材の選定に進むが、鑑定を掛けるはヤバそうな奴からだ。

洞窟の一番奥に居た大柄で、極悪な顔つきの奴、この盗賊団の首領だったが、鑑定すると殺人狂の称号があったので、そいつから真っ先に殺した。

空間斬で殺すと、周囲が血まみれになるので、猛毒の牙を持つ朱雀蜘蛛に噛みついて殺してもらった。

僅か30分ほどで30人を殺し、収納に放り込んだ。殺した30人には、殺人狂、殺人鬼、強姦魔などの称号があったので、殺すのに迷いがなかった。残りは4人で、彼らには、そういった称号がないので、朱雀蜘蛛の毒牙で殺して、直ぐに手首に目印を付けてから収納に入れた。

そして、悪臭が充満していた洞窟内に聖魔法で浄化してから、隠してあった財産を回収した。


朱雀蜘蛛に盗賊を殺させた後、朱雀蜘蛛が私の眷属になっていた。

これはどういうことなのか?魔物に人を殺させたからか?それとも魔物に経験値を得る機会を与えたからか?おそらく、その両方だろう。

それなら、今度、擬態スライムにも、盗賊を殺させてみよう。魔物を支配しているだけでは不安があるが、眷属になれば安心して使役できる。朱雀蜘蛛に、インビジブルと幻影と転移と念話を付与した。隠密はすでに持っていた。


このときイヴは知らなかった。これほど強力な魔物を何種類も眷属にすると、ある称号が付いてしまうことを。


その後、目印を付けた4人を収納から出して、死者蘇生を掛け、直ぐに蘇生者支配を掛けていく。

生き返った4人は、バルバトス、ポディス、セゲール、キセラワと言った。

彼らは自分が一度死んだことを知らないし、生き返らされたことも知らない。

気が付くと寝転がっており、盗賊の仲間が自分たち4人しか居らず、目の前に、右肩に大きな目玉を、左肩に翼を持った大きな蜘蛛を乗せた私が立っていることに驚いて、4人とも、尻餅をついたまま、後ずさることしか出来なかった。

「私はイヴというのよ。今は、私があなたたちを支配している。ここに一列に並んで座りなさい」と、私が地面を指差して命令すると、彼らは私の命令通りに、私の前で横一列に並んで座った。

4人とも、自分の行動に疑問を持っている。

「何故、私の命令に従ったんだろうっていう顔をしてるわね。今のあなたたちは、私に支配されているのよ。私の命令には逆らえない。逆らおうとしても、体が勝手に私の命令に従うわよ」

私から、一方的に言い渡された内容に、4人は戸惑っている。

「何のことか分からないといった顔をしてるわね。もう少し詳しく説明するとね、ここをアジトにしていた盗賊は、全員殺したわ。あなたたたちを含めてね。殺したのは、ここにいる毒蜘蛛ちゃんよ。ここまでで質問ある?」

と、左肩の上に乗っている朱雀蜘蛛を撫でながら告げると、4人は驚いた顔で、お互いの顔を見合わて、

「俺たちは、死んでるのか?」

「ここは地獄なのか?」

「あなた様は、死の女神様か何かですか?」

と、騒ぎ出した。

「黙りなさい」私が一喝すると、4人とも黙った、自分の意思に反して口が勝手に閉じたといったところだ。

「あなたたち4人だけ、根っからの悪人ではなかったから、生き返らせたよ。だから、死んではいないわ」

その言葉の意味が分かってくると、4人の顔から絶望の色が消えた。

「生きている。生きている。本当に?」と、自分の身体を触りながら確認する者が居て、

「やっぱり、女神様だ。女神様、女神様」と私を拝む者が居れば、

「殺して、生き返らせた?そんなことが出来るとは、何者だ?」と、比較的冷静な者も居る。

「私はイヴよ。この洞窟に居た盗賊の中から、あなたたちを選んで生き返らせた、あなたたちの支配者。だから、面倒臭いから、私に逆らおうとしないでね。この目玉くんも、蜘蛛ちゃんも、人間が何人かかっても敵わないわよ。もちろん私自身も強いわよ」と脅しておく。

「さて、それじゃあ、何故、盗賊になったか聞かせてくれないかな」と、この4人から、それぞれの過去を聞いた。

バルバトスは、元奴隷剣闘士で、他国の闘技場に送られる途中で脱走して、以来、盗賊の中に身を隠していたという。

ポディスは、元農民で、税金が払えずに奴隷になったが、これも脱走して盗賊の中に身を隠していた。

セゲールは、他国の騎士だったが、敗戦捕虜から奴隷になり、やはり脱走して盗賊になっていた。

キセラワは、スラム街生まれで、孤児からチンピラになり、スラムの仲間に誘われて盗賊になったが、根が臆病で、盗み以外の悪事はあまりしていないということだった。


バルバトスは、元奴隷剣闘士というだけあって非常に強かった。


名前 バルバトス

種族 人間(蘇生者)

性別 男

年齢 29

レベル 83

クラス 上剣士

HP 224(+?)

MP 86(+?)

STR 132(+?)

DEF 116(+?)

VIT 123(+?)

AGI 105(+?)

DEX 87(+?)

INT 68(+?)

スキル

極みの太刀Lv12、乱突Lv9、盾Lv8、瞬歩Lv14、格闘Lv7

(状態:被蘇生者支配、支配者イヴ、被支配効果:スキル(経験値増加、成長加速)借用)


バルバトスが持っている極みの太刀というスキルは、剣術スキルの上位スキルだそうだ。それがLv12。そりゃ強いわ。盗賊の中では、本当の強さは隠していたようだけど。

次いで、セゲールも戦闘を職業としていただけに、バンズ並みに強かった。

そこで、あるアイデアが浮かんだ私は、

「あなた達、エルセラムの街の裏社会を支配出来る?」

と聞くとバルバトスが、

「俺は強さには自信がある。裏社会のボスを殺るなら任せてくれてもいい」と答えたので、

「頼もしいわね。そのときには、頼むわよ」と、私はバルバトスに微笑んだ。

「俺も、そこそこ腕に自信があるが、裏社会を支配するのは荷が重過ぎますよ」とセゲール。

「そうね。いきなり裏社会全部は荷が重いわね。だけど、裏社会の者をこちらに抱き込めたら、勝算はあるかしら?」

4人は、この言葉に息を呑んだ。

「抱き込む相手によります」とバルバトス。

「最初は、娼婦たちから抱き込もうと思うの」と私。

「俺は、娼婦のヒモをやっていました」とキセラワ。

「キセラワは裏社会の人間だったわね」

私がキセラワに微笑むと、彼は目の前で手を振って、

「いやいや、俺はそんな大層なものじゃないです。ただのチンピラでしたから」

「でも、裏社会のことに詳しいでしょう。他の3人に、裏社会の決まり事を教えてやってね」


「さて、あなたたちは、エルセラムの街まで行って、そこで裏社会に食い込む手段を探して頂戴。エルセラムの場所は分かる?分からないなら、この蜘蛛ちゃんを案内に付けるわ。エルセラムの街には、あなたたちのお仲間のバンズとダルクというのががいるから合流してね」

この4人に、盗賊たちから奪った銀貨を皮袋に詰めて、1人に1袋ずつ渡した。

元剣闘士のバルバトスと元騎士のセゲールは、かなり強いので、4人で助け合えと指示し、道案内に、彼らを殺させて眷属になった朱雀蜘蛛を付けて送り出した。

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