表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹にだまされ、私を無視する婚約者をすてることにした  作者: みみぢあん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/65

43話 お茶会のあとで


 お姉様がユベールお義兄様と一緒に帰ったあと、パスカル卿も帰ると言いだした。


「待って下さい、パスカル卿! さっきユベールお義兄様としていた話について、詳しく教えてください」

 パスカル卿は私と目を合わせようとせず、気まずそうに答えた。


「すまない、シャルロット嬢。この後、人と会う約束があるんだ」

「そんな! あなたもお茶会に参加すると言っていたのに?」

「すまない、気が変わった」


「パスカル卿!」

(私が求婚を受け入れたあと。そのままパスカル卿はお茶会にとどまり、私と一緒にお話しする予定だった。パスカル卿もそのつもりだったはずだわ)


「失礼するよ」

「あっ!」


 結局、パスカル卿はどれだけ私が引き止めても、私の手を振り切り逃げるように帰って行った。

 そんな私たちを見て、年配の貴婦人たちはヒソヒソと囁き合っている。


「……ひどいわ」


 お茶会がはじまる前の予定では。

 今頃、私とパスカル卿の求婚で盛り上がっていたはずだったのに。

 でも、お姉様の“妊娠した”というウソのせいで、急激にお茶会は気まずい空気になってしまった。 


 お母様は呆然としていたけれど。私が泣きだしそうな顔をしていたのに気づいて、少し早めにお茶会を終わらせることにした。


 最後の招待客をお母様と二人で見送ったあと。


「お母様…… ユベールお義兄様とパスカル卿が話していたことは、どういう意味?」


 お母様は私がたずねると、ピクッ! と頬を痙攣(けいれん)させた。


「そ… その話は、居間へ移動してから話しましょう」

「はい」



 家族用の居間でお茶会で出したバラ色のお茶を飲み、落ち着きを取り戻すと。

 いつもは私の隣に座るのに。今日はソファセットの向かいがわに座ったお母様は、私と目を合わせずに口を開いた。


「十年前…… ユベール卿が男色家だと言われるようになったのは、パスカル卿が恋人だとウワサが流れたからなの」


「……何ですって⁉ パスカル卿がユベールお義兄様の恋人?!」

(パスカル卿が男色家⁉ そんな話、知らない。私が聞いたのはユベールお義兄様が男色家という話だけだわ)


「ええ。さっきはそれが全部、間違ったウワサだったとユベール卿は証明したの。それもパスカル卿に一方的な片思いを押しつけられたと」


『私はこれ以上、君の好意を断り続ける必要もなくなった』

 ……とユベールお義兄様はお茶会の参加者たちの前で、確かにそう言った。


「お母様… こんなのウソでしょう?」


「ユベール卿の言葉がウソかどうかはわからないわ。でもパスカル卿はあなたに“運命の愛”を語り、求婚したばかりだったから。あわてたパスカル卿は何も否定しなかった」


 パスカル卿がお義兄様の言葉を否定できたとしても、パスカル卿が男色家なのはかわらない。


「ああ…… どうしてこんなことに。お母様…?」

(本当にパスカル卿が… 男色家なの? ウソよね? こんなの悪い冗談だわ!)


 私は強い疲労感を感じて、だらしなくソファーに沈み込んだ。



「男色家なら愛人と子供をつくったりしないから、良いと思ったの」

「…は?」



 お母様まで私と目を合わせようとしないで、話し続けた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ